クラリスロマイシンとミノサイクリンにより治療した皮膚
クラミジアは細胞壁をもたないため、細胞壁合成阻害剤であるペニシリン系やセフェム系のβ―ラクタム薬、そのほかの蛋白合成阻害剤であるアミノ配糖体も無効である。クラミジアに最も抗菌力が優れているものはテトラサイクリン系のミノサイクリンで、ドキシサイクリンがこれに次ぐ。マクロライド系ではロキタマイシン、ロキスロマイシンなどニューマクロライド系の抗菌力が従来のエリスロマイシンより優れており、特にクラリスロマイシンはほぼミノサイクリンと同等の抗菌力を有している。そのほかオフロキサシン、トスフロキサシンなど一部のニューキノロン薬も抗クラミジア作用を有しているが、スパルフロキサシンはより抗菌力が優れている。
4件の後ろ向き研究は、アジスロマイシン、クロラムフェニコール、クラリスロマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンについて評価していた。
吉野先生から、「小規模ではあるものの複数の無作為化比較試験より、テトラサイクリン系抗生剤の予防的投与は意味があるのではないか」という指摘がありましたが、坂本先生は統計家として推奨されますか。
発熱、咳(せき)、鼻水などの症状があり、特に咳は、最初乾いた咳から痰の絡んだ咳になり、2週間程度続きます。マイコプラズマは、乳幼児では風邪のような症状ですが、学童期以降や大人の場合は肺炎を起こします。
マイコプラズマは細菌ですので、細菌を殺す抗菌薬による治療が効果を発揮します。しかし、マイコプラズマに効く抗菌薬は、マクロライド系抗菌薬(エリスロシン、クラリス、クラリシッド、ジスロマックなど)、テトラサイクリン系抗菌薬(ミノマイシンなど)、ニューキノロン系抗菌薬(クラビット、オゼックスなど)に限られます。抗菌薬が効きにくいマイコプラズマが増えています。大人では多くないのですが、子どもでは既に90%近くが、マクロライド系抗菌薬が効かないと言われています。
ジスロマック(アジスロマイシン)、エリスロシン(エリスロマイシン)、クラリス(クラリスロマイシン)など
マイコプラズマは主に小児の5歳以上の肺炎の原因になるとされています。この肺炎はしつこい咳と発熱を主な症状として発病しますが、マクロライドといわれる薬を服用することで、比較的容易に治療できる病気です。しかし、2000年頃からこの特効薬であるマクロライド系の薬(クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど)が効きにくいマイコプラズマ肺炎が主に日本で報告されるようになっています。
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
3章 抗微生物薬の特徴 11 テトラサイクリン系:ミノサイクリン
クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。
一般名ミノサイクリンの一部である「ミノ」と、抗生物質という意味の「マイシン」から命名されました。
マクロライド系クラリスロマイシン(クラリス)、アジスロマイシン(ジスロマック)など ..
一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。
現在、使用可能な薬剤は、テトラサイクリン、特にドキシサイクリン(ビブラマイシン)、マクロライド、経口メトロニダゾールおよびイソトレチノインです。
時にはダブソン(DDS)、β―ブロッカー、イベルメクチンまたはグルココルチコイドが必要になることがあります。
しかし、欧米先進国でもドキシサイクリンのみが正式に酒さの治療法として承認されており、上記に挙げた他のすべての薬剤は”off label”(承認適応症外)として使用されています。
性感染症の治療におけるミノサイクリン塩酸塩の投与期間は、他の感染症と比較して比較的短いのが特徴です。 ..
テトラサイクリンは日本でも比較的使い易い薬剤です。
テトラサイクリン系の抗生物質は1950年代以降、特に酒さの丘疹と膿疱に対して第一選択肢として用いられており、ゴールドスタンダードとしての地位を獲得しております。現在では、臨床的に使用される主要なテトラサイクリン誘導体は3つあります。テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンです。
クラリスロマイシン ) (メーカーちがいです。) A:用法用量 耳鼻科的には一日2 ..
ニューキノロン系抗菌薬は、人工的に合成された薬のなかでも特に殺菌作用が強いとされる抗菌薬のひとつです。細菌のDNA複製に必要な酵素を阻害することで、細菌の増殖を抑制するのではなく、殺してしまう殺菌性抗菌薬になります。
内服薬や外用薬として多くの薬剤が市販されており、薬剤師であればそれぞれの特徴を理解しておきたいもの。ここでは日常診療で頻繁に見かけるニューキノロン系の内服薬であるジェニナックとクラビットの違いを見てみましょう。
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
このマクロライドが効かない(耐性)マイコプラズマ肺炎は大きな病院にかかった患者さんから分離されており、一般の診療所や病院の先生のところで診てもらっている患者さんの実態はほとんど分かっておりません。そこで、今度一般の診療所や病院の先生のところでこのような研究を始めることとなりました。
ミノサイクリン(ミノマイシン®)A)、マクロライド系(ロキシスロマイシン(ルリッド®)B、クラリスロ ..
12月の始めくらいに顔にぶつぶつが出来始め、先月末に皮膚科クリニックを受診して、そこから紹介された病院で皮膚生検をして、10日ほど前に顔面播種状粟粒性狼瘡の確定診断を受けました。
おでこと口の周りと顎以外に症状がでていまして、出来物が無いを所もさわるとごろごろした何かが有ります。
薬は皮膚生検前はミノサイクリンで、その後クラリスロマイシンになり、現在はレクチゾールです。
どの薬も効果は感じられませんでした。
担当の先生の説明や、ググったり、アスクドクターズの質問を見たりして、完治まで長期間かかるのは理解したので薬の効果が感じられるようになるまで気長に待とうと思います。
ですが、上下の瞼が出来物で腫れていましてドライアイを感じます。
市販の目薬を買ってきたのですが、検索すると使いすぎると眼圧がどうのこうのとか、血管収縮剤入りがどうとか出てきまして、安易に使いにくくなりました。
こういう場合は皮膚科の先生に相談すると、頻繁にさしても安全な目薬を処方して貰えるのでしょうか?
または市販でおすすめの目薬は有りませんか?
いつ治るか分からないので長期間毎日頻繁にさすことになると思います。
目薬以外でも何かアドバイスが有りましたらお伺いしたいです。
[PDF] 小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方
今回検討したM. pneumoniae 70株中46株(65.7%)がマクロライド系薬剤耐性23S rRNA遺伝子変異株(A2063G)であった。70株中58株は20歳未満(最低年齢4カ月)で分離されており、A2063G変異がみられたのは43株(74%)であった。20歳以上(最高年齢86歳)の分離株は12株で、変異がみられたのは3株(25%)のみであり、若年齢層でのマクロライド系薬剤耐性化が進んでいることが示唆された。p1遺伝子による菌の型別結果は、1型菌が63株(90%)、2c型菌が5株(7.1%)、2a型菌が2株(2.9%)で、2cと2a型菌にA2063G変異を持つものはみられなかった。また最近、p1遺伝子にはAGTの3塩基が繰り返し、その数に多型がみられる部位(VNTR:variable-number tandem repeat)が見つかった1) 。このp1遺伝子のVNTRマーカー(VNTR P1_AGT)を調べると、6が21株(30%)、7が21株(30%)、8が15株(21.4%)、5が6株(8.6%)、9が5株(7.1%)、11と13が各1株(1.4%)であった。
間(欧米では 5 日間)が推奨されている 3)8)9)13)。トスフロキサシンあるいはテトラサイ
1).一般感染症:通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり10~15mg(力価)を2~3回に分けて経口投与する。
レジオネラ肺炎に対しては、1日体重1kgあたり15mg(力価)を2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2).後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症:通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg(力価)を2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)7.1.〈一般感染症〉小児の1日投与量は成人の標準用量(1日400mg)を上限とすること。
7.2.〈一般感染症〉免疫不全など合併症を有さない軽症ないし中等症のレジオネラ肺炎に対し、1日400mg分2投与することにより、通常2~5日で症状は改善に向うが、症状が軽快しても投与は2~3週間継続することが望ましい。また、レジオネラ肺炎は再発の頻度が高い感染症であるため、特に免疫低下の状態にある患者などでは、治療終了後、更に2~3週間投与を継続し症状を観察する必要がある(なお、投与期間中に症状が悪化した場合には、速やかにレジオネラに有効な注射剤(キノロン系薬剤など)への変更が必要である)〔8.1参照〕。7.3.〈一般感染症〉レジオネラ肺炎の治療において単独で使用することが望ましいが、患者の症状に応じて併用が必要な場合には次の報告を参考に併用する薬剤の特徴を考慮し選択すること。
7.3.1.〈一般感染症〉レジオネラ肺炎の治療において、中等症以上の患者にリファンピシンと併用し有効との報告がある。7.3.2.〈一般感染症〉レジオネラ肺炎の治療において、invitro抗菌力の検討において、本剤とレボフロキサシン又はシプロフロキサシンとの併用効果(相乗ないし相加作用)が認められたとの報告がある。
7.4.〈後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症〉国内外の最新のガイドライン等を参考に併用療法を行うこと。7.5.〈後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症〉臨床的又は細菌学的な改善が認められた後も継続投与すべきである〔8.1参照〕。
[PDF] 感染症はこう叩け! (レジデントのための薬物療法)
MIC測定検査が実施できた45株の中でA2063G変異のみられた26株の各種薬剤MIC値(μg/ml)は、アジスロマイシン(AZM)が16-64、クラリスロマイシン(CAM)が64->256、エリスロマイシン(EM)が256->256、クリンダマイシン(CLDM)が16-128、ミノサイクリン(MINO)が0.125-1、テトラサイクリン(TC)が0.25-0.5、レボフロキサシン(LVFX)が0.25-0.5、シプロフロキサシン(CPFX)が0.5-1であった。マクロライド系耐性遺伝子変異株において比較的MIC値が低いマクロライド系薬剤はAZMであった。また、マクロライド系耐性遺伝子変異がみられなかった19株におけるMIC値は、AZMが0.0001-0.001、CAMが0.001-0.008、EMが0.002-0.016、CLDMが0.25-1、MINOが0.25-0.5、TCが0.125-0.5、LVFXが0.125-0.5、CPFXが0.5-1であった。
8-1 幅広い抗菌活性をもつミノサイクリン ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 88
87歳,女性。間質性肺炎のためステロイド内服中であった。柿の木を剪定後に左前腕に紅色結節と潰瘍が生じた。結節の病理検査で真皮から皮下に肉芽腫に囲まれた膿瘍がみられた。組織の培養と質量分析でと同定した。生検後クラリスロマイシン400mg/日内服を開始し,2カ月半後に600mg/日に増量しミノサイクリン200mg/日を追加した。併用療法開始3カ月半後に病変は消失し,併用療法は6カ月間で終了した。本邦では皮膚感染症の多くはミノサイクリン内服で治療されているが,標準的治療法は確立されておらず,今後の検討が必要である。
[PDF] ミノサイクリンの追加投与が有効であったサルコイドーシスの1例
以下の研究にご参加いただくとマイコプラズマをリアルタイムPCRという新しい方法で検査するため、その肺炎が本当にマイコプラズマであるか、また薬が効くものか効かないものかが分かります。ぜひご協力をお願いいたします。
エリスロマイシン,アジスロマイシン,ミノサイクリン,クリンダマイシン
※1 連続1ヶ月ではなく、ミノサイクリンを使用した期間の累計1ヶ月以上を意味します。この副作用は歯の成長期のお子さんにのみ生じるため、8歳未満のお子さんには使用しない方が望ましいとされています。しかし、7歳以上のお子さんに初めて使用されて色素沈着を生じたという報告は現在のところ1例もありません。