[PDF] COVID-19肺炎に対する 量デキサメタゾンの治療効果


当院(日本鋼管病院/こうかんクリニック)では,筆者と薬剤部で協力してデキサメタゾン6mgと同力価のステロイド換算表を作成し,院内で周知することとした。デキサメタゾンはCOVID-19治療以外でも,たとえば様々な癌腫の治療としても重要な薬剤であり,本当に必要な症例に適正使用されるよう努めた。実際には,プレドニゾロン内服に変更して,多くの症例は乗り切った印象(下記の処方例)がある。


入院COVID-19の生存日数は?デキサメタゾン6mg vs.12mg/JAMA


COVID-19診療において抗炎症薬のデキサメタゾンが頻用されているが,第5波では多くのCOVID-19症例に対して日本全国で一斉にデキサメタゾンが処方されたため,また,自宅療養中の症例に対しても処方が推進されたために,デキサメタゾンの出荷調整がかかってしまった時期を経験した。病院にデキサメタゾンが残りわずかという状況に出くわし,プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンなど院内に残っているステロイド製剤でなんとか乗り越える必要があった。当時,「病院内でステロイド製剤が底を突くかもしれない状況が実際にありうるとは」と,本当に背筋が凍る思いで日々過ごしていたことが思い出される。

コクランデータベースでCOVID-19に対する全身性ステロイド投与の有効性について検討された報告もある。11のランダム化比較試験,8075例,中等症以上の症例が対象となっており,全身性ステロイドと標準治療が比較検討されている。ここで集積された全身性ステロイド治療症例の約75%がデキサメタゾンで加療されていた。この研究からは,ステロイド投与群と非投与の標準治療群で全死亡率の有意差は証明されなかった(図10)19)。このメタ解析の結果を見ると,総数の全死亡率はリスク比0.89,95%信頼区間(confidence interval:CI)が0.80~1.00であり,統計学的には有意差がないということになるが,このレビューの結論では,全身性ステロイド治療は臨床的には軽度の改善効果を認めるのだろう,と考えられている。

[PDF] COVID-19中等症Ⅱに対するレムデシビル,デキサメタゾン

さらに,人工呼吸管理が必要なCOVID-19症例に対するステロイドの効果を検証した研究で,デキサメタゾンとメチルプレドニゾロンを比較したサブグループ解析ではメチルプレドニゾロン投与群において生存率が42%高かったという結果(図8)が示された。

デキサメタゾン以外のステロイド製剤のCOVID-19に対するエビデンスは乏しいが,メチルプレドニゾロンの報告をいくつか紹介したい。イランから報告されたランダム化比較試験で,日本での「中等症Ⅱ」以上の酸素投与が必要なCOVID-19症例に対して,デキサメタゾン(6mg固定用量)投与群とメチルプレドニゾロン(2mg/kg)投与群が比較検討された。この研究は86例と少数例での検討であるが,メチルプレドニゾロン投与群では投与5日目,10日目の臨床的な状態がデキサメタゾン群に比べて有意に改善した。また,入院中に死亡した症例を除外した検討では,メチルプレドニゾロン群で入院期間の平均値が7.43日とデキサメタゾン群の10.52日と比較して有意に短いという結果であった。

「中等症 COVID-19 患者に対する外来デキサメタゾン治療の検討」


次にステロイドの投与期間や投与開始日について考えてみよう。『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.0版』では,「デキサメタゾンとして6mg 1日1回10日間まで」と記載されているのみで,最適な投与期間や投与開始日については詳しく言及されていない。

以上の結果から,実際の現場では酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」以上のCOVID-19に対してデキサメタゾン6mg(実際の臨床現場にて点滴でステロイドを投与する場合には,静注用のデキサメタゾン製剤が6.6mg規格のため,6.6mg/日投与されていることが多い)または同力価のステロイドで治療している。逆に,わが国の『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.0版』(2021年11月公開)においても,酸素投与を必要としない症例に対してはステロイドを使用すべきではなく,予後をむしろ悪化させる可能性が示唆されている,としている。

COVID-19 で入院した患者を対象とした非盲検対照試験で、患者を、デキサメタゾン(6mg/

COVID-19では経過中に全身性の炎症反応を発現し,広範な肺障害や多臓器不全を引き起こすことが知られている。このような過度の炎症反応を抑える,または予防する目的で,抗炎症薬としてステロイドで加療されることがある。特に酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」「重症」に分類されるCOVID-19に対しては,デキサメタゾンによる治療が推奨されている。なお,デキサメタゾンは重症感染症への適応がある。デキサメタゾンをはじめ,COVID-19に対するステロイドのエビデンスについて振り返ってみたい。

中等症のCOVID-19患者において、レムデシビルをデキサメタゾンに先行して、または同時に投与を開始することは、臨床症状の改善とIgG抗体の陽性化までの期間を有意に短縮し、院内死亡のリスクを低下させ、さらに入院期間を短縮することと関連していた。

Figure 1


Figure 2



COVID-19へのデキサメタゾン、12 mgと6 mgで差なし

WHOは、コルチコステロイド薬である「デキサメタゾン」の投与で、COVID-19の重篤な患者の救命を示唆する英国での臨床試験結果を有望なものと見なしています。
この予備的結果では、人工呼吸器を装着した患者の治療では死亡率が約3分の1に減少、酸素のみを必要とする患者の死亡率は約5分の1に減少しました。この結果は重篤な患者にのみ得られ、軽症者では見られませんでした。
デキサメタゾンは、1977年以来、WHO必須医薬品のモデルリストに記載されており、現在、ほとんどの国で手頃な価格で入手できます。

[PDF] COVID-19治療薬デキサメタゾンの類縁物質分析

デキサメタゾンのCOVID-19市場は急速に成長し、多くの国での使用が広がりました。主な要因には、効果的な治療法への需要増、製造コストの低さ、簡易な投与方法が挙げられます。主要製造業者は、供給能力の拡大と価格競争を強化しています。新興トレンドとしては、医療機関での治療ガイドラインへの組み込み、さらに一般の認知度向上が見られます。以下は市場の主要トレンドです:

結論:Covid-19 で入院した患者に対するデキサメタゾンの使用により,無作為.

2020年1月21日から2021年1月31日の間に入院した香港のCOVID-19患者10,445人の地域全体のコホートにおいて、1544人の患者が入院中にデキサメサゾンを投与されていた。暴露群は、デキサメタゾンの前にレムデシビルを投与開始した患者(n=93)、または2剤を同時に投与開始した患者(n=373)であり、非暴露群は、デキサメタゾンの後にレムデシビルを投与された患者(n=149)、またはレムデシビルを使用していない患者(n=929)であった。傾向スコアに多重帰属と治療の逆確率の重み付けを適用し、Cox回帰モデルを用いてイベントアウトカムのハザード比(HR)を推定した。

• ただし,酸素需要が不要な COVIDー19 患者に対するデキサメタゾンには生存率の悪化.

デキサメタゾンのCOVID-19市場では、複数の主要企業が支配的な役割を果たしています。Pfizer、Novartis、Merck & Co.、Sanofi Pharmaceuticals、Baxter Internationalは、製品の供給能力やブランドの信頼性により市場での地位を強化しています。また、Zydus Cadila、Endo International、Aspen Pharmacare Holdings、Hikma Pharmaceuticalsなどの企業も、特に新興市場でのプレゼンスを高めています。

[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1

デキサメタゾンには97%純度、99%純度、その他のタイプがあり、それぞれ特有の市場特性を有しています。97%純度は一般的に低コストであり、多くの国で広く使用されています。一方、99%純度は医療機関向けに需要が高く、価格も高めです。その他のタイプには、製剤の形状やブランドの多様性が含まれ、特定の市場セグメントに訴求します。市場シェアは各純度で異なり、成長率も市場の変化に応じて変動し、COVID-19治療のニーズに対応しています。

デキサメタゾン(1 回 6mg 1 日 1 回 10 日間)を投与する。レムデシビルは、原則使用しない。迅

デキサメタゾンは、COVID-19の治療において、病院、クリニック、その他の医療機関で広く利用されています。病院では、重症患者の炎症を抑え、人工呼吸器の使用が必要な場合に治療効果があります。クリニックでは、軽度から中等度の症状を持つ患者の管理に使用されることがあります。また、在宅ケアなどの他の医療機関では、軽症患者への早期投与が検討されています。レヴニューの観点からは、病院での使用が最も急成長しているセグメントです。

[PDF] COVID-19に対する薬物治療の考え方 第14版

トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療で、医師団は新たにステロイド薬デキサメタゾンの投与を決めた。この医薬品はより重症の新型コロナ患者に使用されることが多い。

デキサメタゾンとバリシチニブの優位性の検証は現在行われているところである41]が、標準

デキサメタゾンのCOVID-19市場は、地域ごとに成長しており、特に北米が主導しています。アメリカとカナダは合計で約40%の市場シェアを占め、2023年には20億ドルを超える評価が期待されています。ヨーロッパでは、ドイツ、フランス、英国、イタリアが主要なプレーヤーであり、全体で約30%の市場シェアを持つ見込みです。アジア太平洋地域は、中国、日本、インドを中心に約20%のシェアを見込んでおり、急速な需要の増加があります。ラテンアメリカと中東・アフリカはそれぞれ約5〜10%の市場シェアを占めると予想されています。

[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 5 1

<Key Points>◎デキサメタゾンは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡率低下に寄与する薬剤である。◎デキサメタゾンの適応は、酸素投与を必要とする患者である。◎酸素投与を必要としない症例にデキサメタゾンは投与しない。◎デキサメタゾン以外のステロイドも、COVID-19に有効である可能性がある。◎ステロイドパルスの有効性については、まだ十分な検証ができていない。

[PDF] Covid-19 に対する薬物治療の考え方 第15.1版

COVID-19中等症Ⅱに対するレムデシビル,デキサメタゾン,バリシチニブの可能性

デキサメタゾン群の参加者の21.6%、対照群の24.6%が、試験登録後28日以内に死

2019年末に中国で確認後、急速に全世界に拡散した新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)は、今日に到るまで1億7000万人が感染し350万人が死に到る歴史に残るパンデミックとなっている。このSARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の治療法開発には多くの研究者と企業が総力をあげてこの一年取り組んできた。抗ウイルス活性が示唆される既存薬のrepositioningの試行に加え、重症例での病態への関与が示唆される過剰免疫の抑制についても各種抗炎症薬の効果を検証する臨床試験が実施されている。しかし、2021年4月時点、本邦でCOVID-19治療薬として承認されているものは、抗ウイルス薬のレムデシビルと、抗炎症薬であるデキサメタゾン、バリシチニブの3剤のみである。

[PDF] NCGM COVID-19 治療フローチャート(成人)

・3件目の解析では、COVID-19入院患者さんにおいて、酸素投与の必要性の有無に関わらず、デキサメタゾン単独療法との比較により、ベクルリーとデキサメタゾンの併用療法と死亡率の低下との関連が示されました。

デキサメタゾン群で侵襲的人工呼吸器を使用していた患者では,死亡率が通常治療群に比べて低く

COVID-19に対する有効性について、オックスフォード大学主導で英国にて実施中の大規模な非盲検ランダム化アダプティブプラットフォーム試験RECOVERY試験にて、標準治療群(4321例)とデキサメタゾンを一日6 mg(経口又は静脈内投与)、最大10日間投与する群(2104例)とで28日までの死亡率を比較した結果が公表された。全体集団においても、標準治療群25.7%と比較し本剤群22.9%と、本剤投与にて死亡率は有意に低下したが(年齢調整率リスク比 (RR): 0.83[0.75, 0.93]、p