この作用を利用して不眠対策に使用されています。 主な商品例: ドリエル、アレグラナイト ..
国内で実施された臨床試験では、傾眠の副作用は2.38%の方に発現しています。
ただ、眠気のあらわれ方はその日の体調によっても変わってきます。普段、アレグラの服用で眠気があらわれない場合でも、体調の影響で眠気があらわれることもありますので、車の運転などには十分ご注意ください。
【2024年11月】アレグラfx(結膜炎)(セルフメディケーション税制
アレグラは、服用から数十分~数時間以内に効果があらわれるとされています。
季節性アレルギーの場合は、症状がほとんどない時期から服用を始めると、シーズン中も症状が悪化しにくくなります。
ただ、すでに症状があらわれている通年性アレルギー疾患の場合は、十分な効果が得られるまでに2週間ほどかかることもあります。
アレグラは、副作用などがない限り、症状がある期間に毎日飲み続けても大丈夫です。
また、飲み続けることで効果が減弱することはありません。継続服用すると、逆に症状の改善率が高くなるとされています。
ただし、ヒトの体の状態は日々変化するものです。長期間飲み続けている薬で、副作用が発現することもあります。したがって、体調変化がある場合は早めに受診してください。
アレグラ アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・アトピー性皮膚炎 | 製品情報
8月11日(木)から18日(木)まで夏期休診とさせて頂きます。ちょっと長めとなっていますが、ご了承ください。
小児科医として診療していると、「そこまで心配しなくてもいいのに」と思うくらいちょっとしたことで真剣に悩む親御さんもいらっしゃいます。
小児科医として駆け出しの頃も、親御さんの気持ちをくむようにしていたつもりですが、それがあることを契機に大きく変わりました。それまでが言わば中途半端なものだったと気付かされました。あるきっかけとは、自分が親になってからです。こればかりは、自分がそういう立場になってみないと実感できないものだと分かりました。
時々、医療に関して厳しめのことも書いていますが、小児科医は子どもの健康を守るとともに、親御さんを気持ち的に楽にするのも仕事なのだと気付かされました。ガイドラインは上手くできていて、ガイドラインに沿って診断して、治療すると、ほとんどの患者さんが速やかに改善します。
ガイドラインを守らなければ、治りが悪いので、患者さんが何度も通うことになり、医院は経営的に有利になるというおかしなことが起こります。ガイドラインがなぜ普及しないかを考えると、中にはガイドラインを守ると不利だからと思う医師もいてもおかしくないと疑ってしまうくらいです。
当院には、ここで繰り返し書いているにもかかわらず、マイコプラズマと誤診された、ぜんそくの患者さんが、毎日のように当院を訪れています。夏場は汗ももできやすいのも確かですが、明らかに汗もでなく、ウィルス性発疹症と診断すべきところに、スピラゾンローションなどというステロイド外用薬が処方されています。診断が違うので当然、良くはなりません。こんなことをしていては、患者さんからいずれ見向きもされなくなってしまうと思います。
小児科医は、特に自分が親になっていれば、子どもが健康を害した時の不安な気持ちを理解できるでしょうから、ミスを繰り返さないように努力すべきなのです。私も「あの時はこうすれば良かった」と反省することもよくあります。当然、自分に向けられた言葉でもあります。
さて、自分が親になって分かることは他にもあります。自分の親の有り難みです。子育てしてみると、自分がいかに親に迷惑というか、手間をかけさせていたのかよく分かります。私も“子”であり、親がいますので、両親は大事にしないといけないと思うのです。
うちの親は医者ではないのですが、自営業を長年やっていて、数年前にリタイアしました。ずっと忙しかったので、どこにも行けなかったのですが、お陰さまで、気力は充実しております。頭が下がるくらい好奇心旺盛で、これまで行けなかったところを見てみたいと言っておりますので、この休みの間は、私がマネージャーとして旅行に連れていくつもりです。
先日、負荷試験にきた小学生の女の子に、休診が長い理由を聞かれ、もちろん正直に答えました。こっそり行くつもりもありません。開業医は、なるべく休まないのが“常識”なのかもしれませんが、私も子であり、こういう機会は時には必要と思っておりますので、ご理解の程、宜しくお願い致します。
アレグラの副作用として、体重増加は報告されていません。
なお、頻度は大変低いですが、食欲不振(発現率:0.07%)や食欲減退(発現率:0.02%)の副作用が報告されています。
このようなことから、アレグラが体重に影響することはほとんどないと考えられます。
アレグラ錠60mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
例えば三割負担の患者さまがアレグラ錠60mgを1日2回で30日間内服した場合、薬剤費は31.0円 × 2回 × 30日 × 0.3 = 558.0円となります。
ジェネリック薬を使用した場合はこれよりさらに安価に治療することが可能です。
帯状疱疹はヘルペスウイルスの1つ、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です。通常、初感染は1~5歳ごろに水ぼうそうという形で発症し、年月を経て大人になってから帯状疱疹として再発します。発疹が神経に沿って帯状に出るところから帯状疱疹といわれます。とくに多いのが胸からお腹、背中など、胸髄神経節の領域と、顔面の三叉神経の領域です。
帯状疱疹も口唇ヘルペス同様、免疫力が低下したときに発症し、症状は次のように進行します。
(1) 体の右または左の片側の神経に沿って刺すような強い痛みやヒリヒリした感じが数日~1週間続く。
(2) 虫に刺されたような赤い発疹が出る。
(3) 発疹の上に、中央にくぼみのある水ぶくれが多数できる。
(4) 水ぶくれが黄色い膿を持ち、全身症状として発熱することもある。1週間前後でやぶれてただれる。
(5) 発症から2週間でかさぶたとなり、3週間で治癒する。
【花粉症の方必見】薬局で買えるアレグラとアレジオンの違いって?
このように飲み合わせの悪い薬もありますので、アレグラの処方を受ける際には普段内服している薬を医師に提示していただくようお願いします。
口唇ヘルペスは再発しても自然に治りますが、その際、水ぶくれの中で繁殖したウイルスは再び神経節に戻ります。通常は徐々にウイルス量が減り、再発しても軽症で済みますが、症状が悪化してウイルスが爆発的に増殖すると神経節に戻るウイルス量も増加します。すると再発頻度が高くなり、症状も重くなるため、発症時のケアが大切です。
症状の悪化を防ぐためには、まず患部の清潔を心がけてください。水ぶくれの部分は水でそっと洗い、タオルで水気を拭き取ります。また、湿った状態にあると症状が悪化し、細菌に二次感染しやすくなりますから、よく乾燥させます。
水ぶくれが破れると細菌に感染しやすくなり、回復を遅らせますから、患部はこすらないよう気をつけます。とくにかぜや花粉症で鼻をかむとき、こすりやすいので注意してください。
水ぶくれがこすれたり、触ったりすることで、手などを介して他人に感染するので、これを防ぐために、マスクの着用をおすすめします。症状が出ているときは無理をせず、十分な休養をとってストレスや疲れをためないよう努めましょう。強い紫外線を避け、炎症を悪化させるアルコール類は控えます。
皮膚の違和感やかゆみなど、口唇ヘルペスの再発の前兆が現れたら、早めの対処が必要です。病院を受診し、患者判断で抗ウイルス薬を服用するPIT(Patient Initiated Therapy)を受けられるように、薬をあらかじめもらうようにしましょう。
第70回日本アレルギー学会学術大会 その1 | 伊勢丘内科クリニック
制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)とアレグラを同時に内服すると、アレグラの効果が弱まる可能性があります。
※この表の時差は協定世界時(UTC)を基準としたものです。 ※各国の時差およびサマータイムは、その国の都合により
性器ヘルペスは性行為などによって単純ヘルペスウイルス1型、または2型に感染する性感染症の1つです。一般に初感染の症状は次のように進行します。
(1) 2~10日の潜伏期間の後、感染箇所に痛みやかゆみが出る。
(2) 小さな水ぶくれや赤いブツブツ(潰瘍)が多数現れ、ただれや激痛を伴う。高熱や灼熱感、足のリンパ節の腫れが出ることも。
(3) 2~3週間でかさぶたになり、自然に治る。
口唇ヘルペス同様、初感染では無症状のケースも少なくありません。免疫力が低下していると再発し、口唇ヘルペスでは平均年2回ですが、性器ヘルペスでは女性は年8回、男性は年12回と頻繁に繰り返すのが特徴です。お尻や大腿部、肛門周囲などに症状が出ることもあります。性器ヘルペスは20~30代の女性に最も多く、複数の相手との性交渉が一因となっています。
口唇ヘルペスに感染した人とのオーラルセックス(口唇と性器間の感染経路)によって、性器ヘルペスに感染したり、性器ヘルペスの人とのオーラルセックスによって、のどの粘膜に感染してしまうケースも少なくありません。性器ヘルペスは梅毒やエイズなど、ほかの性感染にもかかりやすくします。性交渉の際は必ずコンドームを使用してください。
[PDF] 学校における新型コロナウイルス感染症に関する管理衛生マニュアル
頻度は高くありませんが、アレグラを内服することによって生じる副作用も報告されています。強いアレルギーであるアナフィラキシー反応や、ショック、肝機能障害、白血球数の減少、頭痛、眠気、疲労、倦怠感、めまい、不眠、神経過敏、嘔気、嘔吐、口渇、腹痛、 下痢、消化不良など、その症状は多岐に渡ります。アレグラを飲み始めてから体調に異変を感じた場合にはそれ以降の内服を中止して、処方をもらった病院まで早めにご相談ください。
校や時差登校を適宜組み合わせて、異なる教室や時間で指導を行う等の ..
・脳の視交叉上核は2万個ほどのニューロンの集団である。
CRY遺伝子のないマウスでは周期性はあまりないが、遺伝子を組み込むと24時間周期がはっきりと発現する。
・好酸球および3型自然リンパ球でもPER,CRYは振動している。
演者らはPER2-LUC knock -in miceを作成し(PER2が振動すると発光するようにしたもの)、培養マスト細胞のPER2の時計遺伝子が24時間周期で振動することを証明した。
・肝臓の概日リズム
肝臓は炭水化物、脂肪、アミノ酸、毒物などの代謝を行っているが、それぞれに属する一つ一つの遺伝子が振動している。
例えばコレステロールの原材料であるメバロン酸はHMG-CoA還元酵素により生合成されるが、その遺伝子は24時間周期で振動しており、夜間に産生亢進するので、メバロチンは夕食後投与が望ましいとされている。
ある標的遺伝子の振動のピークに併せて投薬することを「時間治療」と呼ぶ。
ただし現在は半減期24時間以上の長時間作用薬が多いのであまり時間治療を気にする必要性はなくなったが、半減期の短い薬剤では念頭に置く必要がある。
・マウス肝臓の概日リズム
近年非常に速いスピードで概日リズム分子動態の網羅的解析解析が進んでいる。
2007年は遺伝子の発現の有無しか判明しなかったが、最近の技術は「各種転写因子のDNA結合動態」「リン酸化動態」「ユビキチン化動態」等、ありとあらゆることが調べられる。
マウス肝臓の遺伝子発現パターンを6時間周期で見ると、最初の活動期の6時間は免疫系遺伝子の発現が増加しており、次の6時間は脂肪代謝に関連する遺伝子、次は細胞周期関連遺伝子の発現が増加していたという。
それぞれ脂肪代謝にはマスターレギュレーターと呼ばれる転写因子が存在することは知られていたが、その上に時計遺伝子が肝臓トランスクリプトームの全体のマスターレギュレーターとして働いていると考えられている。
・タンパク質量も振動がある
現在はプロテオミクス解析によりタンパク質量も精緻に解析できるが、タンパク質量が24時間周期で振動していることが知られている。
肝臓のKupffer cellsはマクロファージの親戚であり、肝臓は自然免疫系dominantな臓器なのでKupffer cellsの活動は重要である。
Toll like receptorなどの自然免疫系のレセプターやsignal分子に関するタンパク質の発現が24時間周期で発現している。(Nature communications 9:1553;2018)
肝臓以外の臓器でも同様の報告がされている。
・SARS-COV2ワクチンは昼よりも朝に打つ法が効果的
SARS-COV2ワクチンを朝9時に接種した群と昼3時に接種した群では、朝接種群で中和抗体産生量が多い!(Cell Research 1-3, 2021)
インフルエンザワクチンについても同様である。ただし、実際の感染防御活性には影響はないと思われる。
・肺は肝臓と同じくらいリズミックな臓器である。
喘息の日内変動と関連するであろう。
この現象は、長距離フライトを利用する人にはよく知られている「時差ぼけ」です。 ..
先週末は、休日夜間診療所で仕事がありました。
市内の発熱の患者さんが、どっと押し寄せた感じでした。ちなみに通常は受診のほとんどが子どもなのですが、今回は発熱の大人が多く、そのうちの多くがインフルエンザの患者さんでした。インフルエンザが上越で流行っていることを実感できました。
溶連菌やおたふく風邪、胃腸炎の患者さんも一部混じりました。胃腸炎のお子さんの親御さんから聞いたのですが、ある医院さんで、嘔吐1回、下痢1回で「胃腸炎なので、点滴が必要だ」と説明されていました。当院も含めて、多分、ほとんどの小児科医が点滴の適応とは考えないと思いますので、ビックリしました。医療機関によって、点滴するかどうかの判断が相当バラツキがあるなと感じました。
当院では、点滴は最大で5人程できるスペースがありますが、5人というのはこの辺では多い数字ではないと思います。その5人でさえも埋まったことはありません。上越にある「点滴待ち」(点滴のスペースがすべて使用中で、点滴してもらうのにスペースが空くまで待たなければならないこと)という言葉は、適応が緩いからそうなっているのかと思いしらされました。
いつも言っているように、小児科医が同じ患者さんを診ても、点滴を実施するかどうかの適応から、診断名、治療までも変わってしまうのは、とても不思議なことです。多分、一番多いところと少ないところ(当院)の差なのだと思います。私は、小児科医たるもの、子どもの痛がる治療は必要最小限にするのが望ましいと思っています。
当院の場合も、極端に点滴を避けている訳ではなく、本当に必要な患者さんには実施しています。長年小児科をやっていると、点滴をすべきかどうかはだいたい分かってきます。点滴をしないで乗り越えられれば、しない方がいいのです。過剰な治療は避けるべきでしょう。いろんな経過をみているベテランになればなる程、点滴の実施は減らなければおかしいと思っています。
さて、週末に食物アレルギー研究会が迫ってきました。19日(土)は休診とさせて頂きますので、ご理解をお願い致します。
新潟県内の困っている患者さんを救うために、医院を休診にしてまで、学会に参加して新しい情報を仕入れてこなくてはなりません。ただ参加するだけでは、もったいないので当院の食物アレルギーに関しての取り組みを発表してこようと思っています。
日本の第一人者の先生方の多くが参加されます。当院では食物アレルギーで困っている親御さんの不安を軽減させることに力を入れているつもりですので、その試みを聞いて頂こうと思っています。もしそういった先生方が診ている患者さんが新潟に引っ越される時は、多少遠くても知識や技術を持った医師に紹介したいと考えていると思うので、当院が新潟県で専門的な医療をやっていることも知って頂くチャンスでもあります。
先日も、ある小児科で2歳まで卵料理は完全に除去するよう指導されていた患者さんがおりましたが、食物アレルギーは、治りの早い子もいれば、なかなか治らない子もいます。アレルゲンも1種類だけから、複数種類に渡っている場合もあります。個別に診る必要があるため、“2歳”というのは何の根拠もないのです。以前からずっと同じ指導をされているようです。
医学は進歩しているため、学会に参加するなどして、新しい情報を仕入れておかなければなりません。患者さんに大きな迷惑をかけてしまうのです。特に開業医は、誰も「あなたの治療は間違っている」とは教えてくれないため、10年前の医療を平気で行っている小児科医も存在しているのです。
食物アレルギーで困っている患者さんが当院を受診されると、ガイドラインをもとに今の考え方や「食物負荷試験」について説明するのですが、大抵の親御さんが「(前医のことを)信じていたのに...」とおっしゃいます。
患者さんからすれば、端から見れば、“立派なお医者さん”に見えるのでしょうが、食物アレルギーに関しては、多くが専門医ではなく、当院の患者さんの親御さんの方が、下手な小児科医よりは食物アレルギーの知識を持っているくらいです。
週末は、電子カルテの画面をにらめってしていました。カルテを使って、データ入力を行っていました。私の悪いクセで、直前にならないとエンジンがかかりません(汗)。頭の中で、こういうように話を進めていこう、発表スライドを作ろうというイメージができているつもりなので、「まだ大丈夫」なんて思っているのです。
来週には、中越の某市にアレルギーの講演に行かなければならず、こちらの準備も進めなければならないのですが、食物アレルギー研究会が終わらなければ、手が空きません。
しばらく忙しい日々が続きそうです。
アレルギーのお薬や風邪薬を服用して強い眠気を経験された方も多いかと ..
以上のように、アレグラは抗ヒスタミン薬の中でも比較的制限が少なく、非常に使い勝手の良い薬です。
それは、時差ボケ的生活スタイルの方が多い点です。仕事やプライベートの関係で ..
また抗ヒスタミン薬は眠気が出ることがあるので自動車などの運転を制限するものも多いです。しかしアレグラに関してはその制限がありませんので内服中でも運転することが可能です(※人によっては眠気が出る場合もあります。眠気が出てしまう方は運転を控えていただくようお願いします)。
・市民ダッシュボードとアレルギー情報サービス、母子健康手帳、共助
・喘息は夜間に発作を起こしやすく、朝方のピークフローが低下する。
・アレルギー性鼻炎のモーニングアタック(起床時の鼻閉とくしゃみ)は昔から知られている。
・スギ花粉症患者の好塩基球のスギ反応性は朝方亢進している。(※スギ花粉症患者から好塩基球を採取しスギ花粉で刺激する「好塩基球活性化テストBAT」にて。)
・皮膚バリア機能の概日リズムでは、経表皮水分蒸散量(TEWL)は12時頃最小となり深夜に最大となる。
アトピー性皮膚炎では就寝時にかゆみが増悪するが、皮膚バリア機能は全体的に夜間に低下することが知られており、眠前の保湿が重要である。
・I型アレルギー反応のマウスモデルとしてPCA反応(passive cutaneous anaphylaxis)
抗原特異的IgEをマウスに皮下注すると皮下のマスト細胞と結合する。その後抗原と色素(Evans Blue)を静注すると、マスト細胞が脱顆粒してヒスタミンなど放出して血管透過性が亢進するので色素が皮下に漏出する。この色素の強さを定量するとPCA反応の強さがわかる。
この実験系を用いて演者らはI型アレルギー反応と概日リズムの関連を検討した。
野生型マウスではPCA反応が強い時間(休息期)と弱い時間(活動期)の概日リズムが認められたが、PER2変異マウスやマスト細胞選択的Clock変異マウス、SCN破壊マウス、明暗環境を10時間:10時間にセットしたマウスでは、いずれも概日リズムは認めなかった。
→ I型アレルギー反応の花粉症や蕁麻疹の時間依存性は、概日時計(特にマスト細胞の)が制御していると考えられる。
・IgEβ鎖配列のみ概日リズムがある。(振動している)
さらに演者らはマスト細胞のみ時計遺伝子を壊したマウスを作成しPCA反応を検討した。
野生型では夜間活動期のPCA反応は弱くなるが、時計破壊したマウスでは変動は認めなかった。
IgE受容体はα、β、γ、の3つのタンパク質で構成されるが、β鎖に発現リズムがあり、時計の壊れたマスト細胞ではそのリズムが消失するためと考えられる。β鎖遺伝子のプロモーター領域には”E-Box配列”と呼ばれる時計タンパク質Clockが結合する配列があり、時間とともに離合を繰り返している(時間依存性がある)。
マスト細胞の時計はIgE受容体β鎖の発現を24時間周期に制御している。
従って、同じ抗原量に暴露してもIgE受容体発現量が多い時間帯には脱顆粒の反応が強く、発現量が少ない場合には反応は弱くなる。
マスト細胞の時計が脱顆粒反応の概日リズムを生み出しているのである。
・マスト細胞はどうやって時計が制御されているのか?
マスト細胞は我々の体に1兆個存在するといわれており、もし1個1個のマスト細胞の時計が狂うと、総体として時間依存性はなくなるはずである。
マスト細胞のPer2発現レベルは24時間周期で変動するが、副腎を摘出すると変動がなくなる。
副腎由来の液性因子のコルチコステロンがマスト細胞の時計を同調させる。
すなわち、朝の光→ SCNが時計をリセット → SCNから副腎にリセット司令 → 副腎のグルココルチコイドのモーニングサージ → マスト細胞がリセット → マスト細胞がIgE受容体のβ鎖の発現を制御
・ストレス時には副腎皮質ホルモンのリズムが変動する。
演者らの報告ではマウスに拘束ストレスを与えると、マスト細胞のPer2概日リズムは消失した。そこにPCA反応をするとコントロールマウスでは活動期に反応低下するが、拘束マウスではリズムがなくなる。
→ ストレスのある花粉症患者は昼夜関係なく症状がでるのではないか。
・夜食マウス(夜食しか与えないマウス)ではマスト細胞時計のリズムが乱れる。
概日時計はI型アレルギーの日内リズムを形成している。
食事のタイミング・ストレス・(ポジティブな)感情はアレルギーに強く影響する。
最近の研究ではIgE受容体だけでなく、IL-33 の受容体であるST2など種々の受容体でE-Box配列を持っていてClockの制御下にある。
IgE依存性、非依存性のマスト細胞活性化はデフォルトで休息期に強まるようにプログラムされている。アレルギーが夜に出やすいのはマスト細胞の中にプログラムされていることであり、マスト細胞は昼と夜で違う細胞である。