[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1


2019年末に中国で確認後、急速に全世界に拡散した新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)は、今日に到るまで1億7000万人が感染し350万人が死に到る歴史に残るパンデミックとなっている。このSARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の治療法開発には多くの研究者と企業が総力をあげてこの一年取り組んできた。抗ウイルス活性が示唆される既存薬のrepositioningの試行に加え、重症例での病態への関与が示唆される過剰免疫の抑制についても各種抗炎症薬の効果を検証する臨床試験が実施されている。しかし、2021年4月時点、本邦でCOVID-19治療薬として承認されているものは、抗ウイルス薬のレムデシビルと、抗炎症薬であるデキサメタゾン、バリシチニブの3剤のみである。


デカドロン(デキサメタゾン)(製造販売業者:日医工株式会社)ほか

1年前との大きな違いは治療や治療薬があること


——どのような薬が、コロナの治療で使用されていますか。

軽症から中等症Ⅰの人で、重症化リスクのある人は、7月に特例承認された中和抗体薬ロナプリーブの適応となります。この薬剤は1回の点滴投与を行う薬剤で、発症早期に使用することが望ましいとされています。中等症Ⅰであれば、昨年5月に特例承認された抗ウイルス薬レムデシビルも適応となります。レムデシビルは点滴で1日1回で5日から10日間投与します。
中等症Ⅱや重症になると、中和抗体薬は適応からはずれます。レムデシビルは適応であり、さらに免疫を抑える薬であるデキサメタゾンといったステロイド薬や、関節リウマチで使用されているオルミエントも適応になります。デキサメタゾンは飲み薬も点滴もありますし、オルミエントは飲み薬になります。
中等症Ⅱや重症では、酸素投与が必要な状態ですので、酸素投与や重症度によってはネーザルハイフローといった高流量酸素投与や人工呼吸器による管理を行うとともに、レムデシビルや免疫を抑制するステロイドやバリシチニブを併用することもあります。


——コロナが流行しているなかで、治療薬も徐々に増えてきていますが、安全性や有効性はいかがでしょうか。

現在使用されているいずれの薬剤も、コロナが発生した当時は存在しなかった、または有効性がわからなかったもの。1年数カ月が経過するなかで、世界的に十分に治験が行われ、有効性が示されたものが出てきているというのは、非常に重要なことです。ワクチンもあり、治療という面での対応ができるようになってきているのは、1年前との大きな違いだと思います。
最初は、既存のほかの病気のためにつくられた薬がコロナにも有効ではないかという視点で開発が進められていきました。同時に、コロナのための治療薬の開発も進められてきました。さらに、治験で統計的に優劣をつけたうえで薬事承認されています。
これだけの治療薬が短い期間で有効性を示し承認されているのは、製薬会社や協力してくれている医療機関の方々、参加された患者さんの支援があったからこそです。
現在、ほかにも治療薬の開発が進められています。有効性が治験で示され、いずれ承認されて使用できるようになれば、治療の選択肢もさらに増えていくことが期待されます。

新型コロナウイルス感染症オミクロン株流行以降はクループ症候群を合併する子どもが増加し、一部では気管内挿管・人口呼吸を必要とする重症例も報告されています。夜中突然にわが子がノドの痛そうな激しい咳が出だして止まらなくなり、あわてて夜間救急診療所を受診することの多いクループ症候群。わけがわからず言われるがままに吸入を受け、出されたお薬を飲ませている親御さんが多いのではないでしょうか。どのような治療法があり、どのような効果があるのか、皆さんはご存じですか?

染症に対する適切な投与量は不明だが、Guaraldiらの報告では8mg/kg(最大800mgまで)


・2020年1月に新型コロナウイルスが日本に上陸した。
・当初は敵の正体も不明,エビデンスのある薬もない状況だった。
・この2年間で世界中から多くのエビデンスが集まり,医療者サイドも効果の高いワクチンを接種して対応しているという現状である。
・もちろん今後も,「デルタ株」「オミクロン株」のように,変異を繰り返す強敵に対して油断はできない。
・COVID-19治療薬のひとつであるステロイドについて,エビデンスと実臨床の経験をふまえて解説する。

で合意を得ていると報道されています。1人に2回接種することから、上記3社から1億4000万人分(日本の人口分をほぼカバー)を確保する予定です。合意が確実に履行されれば、来年の夏頃までには接種が開始される予定ですが、もっとも問題となるのは、ワクチン接種に伴う副作用の補償です。海外製薬会社との交渉で健康被害が出た際の責任を誰がとるのか、誰が補償を行うか、という点がもっとも大きな問題となりました。最終的に副作用の損失は日本政府が補償することとし、ワクチン供給を受けるまでに法整備を行うこととなったようです。
国内のワクチン開発は海外に比較するとまだ遅れていますが、政府から国内6社(武田、塩野義、アストラゼネカ、アンジェス、KMバイオロジクス、第一三共)に約900億円の補助が出ており、研究開発と生産設備の整備を後押ししています。新型コロナウイルス感染は今後毎年発生する可能性もあり、海外からの1回の購入だけで済むとは思われません。そのためにも国内コロナワクチンメーカーを育てることが日本の浮沈にかかわる重大事項だと思います。

コロナ治療薬軽症者向け続々 「第6波」に備え、飲むタイプに期待

Q7
自宅療養時にMy HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)で健康観察を行うように言われたのですが、どうしたらよいですか。

A7
自治体によって健康管理のツールが異なります。厚生労働省が提供する感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS※)内の健康観察機能(My HER-SYS)を利用する場合は、保健所等からショートメッセージで送られてくるURLにアクセスして、新規登録を完了させた後、自身のスマートフォンやパソコンから健康状況を入力してください。
※Health Center Real-time Information-sharing System on COVID-19


軽症から中等症、重症まで治療は各段階で異なる


——新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の検査で陽性の場合、重症度によって、どのような薬が有効なのでしょうか。

基本的にはコロナの陽性者であっても、症状が軽い人に関しては薬を飲まなくても治る人がほとんどです。症状によっては、咳止めや解熱剤などの対症療法の市販薬を使っていただくことも一つです。注意点としては、もともと治療している病気がある人は飲み合わせの問題があるので、市販薬であっても医師や薬剤師に相談をしてください。
ただし、軽症者のなかにも次のような重症化リスクのある人たちもいます。
高齢者╱持病がある(糖尿病など)╱免疫不全を引き起こす薬を服用している╱肥満╱妊婦——などです。こうしたリスクのある人たちには中和抗体薬が適用されます。中和抗体薬は、発症から時間が経っていない軽症例であればウイルスの減少や重症化を防ぐ効果が期待されています。


——中等症から重症と言われるのは、どの程度の症状がある人たちを指すのでしょうか。

中等症以上のコロナの重症度は、中等症Ⅰ、中等症Ⅱ、重症に分類されます。
中等症Ⅰは、呼吸困難、肺炎がある人で、酸素投与を行う程度までには至らない人などを指します。
中等症Ⅱは、いわゆる肺炎でも酸素投与が必要な人です。もともと病気で酸素を吸っている人は、症状が出たり陽性になったらすぐに中等症Ⅱになるのではなく、通常使っている酸素の量よりもさらに必要になると中等症Ⅱになります。
重症は、いわゆる人工呼吸器や集中治療室に入るような人を指します。

コロナ治療のステロイド、投与早すぎると症状悪化の恐れ 報告相次ぐ

当初は敵の特徴がわからなかったため,真っ白な肺炎像を見て広域抗菌薬やステロイドを大量に投与して,後はお祈りするのみであった。しかし,今は,COVID-19の特徴はもとよりエビデンスのある治療薬がそろってきたため,2年前と比べたら戦い方も格段に慣れてきた印象がある。新型コロナウイルスと出会った当初は,頭のてっぺんから足の先までfull PPEと呼ばれる感染防護具を身に纏っても防護具のスキマを気にしながら診療にあたっていたことや,素性のわからない見えない敵に対して何度となく手洗いやアルコール消毒を行っていたことなどが思い出される。しかしながら,2021年初めには感染予防効果や重症化抑制効果の高い新型コロナワクチンであるmRNAワクチンが日本でも普及し,現在は鉄の鎧を身に纏ったような安心感を持って診療に当たることができている。

「状況を一変させる存在になる」。トランプ米大統領は記者会見などで、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」が新型コロナウイルス感染症に効くと公言。予防のために自身で服用するほどだったが、死亡率の低下や早期回復の効果はまだ確認されていない。


デキサメタゾン(1 回 6mg 1 日 1 回 10 日間)を投与する。ベクルリー®(初日 200mg、その後 100mg/

新型コロナウイルスに特異的に結合して増殖を抑える中和抗体の開発が活発に進んでおり、高い有効性が期待されています。しかし抗体薬は製造コストが非常に高いため、いかに安価に大量生産するかがポイントとなっています。
現在、イーライリリー(米)、リジェネロン(米)、アストラゼネカ(英)、グラクソ・スミスクライン(英)などが臨床試験を進めています。イーライリリーの抗体薬の第二相試験では軽症〜中等症患者の入院率を低下させたと中間解析結果を報告しており、早期の導入が期待されます。

現在、日本でCOVID-19に対しては既存のステロイドのデキサメタゾン(デカドロン ..

'delete' : 'add'" data-pid="1598"> 過去30日間で購入されています 強力なステロイド薬です。服用することで炎症やアレルギーを抑えることができます。2020年7月、有効成分デキサメタゾンが厚労省により新型コロナウイルスの治療薬に承認されたため、注目を集めています。

デキサメタゾンを新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として記載しました。 ..

しかし、質問後半のCOVID-19罹患後数ヶ月経過しても肺の器質化、線維化が強い患者に対して、新たにステロイドを開始する意義はあるでしょうか、ということに対しては、そのタイミングでもステロイド治療によく反応して在宅酸素を中止できた症例も経験されており、その時期でのステロイド導入を完全に否定するものではありません。このような晩期器質化にステロイドが奏功する症例はフェリチンが高い傾向がありそうだ、との意見がありましたのでご参照いただければ幸いです。

[PDF] NCGM COVID-19 治療フローチャート(成人)

COVID-19に対する抗ウイルス薬の候補として、レムデシビル(ベクルリー®)、デキサメタゾン(デカドロン®)、ファビピラビル(アビガン®)、シクレソニド(オルベスコ®)、ナファモスタット(フサン®)、カモスタット(フオイパン®)、イベルメクチン(ストロメクトール®)などがあります。
このうち、レムデシベルは今年5月に日本でも承認され、デキサメタゾンは治療薬として承認はされていませんが、厚労省のCOVID-19「診療の手引き」に標準的な治療法として掲載されています。ファビピラビル(アビガン®)は早期の承認が期待されていた薬剤でしたが、ようやく申請までこぎつけ承認にあと一歩というところです。他の薬剤も現在臨床試験が進められています。イベルメクチンは大村智博士(ノーベル医学生理学賞2015年)が開発した抗寄生虫薬で、オーストラリアのグループが新型コロナウイルスの増殖を強く抑制したことを報告し、9月からCOVID-19への適応追加を目指して北里大学で治験が開始されました。

副腎皮質ステロイド 【デカドロン®】デキサメタゾン、【メドロール®】メチルプレドニゾロン、【プレドニン®】プレドニゾロン


・2020年1月に新型コロナウイルスが日本に上陸した。
・当初は敵の正体も不明,エビデンスのある薬もない状況だった。
・この2年間で世界中から多くのエビデンスが集まり,医療者サイドも効果の高いワクチンを接種して対応しているという現状である。
・もちろん今後も,「デルタ株」「オミクロン株」のように,変異を繰り返す強敵に対して油断はできない。
・COVID-19治療薬のひとつであるステロイドについて,エビデンスと実臨床の経験をふまえて解説する。

[PDF] デキサメタゾン COVID-19 小児患者に対する治療薬としての位置付け

デキサメタゾンの内服の方法には様々なやり方がありますが、慶應義塾大学病院では一晩法を採用しています。一晩法では、深夜23時に低用量の場合はデカドロン®1mg(2錠)、高用量の場合は8mg(16錠)を内服していただきます。そして、翌朝の8時~9時頃に血液検査を行い、コルチゾール濃度が低下するかどうかを検査します。入院中にこの検査を行う場合は、同時に蓄尿(ちくにょう)検査(24時間に排尿した尿をすべてバッグに貯める検査)を行って、尿中のコルチゾール濃度を参考にすることもあります。

過去における新興コロナウイルス感染症(SARS-CoV, MERS-CoV)に対するコルチコステロイ

日本静脈学会・肺塞栓症研究会・日本血管外科学会・日本脈管学会が発表している『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における静脈血栓塞栓症予防の診療指針 2021年4月5日版(Version 2.0)』では,酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」の症例で“ヘパリンの予防投与を考慮”し,ICU管理や人工呼吸管理の「重症」の症例では“ヘパリン投与を行う”としている。逆に酸素投与が不要な「軽症」「中等症Ⅰ」においては“(基本的には)抗凝固療法は不要”とし,離床・下肢運動・弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法などを中心とした理学療法が勧められている。

適正使用では、デキサメタゾン経口薬(製品名:デカドロン錠0.5mg ..

理由はレムデシベルの有効性をみるために、世界各地の入院患者に対して行なったいくつかの臨床試験で、死亡率の改善が証明できないという結果が出たため。レムデシベルは、新型コロナが最も体内で増殖する時期(発症から1週間程度)に有効な抗ウイルス薬であることから、重症度、人種、発症から投与された日までの時間、プラセボ薬の有無など、臨床試験の状況の差異が影響したのではないかと推測されます。
しかし、まだ確かなエビデンスがあるわけではなく、厚生労働省は「承認の根拠となった治験データが否定されたわけでも、有効性がないという結果でもないため、治療薬として見直す予定はない」と発表しています。

デキサメタゾン(デカドロンなど) 投与しないことを強く推奨/強く推奨

デキサメタゾン抑制試験は、クッシング症候群(「」の項参照)が疑われた場合に行う検査で、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)は副腎(腎臓の上にある小さな内分泌臓器)で作られるコルチゾールの作用を強力にした内服薬です。

デキサメタゾンをコロナ治療薬として使う前に知っておきたいこと ..


次にステロイドの投与期間や投与開始日について考えてみよう。『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.0版』では,「デキサメタゾンとして6mg 1日1回10日間まで」と記載されているのみで,最適な投与期間や投与開始日については詳しく言及されていない。

しかし、コロナウイルスに対する抗ウイルス薬は、新型コロナウイルス感染症が流行する ..

会見した東京都薬剤師会会長の永田泰造氏は、デカドロンなどのステロイド剤に関して、東京医薬品卸業協会(理事長:長福恭弘氏)と連携して、地域で適切量を確保していく方針を示した。

8月26日に東京都薬剤師会から東京医薬品卸業協会へ、安定確保に関して要請の文書を発出。コロナの自宅療養者が急増する中、中等症Ⅱの治療に用いられるステロイド薬(デキサメタゾン、プレドニゾン)についても出荷調整が行われているとして、「適切な出荷」への「特段の配慮」を依頼していた。具体的には都内に33ある医薬品・情報管理センターのうち、16で分割販売を行っており、こうした基幹施設を中心に卸から出荷してもらい、地域の薬局が必要な時に困らない体制を整備する。

依頼文書の翌日8月27日には、東京医薬品卸業協会から都内の卸会員企業に対し、東京都薬剤師会からの協力要請通知を周知。「当該通知を踏まえ、安定供給の観点から各地区の状況等を配慮しつつ、必要とする患者に医薬品がいきわたるよう、適切な供給体制の維持・確保をお願い申し上げます」と会員各社へ連絡した。

また、9月2日には東京都薬剤師会と日医工との間で情報交換を行い、患者への薬剤供給の観点から、デカドロン錠に関して医薬品・情報管理センターおよび基幹薬局に対して、できる限り優先的に納入してもらえるよう東京都薬剤師会から要請し、日医工側から「可能な限りの対応をする」との回答を得たという。

当然、通常の薬局業務でデカドロンなどのステロイド薬の調剤は各薬局で行っているものであり、今回のスキームはコロナ自宅療養者などへ処方箋が出て対応が必要であるにもかかわらず薬局での入手ができなかった場合に地域で備えておくという、いわばセーフティーネットの対応となる。

一方、会員薬局に関しては、医薬品・情報管理センター等の分割販売業務の周知を行うと同時に、会員薬局が過度な在庫を抱えないよう説明していくとしている。

[PDF] 新型コロナの重症化を抑えるイベルメクチンの有用性

リバウンド症例は発症から12日前後に多く認められ,20日目以降には認められないという特徴があった。さらに,リバウンド症例のステロイド加療は症状発症から5日目と発症早期に開始している症例が多く,治療期間も中央値で5日間とリバウンドしなかった症例に比べて短かったという結果(図7)であった。やはり,ウイルス感染症の発症早期にステロイド加療を行うことは,場合によっては逆効果なことがあり,発症から7日間あたり,そして治療期間としては7日間程度の「コロナステロイド7日ルール」(筆者考案)が重要かと考えることができる。