シスプラチンまたはデキサメタゾンなどの副作用として点滴翌日のしゃ


この臨床試験の概要は、「以下の療法を3週間ごとに実施する。 ゲムシタビン1,000mg/m2(day1,8)、シスプラチン25mg/m2(day1,8)、デキサメタゾン8mg/body(day1,2,8,9)、リツキサン8mg/body(day1,8)」とされています。実施責任組織は「京都府立医科大学血液・腫瘍内科学部門」とされています。


[PDF] 2016年04月 『抗癌剤の催吐性リスク分類と制吐療法について』

この臨床試験の対象は、「病理組織学的に非ホジキンリンパ腫であることが確認されている症例」「2レジメン以上の治療歴を有する症例」「測定可能病変(CTによる長径:> 1.5 cm)を有する症例」など、一定の条件を満たす患者さんとされています。この臨床試験の目的は、「再発または難治性の非ホジキンリンパ腫を対象に、GDPレジメンの本邦における有効性および安全性を検証する」とされています。

121 高度催吐性リスク抗がん薬に対する予防的制吐療法は,5‒HT3 受容体拮抗薬,NK1 受容体拮抗薬,デキサメタゾンの3剤併用療法であったが,オランザピンを含む4剤併用療法が3剤併用療法よりも有意に急性期と遅発期の悪心・嘔吐を抑制することがランダム化第Ⅲ相比較試験で示され,オランザピンを含む4剤併用療法が標準的な予防的制吐療法として新たに加わった(→BQ1,CQ1参照)。ただし,オランザピンは本邦では糖尿病患者には禁忌(海外では慎重投与)であり,臨床試験では75歳以上の後期高齢者における使用実績がないため,オランザピンの併用については患者ごとに適応を検討する必要がある。 また,AC療法においてはデキサメタゾンの投与期間を短縮可能(遅発期のCR割合における3日間投与に対する1日目のみ投与の非劣性)というエビデンスが示されたが,AC療法以外の高度催吐性リスク抗がん薬ではエビデンスがないことに注意する(→CQ2参照)。 オランザピンを用いない3剤併用療法を行う場合やデキサメタゾンの投与期間を短縮する場合の5‒HT3 受容体拮抗薬の選択は,遅発期悪心・嘔吐に対して第1世代よりも有効性の高い第2世代のパロノセトロンを優先する(→BQ2参照)。 R±CHOP療法は高度催吐性に相当するレジメンであるが,高用量のプレドニゾロンが抗がん薬として使用されることから,5‒HT3 受容体拮抗薬とプレドニゾロンの2剤をもってR±CHOP療法に対する制吐療法とされてきた経緯があったため,R±CHOP療法に対するNK1 受容体拮抗薬投与の妥当性についてCQ7で解説した。2 中等度催吐性リスク抗がん薬に対する予防的制吐療法は,5‒HT3 受容体拮抗薬,デキサメタゾンの2剤併用療法である。一方,中等度催吐性リスク抗がん薬のうち,カルボプラチン(AUC≧4)を含む38 Ⅲ.急性期・遅発期の悪心・嘔吐予防 予防的制吐療法に用いられる制吐薬は,急性期に有効な5‒HT3 受容体拮抗薬,NK1 受容体拮抗薬,デキサメタゾン,遅発期に有効なNK1 受容体拮抗薬,デキサメタゾンである。また,かつて制吐目的に適応外使用されていた非定型抗精神病薬のオランザピンが,公知申請を経て,2017年に本邦でのみ,「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心,嘔吐)」に対して保険適用になり,急性期・遅発期ともに有効な新たな制吐薬として使用可能になった。抗がん薬の催吐性リスクに応じて,これら制吐薬の組み合わせ,投与期間,投与量が決められている(→ダイアグラム参照)。 今版における改訂のポイントは,国内外のランダム化第Ⅱ・Ⅲ相比較試験により,高度および中等度催吐性リスク抗がん薬に対して,オランザピンを含む予防的制吐療法が開発されたこと(→CQ1,4,5参照),遅発期のデキサメタゾン投与省略のエビデンスが示されたこと(→CQ2,6参照),中等度催吐性リスク抗がん薬に対するNK1 受容体拮抗薬の予防的投与について新しいエビデンスが示されたこと(→CQ3参照),である。 前版までに掲載されたエビデンスにこれらの新しいエビデンスを加え,推奨される制吐療法の基本情報を抗がん薬の催吐性リスク別に解説した(→BQ1~5参照)。概要抗がん薬の催吐性リスクに応じた予防的制吐療法高度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防(→ダイアグラム1参照)中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防(→ダイアグラム2参照)

シスプラチンを基にした高度催吐性化学療法の開始前、1 日目に 5-HT3 拮抗薬

遅発性嘔吐は,抗がん薬投与後24 時間以降に発現するもの,と定義されており,そのコントロールは,患者のQOL 維持,さらに精神的安定や治療に対する意欲の向上のためにも必要不可欠である。薬剤の催吐性リスクを適正に評価し,エビデンスに基づいた制吐薬の適切な使用を検討する必要がある。

▲GDPレジメンの(ゲムシタビン、シスプラチン、デキサメタゾン)臨床第2相試験
(UMIN CTR 臨床試験登録情報)

およびデキサメタゾンとアプレピタントを併用し、化学療法後となる 2 日目と

ASCO ガイドライン2017 によれば,遅発性嘔吐は,程度としては軽度なものが多いが,急性嘔吐の対処が不十分なときに起こりやすいとされる。治療としては副腎皮質ステロイド(経口デキサメタゾン)が推奨されており,メトクロプラミドや5-HT3受容体拮抗薬とも併用される。しかし,デキサメタゾンに加え5-HT3受容体拮抗薬を併用しても制吐効果の増強は得られない。さらに,急性嘔吐を認めた場合にはこれら2 剤を併用しても効果は不十分であるとされているため,抗がん薬の催吐性リスクや患者の状態に応じていずれか一方の使用にとどめるべきと思われる。

非ホジキンリンパ腫の患者さんを対象とした臨床試験「2レジメン以上の治療歴を有する再発または難治性の非ホジキンリンパ腫を対象としたGDPレジメンの(ゲムシタビン、シスプラチン、デキサメタゾン)安全性と有効性を検討する臨床第Ⅱ相試験 」が、2014年4月1日付で登録、公開され、「一般募集中(参加医療機関受診により、基準を満たせば被験者となれる)」となっていますので、お知らせいたします。詳細はリンク先をご参照ください。

[PDF] 5-HT3受容体拮抗型制吐剤 パロノセトロン塩酸塩注射剤 劇薬

ランダム化比較試験やプールドアナリシスの結果では,デキサメタゾン4~8 mg 経口投与(2~3 日目)とNK1受容体拮抗薬であるアプレピタント80 mg 経口投与(2~3 日目)の併用がデキサメタゾン単独より有用であった。この2 剤併用は,5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの併用に比べても有意に遅発性嘔吐を抑制しており(21% vs.36%,p<0.001),ASCO ガイドライン2017,MASCC/ESMO ガイドライン2016 で推奨されている。

ボルテゾミブ、 サリドマイド、 デキサメタゾン、 シスプラチン、 アドリアマイシン、 シクロホスファミド、 エトポシド


デキサメタゾン(オルガドロン注®、デカドロン錠®) 機序は不明です。 ☆オランザピン(ジプレキサ錠®)

ボルテゾミブ、 サリドマイド、 デキサメタゾン、 シスプラチン、 アドリアマイシン、 シクロホスファミド、 エトポシド

(3)シスプラチン誘発嘔吐反応に対するデキサメタゾン及びオンダンセトロン(5-HT3受容体拮抗型制吐剤)との併用効果

薬剤の催吐性リスク分類は単剤での評価が基本であるが,同一薬剤であっても投与量,投与法によって異なり,さらに近年ではいずれの悪性腫瘍においても多剤併用療法が主流となっているため,催吐性リスクが過小評価とならないよう細心の注意を払うべきである。この点に関して,アントラサイクリンとシクロホスファミドの併用療法について,それぞれ単剤(シクロホスファミド≦1,500 mg/m2)では中等度リスクに分類されるが,NCCN ガイドライン2017 では高度リスク群として明記され,MASCC/ESMO ガイドライン2016 およびASCO ガイドライン2017 においても嘔吐頻度が高いことが示されている〔→参照〕。さらに,抗がん薬を複数日にわたって施行するレジメンの場合,薬剤の投与順序に応じて急性嘔吐と遅発性嘔吐が重複する場合もあり,より綿密な治療計画が望まれる。その一例としてリンパ腫におけるESHAP 療法では,1 日目から4 日目は中等度リスクとして対処し,高用量シタラビンが投与される5 日目以降は高度リスクとして対処する。

デキサメタゾンに、多元受容体標的抗精神病薬のオランザピンを追加した4剤制吐 ..

第1 世代の各5-HT3受容体拮抗薬の制吐効果に差はないとされているが,わが国で行われた高度リスクの抗がん薬投与に対する,第2 世代の5-HT3受容体拮抗薬パロノセトロンとデキサメタゾンの併用群とグラニセトロンとデキサメタゾンの併用群の制吐効果を検討した第III相ランダム化比較試験において,パロノセトロンとデキサメタゾンの併用群が有意に遅発性嘔吐を抑制したことが示されている(参照)。また,高度リスクの抗がん薬投与に対するパロノセトロン,デキサメタゾン,アプレピタント併用群と,グラニセトロン,デキサメタゾン,アプレピタント併用群の制吐効果の比較を行った第III相ランダム化比較試験(TRIPLE 試験)が報告され,主要評価項目ではないがパロノセトロン群が遅発期において有意に悪心・嘔吐を抑制したことが示された

デキサメタゾン(デキサート)は、5-FU(フルオロウラシル)とCDDP(シスプラチン)の副作用を踏まえて投与されます。 ..

なおホスアプレピタントの海外第III相ランダム化比較試験として,中等度リスクの制吐薬治療における5-HT3 受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用に対するホスアプレピタントの上乗せ効果が報告されている

デキサメタゾン+アロカリス併用療法の有効性と安全性をパロノセトロン+デキサメタゾン+ホスアプレピタントと比較検証した第3相臨床試験である。

アントラサイクリン+シクロホスファミド併用(AC)療法においてアプレピタントを使用しない臨床試験のエビデンスから,2 日目以降のデキサメタゾンの上乗せ効果は証明されていない。さらにステロイドの副作用を減ずる目的で,AC 療法に対する2~3 日目のステロイド使用を行わないsteroid sparing という投与法は,ステロイド通常使用に対する非劣性が海外の第III相ランダム化比較試験で示されている。本邦でも,アプレピタント(またはホスアプレピタント)を併用した第III相試験において,AC療法を含む高度リスク抗がん薬に対するsteroid sparing が可能であることが示された14)。ただし使用された5-HT3受容体拮抗薬はパロノセトロンのみであることに留意する必要はある。したがって,AC 療法においては,steroid sparing は選択肢の一つとなる(→ 参照)。

• デキサメタゾンは血糖上昇や不眠、骨量低下等の副作用を有する

基本的に5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン6.6~9.9 mg を静注(8~12 mg を経口)の2 剤併用とするが,一部の抗がん薬(カルボプラチン,イホスファミド,イリノテカン,メトトレキサート等)を投与する場合にはアプレピタント125 mg 経口投与もしくはホスアプレピタント150 mg 静脈内投与の併用が推奨され,その際にはデキサメタゾンを減量(静注: 3.3~4.95 mg,経口: 4~6 mg)する(→参照)。また,わが国では400 例を超えるオキサリプラチン投与患者に対する第III相ランダム化比較試験が行われ,5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下において,アプレピタント/ホスアプレピタント群がコントロール群より全治療期間,特に遅発期の悪心・嘔吐の制御に優れることが示された

• 中等度またはシスプラチン以外の高度催吐リスク化学療法に対して

CHOP 療法も高度催吐性リスクに分類されている。しかし実臨床では制吐薬として2 剤併用が行われる傾向にある。これは高用量のプレドニゾロンを5 日間投与するため遅発性の悪心嘔吐が低いと考えられているためであり,実際に我が国で行われたCINV 観察研究では,79%で2 剤併用が行われていた。CHOP 療法に対するNK1 受容体拮抗薬の有効性については,1 コース目は2 剤併用を行い,2 コース目からNK1 受容体拮抗薬を上乗せする試験が報告されている。また第2 世代の5-HT3受容体拮抗薬の有効性について検討したいくつかの前向き試験が本邦より報告されている 。2 剤併用,3 剤併用のどちらが良いかについてのランダム化比較試験は,第II相試験での報告しかなく,今後の検討が必要である。

④ デキサメタゾン注 33 ㎎ (10 mL) + 生食 100mL 点滴静注 30 分 (200mL/時間).

NCCN ガイドライン 2015 では,アプレピタントの代わりに多受容体作用抗精神病薬(MARTA)であるオランザピンをパロノセトロンとデキサメタゾンと3 剤併用で用いるオプションが示された。さらに同2017では,新たにアプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加えるレジメンも提示された。これらは,シスプラチンとAC療法を含む高度リスク抗がん薬投与に際し,オランザピンが,パロノセトロンとデキサメタゾン併用下においてアプレピタントと同等であることが示された第Ⅲ相ランダム化比較試験や,アプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加える有用性が示された第III相ランダム化比較試験の結果を受けている。ASCO ガイドライン2017 でもオランザピンを加えた4剤併用が推奨療法として追加された。オランザピンはわが国でも複数の臨床試験が行われた。オランザピンは公知申請により2017 年6 月から,他の制吐薬との併用において成人では5㎎ を1 日1 回経口投与(患者状態により最大1日10㎎ まで増量可能),最大6 日間を目安として先発品と一部の後発品で保険下にて使用が可能となった。本邦における推奨用量,使用方法については未だ検証段階であるため,適切な患者に慎重に投与することが望まれる。慎重投与すべき患者としては,糖尿病患者ならびに高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者であり,使用に際しては副作用の傾眠や血糖上昇に十分注意する。高齢者への投与も慎重に行うべきである。作用点が重複するドパミンD2 受容体拮抗薬ドンペリドン,メトクロプラミド,ハロペリドール,リスペリドンなどとの併用は勧められず,また,睡眠薬との併用には注意を要する。投与量に関してはランダム化第Ⅱ 相試験ではあるが,高度リスク抗がん薬投与に対し3剤併用に加えたオランザピン5 ㎎ と10 ㎎では遅発期の悪心・嘔吐の制御において同等であったとの報告もある

注)デキサメタゾンを積極的に使用できない場合は、デキサメタゾン2-

【参照】 2015ASCO 総会で報告された乳がんに対するアントラサイクリン系抗がん薬とシクロホスファミドを含むレジメンに対するデキサメタゾン/ホスアプレピタント併用下でのグラニセトロンとパロノセトロンの比較を行ったわが国の第III相ランダム化比較試験(WJOG6811B 試験)では,主要評価項目である遅発性悪心・嘔吐の完全制御割合において両群間に有意差は認められなかったが,二次評価項目ではパロノセトロン群が遅発期において有意に悪心を抑制した。

[PDF] シスプラチン・ビノレルビン療法 の治療を受ける患者さんへ

NK1受容体拮抗薬であるアプレピタント125 mg 経口投与もしくはホスアプレピタント150 mg 静脈内投与と5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾン9.9 mg 静注(12 mg 経口)の3 剤併用が推奨される。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2 剤併用に比べ,アプレピタントを加えた3 剤を併用することで制吐作用の著しい改善が示されている。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬(→ 参照)は,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,薬剤間またその投与経路によって効果に大きな差はなく,用量や投与回数の影響を受けないことから,抗がん薬投与開始前に必要量を単回投与とする。第2 世代5-HT3受容体拮抗薬のパロノセトロンは,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,急性嘔吐の予防効果は他薬剤と同等であるが,遅発性嘔吐の予防において優れている(→ 参照)。デキサメタゾンの用量(→ 参照)については,第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬との2 剤併用では13.2~16.5 mg を静注(16~20 mg を経口)とされてきたが,アプレピタントとの併用では,アプレピタントがCYP3A4 を阻害することによりデキサメタゾンの濃度-時間曲線下面積(area under the concentration-time curve; AUC)が増加するため,3 剤併用では9.9 mg 静注(12 mg 経口)に減量する。ただし,副腎皮質ステロイドが抗がん薬として投与されるCHOP 療法などではレジメン内のステロイドは減量してはならない。アプレピタントの投与期間は3 日間が推奨される。ホスアプレピタントはアプレピタントの水溶性を向上させたリン酸化プロドラッグであり,静脈内投与後に体内の脱リン酸化酵素によって速やかに活性本体であるアプレピタントに変換される。ホスアプレピタントはオンダンセトロン,デキサメタゾンとの3 剤併用でアプレピタントとの同等性が示されており,5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下での抗がん薬投与30 分前,150 mg の単回使用が推奨される。ただし,副作用として注射部位痛/発赤/血栓性静脈炎の頻度が高いことに留意すべきである。