メラトニンの主たる代謝経路は 6 位の水酸化に続く硫酸抱合及びグルクロン酸抱合


多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。


•メラトニンは生体内で合成される内分泌ホルモンであることから安全性が高い

「アンチエイジングフード研究室」という名前の通り、ミトコンドリアに直接取り込まれて活性化し、アンチエイジングに効果を持つさまざまな食品成分を探し、その機能について研究しています。 特にミトコンドリアを活性化する有機酸とケトン体の神経細胞の保護作用を研究しています。

また,体温や組織酸素濃度の日周変動も末梢時計の時刻情報となりうる(.筋肉の時計は,食事スケジュール(インスリン)も重要であるが,活動スケジュール(体温,酸素濃度)の影響も強く,両者が乖離するような条件においては,活動スケジュールに合わせた時刻情報をもつ場合もある(.多くの末梢組織においては,このように複数の時刻情報がシグナルを入れており,組織の特性に応じて各因子の影響力が異なっている.つまり,食事リズム,活動リズム,体温リズムなどがすべてそろっている場合は,末梢組織全体で同じような時刻情報をもち,個体全体としても大きな日周リズムを生み出すが,因子間の競合が起こるような生活(朝食欠食や深夜の食事など,活動時刻と食事時刻がずれる生活が典型)をしていると,組織によって時刻情報が乖離してしまう.このように,体内で時差ボケが起こったような状態では,臓器間あるいは細胞間での時間的分業や連携がスムーズに進まなくなり,生理機能が低下する.これが長期的に続くと,エネルギー代謝が落ちてメタボになったり,脳機能や精神状態が不安定化したり,免疫機能が低下したりすることで,生活習慣病や疾病にかかりやすい身体になってしまう(

と考えられており、また生物時計の調節や睡眠誘発作用があることから注目さ

末梢組織においても,同様の時計位相調節機構が保持されている.たとえば,グルココルチコイドのシグナルが入ると,が誘導され(,インスリンのシグナルが入るとが誘導され(,時計の位相が調節される.したがって,マウスにストレスがかかるようなハンドリングをすると,ストレスホルモンであるグルココルチコイドが上昇し,末梢時計の位相が変化する(.同様に,食事スケジュールを変化させると,インスリンが末梢時計に作用する時間帯が変わるので,末梢時計の位相が動く.つまり,早朝の食事は末梢時計を前進させる働きをもち,夜遅い食事は末梢時計を後退させる.末梢時計は,インスリンやグルココルチコイドなどの時刻因子の濃度変化に合わせて時計位相が調節されているため,食事時刻や活動時刻に合わせた時刻情報となる.

健康科学の研究者としては,薬や食品を上手に使って体内時計を調節・制御したいところである.個体丸ごとの体内時計を動かすとなるとハードルが高いが,上述のとおり,培養細胞の概日時計であれば化学的な刺激でリズムを調節することは比較的容易である.これまでに,ケミカルスクリーニングによって,概日時計に作用する化合物は多数見つかっている.たとえば,理研のグループが,マウスとヒトの培養細胞を利用し,1,260個の薬理化合物についてスクリーニングを行った実験では,周期長を大幅に伸ばすものが10個,それ以外に有意に伸ばすものが14個,有意に縮めるものが4個あったことを報告している(.周期長を顕著に伸ばす化合物の多くがカゼインキナーゼε/δ(ε/δ)の阻害活性を有していた.もともと,εの変異体ハムスターは概日リズムの周期長が短いことが知られており,時計周期長を調節する標的の一つとして,このタンパク質の活性制御が有効な手段であることがわかる.また,カリフォルニア大学のグループの報告によると,1,280個の薬理化合物のスクリーニングから,周期長を変化させるものが11個見つかり,やはり時計遺伝子の制御にかかわることが知られていたβというキナーゼの阻害剤を含んでいた(.その後,約12万個の化合物についてスクリーニングを実施し,δ, α, などのキナーゼが時計の周期長に影響を及ぼすことが確認され(,時計タンパク質のリン酸化状態によって周期長が制御されていることが浮き彫りになった.さらに,6万個の化合物のスクリーニングから,周期長を伸長する新たな標的として,時計遺伝子のに直接的に作用する化合物(KL001~003)が見つかった(.その後,名古屋大学のグループが合成化学を駆使して,この化合物の類縁体の効果を検証し,周期長を短縮する化合物の合成に成功している(.また,ドラッグリポジショニングの観点から,既存の承認薬ライブラリーを使ったスクリーニング実験もあり,1,100の承認薬のうち,周期長に影響するものが5%(59個;伸ばすものが46個,縮めるものが13個)見つかったことを報告している(.そのなかで周期長を短縮させた,デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)については,マウスの飼料に0.5~1.0%混ぜて摂取させることで,実際に行動リズムの周期長が短縮されることを確認している.ちなみに,DHEAはサプリメントとして入手できる国もある.

さらに、マイナーな経路であるが、メラトニンは N-脱アセチル化により 5-methoxytryptamine となり、さらに代

光や食事といった外部の時刻情報に合わせるために,個々の概日時計は時刻調節機能をもっている.まず,古典的に知られている光シグナルに対する視交叉上核の反応をで説明する.光によって興奮した視神経の終末からグルタミン酸が放出され,視交叉上核の神経細胞がそのシグナルを受け取る.グルタミン酸受容体を介して,細胞内でcAMP濃度が上昇すると,cAMP応答配列(CRE)をプロモーターにもつ時計遺伝子の発現が一過的に誘導される.これが,の概日リズムにおける上昇フェーズに起きれば時計位相は前進し,下降フェーズに起きれば遅延する仕組みとなっている.具体的には,日の出前の光は時計を前に動かし,日没後の光は時計を後ろに動かすことになる.や(, )などの時計遺伝子は,刺激によって一過的な発現誘導が起こる遺伝子(immediate early gene)であり,刺激に応じて時計位相を前後に調節する機能をもたらしている.ちなみに,これを薬剤で実験的に模倣することは比較的容易であり,たとえば,培養細胞にcAMPを上昇させる薬剤であるフォルスコリン(アデニル酸シクラーゼの阻害剤)を作用させると,が一過的に誘導され,時計位相が調節される.すなわち,の上昇フェーズに薬剤を添加すれば位相は前進し,下降フェーズに添加すれば位相を後退させることが可能である.

体内時計は,日周変動する地球環境に合わせて,活動すべき時間帯と休息(待機)すべき時間帯を予測して効率化するためのシステムである.したがって,植物のように光合成によってエネルギーを獲得する生物の場合は,光を基準とする体内時計をもっている.一方,動物の場合はエネルギー源が他の生物(餌)であることから,餌や天敵の活動リズムにも依存した時計が必要である.そこで,絶対的な時刻情報である光に同期する中枢時計と,相対的な時刻情報である食事時刻(あるいは活動時刻)に同期する末梢時計をもつように進化した.中枢時計は視神経からの入力を受ける視交叉上核に存在し,活動/睡眠リズムを支配している.光に依存した時刻情報であることから,夜行性動物でも昼行性動物でも同じ時計位相をもっている.一方で,末梢組織の時計は食事タイミング(あるいは活動タイミング)に依存するため,夜行性動物と昼行性動物とで反対の時刻情報(位相)となる.このように階層的な時計システムをもつことにより,エネルギーが獲得できる活動期と,そうでない休息期の到来を事前に予測し,エネルギー配分をスケジュールできる仕掛けとなっている.

本研究では、目的物質であるメラトニンのバイオセンサを構築し、メラトニン生合成代謝経路を導入すること

ここで言う体内時計とは,概日リズム(circadian rhythm;サーカディアンリズム)のことである.ラン藻,カビ,植物,動物などに備えられた約24時間周期の内因性リズムで,動物の場合,時計遺伝子と呼ばれる10~20種類程度の遺伝子群によって,細胞レベルのリズムが形成される.時計遺伝子の(, , )やは転写レベルで24時間の周期変動をしている().時計遺伝子によっては,タンパク質や修飾(リン酸化やアセチル化)のレベルで24時間変動しているものもある.これらの時計遺伝子の下流に位置する分子は,必然的に24時間の活性制御を受ける.たとえば,とは転写調節因子であり,プロモーター中のE-boxと呼ばれる配列に結合して転写を促進する.この転写制御を受ける遺伝子は,活動期の開始時刻付近に発現がピークを向かえる概日発現リズムを示す().同様に,別の時計遺伝子であるαやは,RRE配列の転写を制御しており,この配列をプロモーターに含む遺伝子は,活動期の終盤に発現ピークが来るような概日リズムをもつ.エネルギー代謝は,活動期と休息期でダイナミックに機能を変化させる典型であり,これは,糖新生や脂質代謝にかかわる遺伝子(特に代謝経路の律速段階に位置する遺伝子)が,E-boxやRRE配列による制御を受けているからである.

立教大学スポーツウエルネス学部(埼玉県新座市、学部長:沼澤秀雄)の服部淳彦特任教授(東京医科歯科大学名誉教授)は、同学部の丸山雄介助教、加藤晴康教授、公立小松大学の渡辺数基日本学術振興会特別研究員(PD)、平山順教授、関西医科大学の岩下洸助教と共同研究を行い、老齢になると記憶力が低下する原因の一つがメラトニンの脳内代謝産物であり、短期記憶から長期記憶への記憶の固定に関与するAMKという物質の海馬における激減にあることを初めて突きとめました。


メラトニンなどの内分泌ホルモン系、免疫、代謝系などにも約1日を周期とする生体 ..

快適な睡眠をとることができたり、決まった時間に起きられるようになったりと規則正しい生活が送れるのは、メラトニンがしっかり分泌されているおかげといえます。

実験用マウスはメラトニンを合成できないので合成できるようにした

小児がメラトニンを摂取した場合には、生殖腺の発達に影響が出る可能性もあります。

至るまでその生理機構について多くの研究がなされている。しかし、メラトニンは明確な概日リ

メラトニンの分泌を促し生体リズムを整えるには、生活習慣を整えることが重要です。

細胞質でのエネルギー代謝経路は、主にブドウ糖を分解して体内で使い ..

メラトニンには催眠作用があることから、欧米では睡眠薬としてドラッグストアで購入でき、日本でも並行輸入で購入することができます。

メラトニンとは、脳の奥深くにある「松果体」という器官から分泌されるホルモンの一種。 ..

以上、本論文は、魚類におけるメラトニンの日周リズム、合成・代謝機構、受容体による情報伝達機構ならびに投与方法などについて総合的に明らかにしたもので、学術上、応用上寄与するところが大きい。よって審査委員一同は、本論文が博士(農学)の学位論文として価値あるものと認めた。

[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]

メラトニンの生理作用の解明にはメラトニンの投与が必須である。これまで魚類に対してメラトニン投与は数多く行われてきたが、投与後のメラトニンの動態については全く知見がない。そこで腹腔内注射と経口投与(いずれも 1mg/体重1kg)によりメラトニンをキンギョに投与し、血中メラトニン濃度の経時変化を調べところ、いずれの方法でも血中メラトニン濃度の日周リズムを再現できることが判明した。

メラトニンの代謝と生理的リズム (生体の科学 27巻6号) | 医書.jp

メラトニンの代謝器官であると予測されるキンギョの肝膵臓を用いて外因性メラトニンの代謝をin vitroで調べたところ、メラトニンは酵素的に6-hydroxymelatoninに代謝されることが判明した。

メラトニン (JAN); Melatonin (JAN) ; 組成式

キンギョ脳内メラトニン受容体の結合部位数は明期に多く暗期に少ない日周リズムを示した。松果体除去あるいは恒明条件下での飼育によって血中メラトニン濃度の日周リズムを消失させると、受容体数の日周リズムも消失したことから、受容体数の日周リズムは血中メラトニン濃度の日周リズムによって駆動されていると結論された。

携帯電話の電波による脳内でのメラトニン(睡眠を促すホルモン)の合成への影響は認められないことを確認 ; 松果体でのメラトニン合成

各種ヌクレオチド類はキンギョ脳内メラトニン受容体の特異的結合を用量依存的に減少させた。その効果はGTPS>GTP>GDP>GMP=ATP>cGMPの順であった。また各種無機塩類の影響について調べたところ、MgCl2(5mM)は特異的結合を増加させたが、高濃度の各種無機塩類は特異的結合を減少させた。その効果はCaCl2>LiCl>MgCl2>NaCl>Choline chloride=KClの順であった。これらの結果から、キンギョの脳内メラトニン受容体はG蛋白質と共役していることが示された。

[PDF] メラトニン 2.6.4 薬物動態試験の概要文 -1

メラトニン受容体の分布と性状を2-[125I]iodomelatoninをリガンドとしたラジオレセプターアッセイにより調べたところ、特異的結合は脳と網膜で高く、その結合は迅速、安定、可逆的、飽和可能であることが判明した。脳内分布を調べたところ、密度は視蓋-視床>視床下部>終脳>小脳>延髄の順に高かった。この結果、メラトニン受容体は脳内の様々な神経核や網膜に存在すること、受容体の脳内分布は哺乳類とは大きく異なることが示唆された。特に視蓋に高濃度に受容体が分布することから、視覚情報の統合にメラトニンが重要な役割を果たしていることが推察された。

合成経路の解明と老齢になると長期記憶形成に関与するどの遺伝子群が低下するのかを網羅的に解析しました。 【研究成果の概要】

また,概日時計自体を標的とした化合物のみならず,時計のネットワークを標的として作用する化合物もある.視交叉上核の中枢時計は,数万個の細胞によって構成されているが,頑強なネットワークを築いていることが知られている.すなわち,個々の細胞のリズムが他の細胞のリズムと相互作用することで,協調した大きなリズム体を形成している.一般的には光の刺激が視交叉上核の時計をリセットするが,明暗サイクルの変化に対して,元のリズム位相を守る力が働き,すぐには新しいリズムにリセットされないことが時差ボケの一因であると考えられている.そこで,このネットワークの同調シグナルとして働いているアルギニンバソプレッシン(AVP)の受容体の阻害剤を投与することにより,マウスの時差ボケがほとんど起こらないことが明らかになっている(

男性ホルモンや女性ホルモンは、コレステロールから次のような経路で合成されます。 ..

セロトニンを生成するには材料となるトリプトファンのほか、炭水化物や「ビタミンB6」も欠かせません

質の良い睡眠をとるためには、メラトニンの分泌を高めることが大切です。

キンギョを恒暗条件下におくと血中メラトニン濃度および眼球内メラトニン含量は概日周期を示した。また培養松果体も、恒暗条件下で概日周期を示した。これらの結果から、キンギョのメラトニンリズムは環境要因のみならず内因性の生物時計による制御も受けていることが明らかになった。

起こらない. マサバとトラフグでも卵黄形成期の卵濾胞組織では,P5.

セロトニンの材料となる栄養素を摂取することもメラトニンの生合成を促すことにつながります。

Melatonin and glucose metabolism

キンギョの血中メラトニン濃度は6月、9月に高く、12月、3月に低い明瞭な季節変化を示した。このため環境条件を変えて調べたところ、血中濃度は水温の高低にかかわらず暗期に高い日周リズムを示したものの、低水温下では暗期の濃度は大きく低下することが判明した。この結果、血中メラトニン濃度は日長と水温の双方に影響を受けるものと結論された。