疾患として細菌性髄膜炎,クリプトコッカス髄膜炎,梅毒性髄膜炎, ..
20 の臨床試験について2007 年に発表されたCochrane メタアナリシスは、髄膜炎におけるステロイドのベネフィットは年齢およびその試験が実施された国によって異なっているようである、と結論づけて いる7。小児(年齢> 1 ヵ月)の場合、ステロイドによる補助的療法によって、重度の難聴の割合は全体で11.0%から6.6%に低減したが、そのベネフィットは所得が高い国々においてのみ明らかであった。所得が低い国々では、小児に対するステロイドによる補助的療法は、有益でも有害でもなかった。成人の場合、ステロイドによる補助的療法によって、全般死亡率は21.7%から11.7%に低減した。この系統的レビューにはバイアスが存在している可能性がわかっていた(例えば、選択バイアス、被験者の脱落、転帰の競合リスク、試験プロトコールの不均一性)が、著者らは、細菌性髄膜炎を有する全ての成人患者に対して、ならびに急性期医療を適切に受診できる収入が高い国の小児患者に対してステロイドによる補助的療法を推奨していた。しかしながら、著者らはその時点では、収入が低い国々の細菌性髄膜炎の成人患者を対象として進行中の2 つの試験成績はまだ発表されていないこと、またステロイドによる補助的療法によって、収入が低い国々の小児の特異的なサブグループがベネフィットを得られることができるかどうかという疑問点に関しては未解決のままであることを警告していた。
初期研修医〜一般内科向けに作成したスライドです。髄膜炎菌の部分は曝露後予防など少し踏み込んでいるので、興味があれば。
髄膜炎の急性期管理に関するエビデンスに基づくガイドラインはすでに発表されており、また臨床転帰を改善させるための最適な抗生物質や補助的療法の測定、特にコルチコステロイドによる補助療法の適用を定義づける種々の努力に基づいて、改訂が行われてきた。また細菌性髄膜炎に対するデキサメタゾンの補助療法の有効性に関しては、過去30 年以上にわたって、実験的研究や臨床試験において、CNS 内に生来備わっている急性炎症反応の作用を低下させる生物学的妥当性の観点で検討されてきた。
8). 溶血性貧血(免疫性溶血性貧血又は免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血。
髄膜炎では,抗菌薬にステロイドを併用する場合があります. #33
Cochrane レビューの著者らが予想していた通り、収入が低い国々の細菌性髄膜炎の成人患者を対象として実施された2 つの臨床試験では、矛盾した結果が示された。マラウィで実施された試験では、ステロイ ドによる補助的療法によって、罹病率または死亡率は低減しなかった。ベトナムで実施された青年および成人(年齢> 14 歳)の細菌性髄膜炎患者を対象とした試験では、全ての患者のintention-to-treat 解析の結果、ステロイドによる補助的療法によって、1 ヵ月時点での死亡リスク、6 ヵ月時点での死亡または障害のリスクは低減しなかった。微生物学的に確認された細菌性髄膜炎を有する患者のサブグループ解析(全コホートの69%)においてのみ、ステロイドによる補助的療法のベネフィットが示されたが、そのベネフィットが認められたのはグラム陽性の起炎菌を有する患者に限定されていた。ベトナムにおいて微生物学的に最も高頻度に確認される髄膜炎の起炎菌がStreptococcus suis であったことを考慮すると、この起炎菌はアジア以外の国では稀であることから、前述のサブグループにおけるベネフィットでさえも、それを一般に外挿することについては疑問が残されていた。
これら2 つの試験から得られた矛盾するエビデンスは、ステロイドによる補助的療法の効果は地理的な場所によって異なるという考え方を裏づけるものであった。その新たな知見がvan de Beek らを、最新のメ タアナリシスの実施へと駆り立てた。この解析には、2001 年以降に発表された、細菌性髄膜炎に対するデキサメタゾンによる補助的療法に関する二重盲検無作為化プラセボ対照試験で、個々の試験における患者の生データが利用可能であった5 つの試験が含まれた。この5 つの試験は、前述のマラウィおよびベトナムで成人を対象として実施された2 試験、西部ヨーロッパで成人を対象として実施された1 試験、ならびに南アフリカおよびマラウィで小児を対象として実施された2 試験であった。全体で、計2,029 例の患者のオリジナルデータが解析された。このメタアナリシスの最も重要な結論は、デキサメタゾンは(難聴または神経学的疾患の改善の有無にかかわらず)生存率を改善しなかったというものであった。生存患者で唯一認められたベネフィットは、難聴の減少であった。事前に規定していたサブグループ、すなわち起炎菌、HIV の状態、年齢またはデキサメタゾンの前に行った抗生物質による前治療が同じであった患者についてさらに解析を実施した結果、いずれの主なサブグループにおいても、デキサメタゾンによる補助的療法のベネフィットは認められなかった。
ると肺炎球菌のほか、リステリア菌やグラム陰性桿菌も原因となる。また、ステロイド投与中や
13). 肺結核(粟粒結核、重症肺結核に限る)(抗結核剤と併用する)、結核性髄膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性腹膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性心のう炎(抗結核剤と併用する)。
14). 脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、筋強直症、重症筋無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎。
1. Hibワクチン3回接種後に発症したインフルエンザ菌f型髄膜炎の1例. 大原 亜沙実,他 1079. 2.
この新たに実施されたメタアナリシスには、5 つの個々の試験の方法論的な厳密さ、個々の被験者データの利用、臨床的に関連した転帰、ならびに事前に特定したサブグループといった、いくつかの強みがあった。この解析の主な限界は、個々の試験間の不均一性(何らかの不均一性を示したものを含む)を検証する既報の検定法が、収集されたデータによって制限されたことであった。すなわち第1 には、マラウィで実施された試験でさえ、全ての患者に対してHIV 検査が行われたわけではなく、また地域の疫学パターンに基づいて患者のHIV の状態が割り振られていた(検査されなかった全てのマラウィ人成人患者はHIV 陽性 であるとみなされたが、小児の場合は、HIV 検査を行わない限りは陽性・陰性の判断はしなかった)ことから、HIV の状態が及ぼす影響を検証するには限界があったという点があげられる。第2 には、感染に 対する臨床反応や有害な転帰に関連した宿主因子である栄養失調が、全ての患者で評価されていたわけではなく、また地域の有病率に基づいて分類されていた点があげられる。第3 には、患者の意識レベル(2 つの異なるスコア化システムを組み合わせて測定する)に基づいて髄膜炎の重症度を層別化しようという試みがなされたが、精神状態を評価するタイミングに関して標準化がなされなかった点があげられる。髄膜炎は進行が早い疾患であり、そのため、もし結果が一般化できるようなものである場合には、意識の臨床評価を行う正確なベースライン時点(例えば、最初のトリアージの段階で、抗生物質の投与時、あるいはステロイドまたはプラセボの投与時)を規定しておくことが重要である。第4 には、細菌性髄膜炎は通常、神経系だけでなく全身性の感染症であり、血圧や血中乳酸濃度といった他の鍵となる臨床データが、このメタアナリシスでは他の方法で検出されなかった重要な不均一性を示した可能性があるという点があげられる。
細菌性髄膜炎の患者に補助的療法としてステロイドを投与するかどうかを決定する必要がある臨床医にとって、今回のこの知見が暗示しているものは一体何なのか?われわれは、医療をより受けやすい収入の高い 国々の細菌性髄膜炎患者の試験において一貫して示されているステロイドのベネフィットから考えると、そのような状況ではステロイドを使用するのが当然であると確信している。また、ステロイドの有害事象は全ての試験において、ほとんど認められていない。疾患やHIV 感染の認識の遅れがステロイドのベネフィットを妨げている収入がより低い国々では、有効な抗生物質が投薬されるような状況を改善するための試みが必要である。しかしながら、30 年以上にわたる努力と議論から明らかにされる一つの最も重要なテーマは、ステロイドによる補助的療法は世界的に、特に細菌性髄膜炎に関連した罹病率や死亡率の割合が異常に高い、医療が十分に行き届いていない地域では、細菌性髄膜炎の公衆衛生上の負担に対して大きなインパクトは与えないのではないかという点である。この点から、研究者、臨床医、製薬会社、公衆衛生当局、財団および政府機関は世界的に、有効な結合ワクチンをより容易に購入でき、より簡単に接種できるよう努力する必要がある。
(1−11)結核性疾患における肺結核、結核性髄膜炎、結核性胸膜炎、結核性腹膜炎 ..
脳を包む髄膜に細菌が感染して起こる髄膜炎は子どもにも大人にも起こり、重症の場合は重い後遺症を残したり死に至ることもあります。治療にステロイド薬が使われることがあり、その効果を調べたこれまでの研究をまとめた結果が報告されました。
黄色ブドウ球菌などが感染して炎症を起こした場合、髄膜炎などを起こすことがあります。
私たちは、髄液の細菌・真菌・抗酸菌の各種培養、さらにHSV-PCR、TB-PCR、ADA、クリプトコックス抗原などを追加で提出しました(髄液のグラム染色、抗酸菌染色、墨汁染色は陰性)。当院では当日内にクリプトコックス抗原検査陰性が確認できたため、院内発症の細菌性髄膜炎を想定してバンコマイシン+セフェピム+アンピシリンおよびヘルペス脳髄膜炎のカバーのためにアシクロビルをコンサルト同日から開始しました(後にTB-PCRは陰性、髄液ADA:6.0U/Lと判明)。
また今回の研究ではステロイド(デキサメタゾン)の投与方法・投与量は各研究毎に ..
23). *湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部湿疹あるいは肛門湿疹、耳介湿疹・皮膚炎及び外耳道湿疹・皮膚炎、鼻前庭湿疹・皮膚炎及び鼻翼周辺湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しないこと)、*痒疹群<重症例に限る>(小児ストロフルス<重症例に限る>、蕁麻疹様苔癬<重症例に限る>、固定蕁麻疹<重症例に限る>(局注が望ましい)を含む)、蕁麻疹<慢性例を除く重症例に限る>、*乾癬及び類症[尋常性乾癬<重症例>、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群]、*掌蹠膿疱症<重症例に限る>、*扁平苔癬<重症例に限る>、成年性浮腫性硬化症、紅斑症(*多形滲出性紅斑<重症例に限る>、結節性紅斑)、IgA血管炎<重症例に限る>、ウェーバークリスチャン病、粘膜皮膚眼症候群[開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病<眼症状のない場合>、リップシュッツ急性陰門潰瘍]、レイノー病、*円形脱毛症(悪性型円形脱毛症に限る)、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear−Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、先天性表皮水疱症、帯状疱疹<重症例に限る>、*紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)、顔面播種状粟粒性狼瘡<重症例に限る>、アレルギー性血管炎及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含む)、潰瘍性慢性膿皮症、新生児スクレレーマ。
通常1週間なら3週問で治癒しますが、まれに髄膜炎などを併発する重篤な例もあります。
急性細菌性髄膜炎に罹患した成人,とくに肺炎球菌性髄膜炎を有する成人における死亡率と障害の罹患率は高い.動物での細菌性髄膜炎の研究では,コルチコステロイド剤を用いた補助療法が有益な効果を示している.
髄膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する)、結核 ..
急性細菌性髄膜炎の成人を対象に,デキサメタゾンによる補助療法とプラセボを比較した,前向きの無作為二重盲検多施設共同試験を実施した.デキサメタゾン(10 mg)またはプラセボを抗菌剤の初回投与の 15~20 分前あるいは抗菌剤の初回投与と同時に投与し,その後 6 時間ごとに 4 日間投与した.主要転帰の指標は,8 週での Glasgow Outcome Scale であった(5 点は良好な転帰を示し,1~4 点は転帰が不良であることを示す).また,原因菌に基づいたサブグループ解析も行った.分析は intention-to-treat 解析法を用いて行った.
見、頭部 MRI 所見から irAE による髄膜炎と診断した。ステロイド投与後は著明に改善し、人工呼吸器、透析
24). 内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺の対症療法)、外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎の対症療法)、眼科領域の術後炎症。
脳を包む髄膜に細菌が感染して起こる髄膜炎は子どもにも大人にも起こり、重症の場合は重い後遺症を残したり死に至ることもあります。
合計 301 例の患者を,157 例はデキサメタゾン治療群に,144 例はプラセボ群に無作為に割付けた.ベースライン時における両群の特性は同等であった.デキサメタゾン療法は,不良な転帰のリスクの減少と関連していた(相対リスク 0.59;95%信頼区間 0.37~0.94;P=0.03).また,デキサメタゾン療法は,死亡率の減少とも関連していた(死亡の相対リスク 0.48;95%信頼区間 0.24~0.96;P=0.04).肺炎球菌性髄膜炎患者において転帰が不良であったのは,デキサメタゾン群では 26%であったのに対し,プラセボ群では 52%であった(相対リスク 0.50;95%信頼区間 0.30~0.83;P=0.006).消化管出血は,デキサメタゾン群の 2 例およびプラセボ群の 5 例で発生した.
・臨床的に活動性の中枢神経系への転移又は癌性髄膜炎を有する患者。 ..
結核性髄膜炎に罹患した患者では,半数以上が死亡するか,障害が残る.先行研究は小規模であったため,結核性髄膜炎に罹患した成人において,副腎皮質ステロイドを用いた補助療法で障害や死亡のリスクを軽減できるかどうか実証できなかった.また,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)との重複感染が及ぼす影響も明らかにされていない.
髄膜炎ではデカドロン推奨 鉱質コルチコイド作用がゼロなのもよいが、逆に妊婦に ..
デキサメタゾンを用いた早期治療は,急性細菌性髄膜炎を有する成人の転帰を改善し,消化管出血のリスクを増大させない.
いては更なる検討も必要としている. ①抗菌薬の初回投与の10〜20分前に
デキサメタゾンによる補助療法によって,9 ヵ月の追跡期間後の死亡または重度障害のリスクが軽減するかどうかを明らかにするため,ベトナムで無作為二重盲検プラセボ対照試験を行った.対象は,HIV との重複感染の有無にかかわらず,14 歳を超えた結核性髄膜炎患者とした.あらかじめ規定したサブグループ解析と,intention-to-treat 解析を行った.
基本的には,抗菌薬の投与の 10〜20 分前に,デキサメタゾンを 0.15mg/kg・6 時間毎(体重 60kg ..
この段階で、
①腸球菌による髄膜炎
②原因不明の十二指腸を中心とする上部消化管の炎症性病変
③ステロイド内服中
④数年前からの好酸球浸潤を伴う皮疹のエピソード
⑤出身地が奄美大島である(約20年前に関西へ移住)
――という情報をコンサルト時に得ていたことから、一つの基礎疾患の可能性を考えました。そうです、糞線虫症です。
膜炎における副腎皮質ステロイド薬の併用は行ったほうがよいのか.
細菌性髄膜炎患者に対する抗菌療法の補完療法としてのコルチコステロイドの価値に関しては、30 年以上にわたって議論されてきた。今までに小児および成人を対象として20 以上の臨床試験が実施されており、それらの成績からは、生存および神経学的疾患の点で一貫したベネフィットは示されていない。van de Beek らによって最近実施されたメタアナリシスは、個々の試験の全く異なる成績を一致させる試みを行っており、ステロイドによる補助療法はある特定の患者グループにおいてのみ転帰を改善するかどうかを問うている。