デキサメタゾンは種類や用途によって、表れる副作用が異なります。
レムデシビル(ベクルリー点滴静注用100mgR)は、入院が必要な新型コロナウイルス感染症の患者に対する抗ウイルス薬です。抗体医薬品がオミクロン株以降耐性を持たれてしまったため、ほぼ使えなくなっています。一方、本薬はウイルスRNA鎖の伸長を停止させる機序により、ウイルス増殖を防ぐため、BA2やXBBなどの亜型にも有効性を保持していると考えられています。そのため、入院患者の抗ウイルス注射剤として唯一の選択肢になっている薬剤です(内服薬は別にありますが)。
症例)50代 男性
COVID-19にて入院。レムデシビル投与2日前から、ベタメタゾン6mg/日を開始している。
投与1日前から、ワーファリン錠2.5mgを再開した(肺炎、酸素投与などの記載はなし)。
投与2日前のASTは57、ALTは28で、若干高値であるが、投与に問題のあるほどではなかった。
レムデシビル投与開始。初日200mg、2日目は100mg(標準用量)。
開始して2日後にAST270、ALT310に上昇。レムデシビル投与による肝障害を疑い、3日目以降の投与を中止した。ベクルリー投与中止後、INRが高値であったため、ワーファリンを中止し、ケイツーを使用していた。
投与中止5日後、AST61、ALT197に改善していた。
その後、ワーファリンも再開し、その他定期服用薬剤も再開したが、肝機能障害は現れなかった。そのため、レムデシビルを被疑薬とした。
トランプが投与された「デキサメタゾン」、専門家は人格変化や思考困難などの副作用も指摘
コロナ治療薬としては、重症患者の治療薬として2020年7月、早い段階で承認されています。酸素吸入や人工呼吸器をつけるような重症感染症の方であれば、有害な炎症反応の抑制・予防効果が期待できます。
6月、英国オックスフォード大学が主導した、一般的なステロイド剤である「デキサメタゾン」を新型コロナウイルス患者2000名に投与した臨床試験の結果(最も重症な患者の死亡率低減に効果があった、という発表)は世界から注目を集め、大きく報道されました。
誤解をしないでほしいのですが、デキサメタゾンを普段から飲んでいれば新型コロナウイルスに感染しないとか、感染しても重症にならないということではありません。
必要がないのにステロイドを服用すると副作用の可能性すらあります。
リウマチ患者ではステロイド服用で重症化リスクが上昇しましたが、喘息では吸入ステロイドのためか感染リスクは上昇していませんでした。
ステロイド治療に関しては、医師の診断に基づいた、慎重な対応が求められます。
デキサメタゾンの副作用が発現しやすくなるおそれがある。 ゾコーバの ..
先日、テレビのコメンテーターとして在宅に力を入れている先生が出演されていました。コロナと診断したら皆にイベルメクチンを飲んでもらう、私の周りでコロナで死亡した人は誰もいない、とお話しされていたのがとても印象的でした。個人レベルの話なのですべてが正しいとは思いませんが、イベルメクチン投与は供給が十分あれば私も同感です。現在品薄になっています。
デルタ株感染が主体となり感染者数が急増しています。ただし重症化率は30歳以下0.1%以下、40代で0.3%、50代でも0.8%で以前の株と著変なく特別重症化しやすい株ではなさそうです。(細かい数字は誤っているかもしれません)一部は重症化しますので感染者の総数が増えれば当然病床は逼迫し、本来の救急疾患の受け入れが制限されることになります。これは何としてでも避けなければなりません。
抗原検査でコロナと診断したらイベルメクチン投与はありだと思います。その場で飲めて、重篤な副作用は極めてまれです。承認薬ではない、は問題ありません。医師個人の責任で行うわけですから。目の前の患者さんによくなってもらうことが一番ですから。
デキサメタゾンは抗炎症作用や免疫抑制作用を持つ副腎皮質ステロイド薬で、さまざまな疾患に使用されています。
副作用モニター情報〈601〉 抗コロナウイルス剤(内服薬)による副作用.
今回は、当モニターに寄せられた抗コロナウイルス剤のラゲブリオ(一般名:モルヌピラビル)、パキロビッドパック(一般名:ニルマトレルビル・リトナビル配合剤)の副作用について、紹介します。2022年9月までに、ラゲブリオについては8例(発疹が4例、下痢・吐き気が2例、不眠などの精神症状が2例)、パキロビッドパックについては1例で、いずれも重篤なものではありませんでした。
症例1)60代女性
抗ヒスタミン剤オロパタジン服用中。
新型コロナウイルス感染症と診断され、ラゲブリオ服薬開始。
4日目:腕全体に湿疹発現、足にも2カ所の発疹あり。医師に問い合わせ、内服中止。
中止6日後:足にはまだ残っているが、だいぶ改善。
症例2)40代女性
喫煙者。
新型コロナウイルス感染症のハイリスクとされたため、ラゲブリオ服用開始。帰宅後、2回目の服用で強い吐き気を感じ、医師に問い合わせた結果、内服中止。吐き気は1日で治まり、新型コロナウイルス感染症も軽症で完治した。
症例3)60代女性
新型コロナウイルス感染症と診断され、基礎疾患に気管支ぜんそくがあること、ワクチン未接種のためパキロビッドパックが処方された。
内服1日目:下痢・嘔吐(おうと)が発現。計2回内服し、自己判断で中止。下痢は水様便。
中止2日後:下痢がぶり返したが8日後には改善、嘔気(おうき)は改善したが時期は不明。
さて新しく開発された治療薬は高額です。今回7月に承認された抗体カクテル療法はコロナと診断された患者さんに使用することで入院や死亡のリスクを70%減らす、という点滴の薬剤です。700人程度の比較対照試験の結果です。
ということは入院前、軽症のうちから使用しなければなりません。
イベルメクチンも重症化や死亡を7割程度減らす、との報告が多いので効果は同程度?でしょうか?
でも価格を聞いてびっくり、一般的に〇〇マブとつく抗体医薬品は高額なのです。一方イベルメクチンは2000円程度ですが。
肝臓や腎臓の機能が悪化するという副作用が出ることがあるので、使用中は定期的に血液検査を受けていただく必要があります。 デキサメタゾン
これらの症状は顔面では頬部、体では前胸部、肘部、指先などで生じやすく、長期に使う場合にはこれらの部位に着目して副作用がでていないかチェックすると良いでしょう。
今まで解説した副作用は、ため、新型コロナウイルスの治療でデキサメタゾンを使用した場合、全く異なる副作用が表れる可能性もあります。
コロナ治療薬「デキサメタゾン」とは? | ぽちたま薬局スタッフブログ
以下は、新型コロナウイルス感染症治療薬による副作用をまとめました。
[PDF] デキサメタゾン COVID-19 小児患者に対する治療薬としての位置付け
COVID-19に対するステロイド療法は、2020年7月にオンライン上で公表されたRECOVERY試験の結果に基づいて推奨されているのが現状です(N Engl J Med. 2021 Feb 25;384(8):693-704.)。この試験では、デキサメサゾン6mg/dayを7-10日間投与する群と投与しない群にランダムに割り付けて28日以内の死亡を比較しています。この試験結果が発表されて以降、多くのCOVID-19に対するステロイドの効果を検証する前向き介入試験が相次いで中止になり、同年9月2日にはThe WHO Rapid Evidence Appraisal for COVID-19 Therapies (REACT) Working Groupによって、複数のランダム化比較試験(RCT)を用いたメタ・アナリシスの結果が発表され(JAMA. 2020;324(13):1330-1341.)、同時にWHOからCorticosteroids for COVID-19 Living guidanceが公開されました。その内容は、人工呼吸器使用例や酸素投与のみ使用例には、デキサメサゾン6mg/dayの7-10日間投与を推奨し、酸素投与を必要としない例には投与しないことを推奨しています。
以下、各項目に分けてお答えします。
9)COVID-19 のマネジメントにおいて、デキサメタゾンにおける治療への効果とともにリス
生ワクチンには、自然免疫のメカニズムを発動させて、幅広い感染防御のバリアを作る作用があることが分かってきた。
とりわけ、ポリオ生ワクチン(OPV)によって自然免疫を刺激することによって、新型コロナ感染を一時的に防ぐことができる可能性がある。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1
大阪大学大学院医学系研究科の坂庭嶺人助教(社会医学講座公衆衛生学)らのグループは、大容量一括ステロイド静脈投与(ステロイド・パルス療法)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化患者の院内死亡リスク改善に有効であることを明らかにしました。2020年以降、COVID-19に対する様々な有用な治療法の探索が世界的に進められてきました。イギリスの国家を挙げての臨床研究では、小容量のステロイド投与治療の有効性が確認されましたが、一方でステロイドは副作用も非常に強力な薬剤であるため過剰な投与では逆効果で死亡率を上げてしまう可能性も懸念されていました。適切な投与量・投与方法について専門家の間でも意見が割れており、科学的なエビデンスの構築が求められていました。今回、研究グループは、日本全国のCOVID-19入院患者、約67,000人の入院中の治療内容(どのタイミングでどのような治療をどの程度の容量で実施したのか?)、その後の退院・院内死亡状況などを、最新の分析技術を用いて詳細な解析を実施しました。結果、重症化患者ではステロイド・パルス療法は、小容量ステロイド投与やステロイド療法を実施しない場合よりも、有意に致死率を改善することを明らかにしました。COVID-19重症化患者数はいまだ増え続けています。比較的医療費も安価で小規模な病院などでも実施可能なステロイド・パルス療法の有効性が認められた本研究は、今後のCOVID-19の院内死亡者数の改善などに大きな貢献が期待されます。
新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第 8.0 版
諸外国ではイベルメクチン投与で効果あり、の治験が相次いでいます。死亡率、症状改善、回復までの期間、PCR陰性化までの期間、重篤な副作用など、解析したすべての項目で、イベルメクチン群が優れていた、との報告があります。当然イベルメクチンに否定的な報告もあります。アメリカはどちらかというと使用に消極的です。一方アジアでは注目が集まり需要が急増しています。日本では大村博士のお膝元の北里大学で治験が進行しているところです。
ただし先日発表されたコクランレビューでは、現段階のエビデンスからはイベルメクチンの有効性、安全性は不確実、とされています。あくまでも医師個人の責任で使用してくださいな、ということです。
[PDF] COVID-19に対する薬物治療の考え方 第14版
あくまでもステロイドの長期使用ですので、デキサメタゾンに限った副作用ではありません。
新型コロナ重症例、デキサメタゾンで28日死亡率が低下/NEJM
強力なステロイド薬です。服用することで炎症やアレルギーを抑えることができます。2020年7月、有効成分デキサメタゾンが厚労省により新型コロナウイルスの治療薬に承認されたため、注目を集めています。
副作用としては、急性腎障害、肝機能障害があります。 レムデシビルで ..
副作用の発現率は「飲み方」でも変わる事もあるので、デキサメタゾンの服用を検討している方は、正しい飲み方をしっかり把握しておきましょう。
飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。 本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある方・下記の薬を使用中の方はご注意ください。
しかし、デキサメタゾンもステロイドに分類されるため、上記のような副作用が出る可能性はあると考えておきましょう。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 5 1
(serum albumin)は血漿の中で最も豊富に見られるタンパク質だが、デキサメタゾンも他の薬やホルモンと同様にこの血清アルブミンによって身体全体に運ばれる。ところがこのタンパク質に関する因子のため、COVID-19に関連する炎症を治療するときに安全で効果的となるようデキサメタゾンを投与するのは難しい。例えば、糖尿病の患者では、タンパク質中の重要なアミノ酸に対して糖化(glycation)の過程を経て糖分子が結合していることがよくある。こうなると薬のタンパク質への結合が妨げられことがある。イブプロフェン(ibuprofen)のような一般的鎮痛剤なども血清アルブミン上にある同じ結合部位を使い競合するので、同時に服用するとデキサメタゾンの輸送が妨げられる。さらに、肝臓病、栄養失調、高齢などのCOVID-19の危険因子に加え、ウイルス自身も患者の血清アルブミン濃度を下げることがある。この複雑な事情により、内科医が血中におけるデキサメタゾンの遊離:結合の相対比を見積もり、薬の毒性増加、副作用、薬効の低下を招く可能性について判断するのは難しくなっている。
中等症 II(High-Flow Nasal Cannula または Noninvasive Ventilation)の場合(表 8)
デキサメタゾンを服用する方の中には、副作用が出やすかったり症状が悪化したりする方も存在します。
入院COVID-19の生存日数は?デキサメタゾン6mg vs.12mg/JAMA
新型コロナウイルス感染症に効果のある薬剤を世界中の研究者が探し、開発しています。以前から使用できる薬剤として抗インフルエンザ薬、HIV治療薬、マラリアのクロロキン、そしてイベルメクチン、エボラ出血熱のレムデシビルなど。様々な治験が行われ徐々に有効な薬剤が徐々にわかってきました。
現在国内で承認の治療薬としては、エボラ出血熱のレムデシビル、ステロイドのデキサメタゾン、JAK阻害薬のバリシチニブ、そして今回承認された抗体カクテル療法のカシリビマブ・イムデビマブです。実は厚労省は昨年5月にイベルメクチンのCOVID-19治療への適応外使用を認めています。だから使用できるのです。その後も世界でイベルメクチンの効果を認める臨床試験結果が次々に出てきています。