フィットクリニックでは、ルセフィと同じSGLT2阻害薬のフォシーガを含む
SGLT2阻害薬にはいくつか種類がありますが、SGLT2選択性で大別でき、SGLT2選択性が高いのか、低いのかで考えていきます。
SGLT2選択性が高いとはどういうことかですが、SGLT2は腎臓に特異的に発現するたんぱく質です。つまり主に腎臓のみで機能し他の器官に影響しないため、余計な作用がなくなるので副作用が少ないことになります。
ではSGLT2選択性が低いとはどういうことでしょうか。
それはSGLT2阻害薬がSGLT2だけでなく、SGLT1にも作用することを指します。
SGLT1は小腸・心臓・気管・脳などに発現しますので、SGLT1を阻害することで、低血糖のリスク上昇、下痢などの消化器症状、虚血状態の心筋や脳への悪影響などが懸念されています。
当院で採用しているSGLT2阻害薬はSGLT2選択性が高い『フォシーガ』です。
SGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きを妨げることで効果を発揮します。
ネット通販などで売っていることもありますが、個人輸入という行為にあたるため、リスクがあります。品質や安全性が保障できないばかりか、偽物の可能性もあります。また、医師や薬剤師の意見を聞くことができず、自身の体質などに適した薬なのか判断することも難しいです。SGLT2阻害薬(内服薬)には、服用できない人や、併用できないお薬もあるため、医師から説明を受けると安心です。
過度な糖質制限は、低血糖やケトアシドーシスといった重篤な副作用のリスクを高めます。ダイエットのペースを上げたい場合でも、食事の炭水化物比率は40~55%にとどめてください。
ジェネリック医薬品は全てのSGLT2阻害薬で発売されていません。
現在、高SGLT2選択性はジャンディアス・ルセフィ・デベルザ/アプルウェイ・フォシーガ、低SGLT2選択性はカナグル・スーグラが使用されています。
低SGLT2選択性は血糖がより下がりやすくなるため、低血糖症状がおこりやくなるのと、多数の器官で作用するため副作用も心配です。
当院では高SGLT2選択性にあたるフォシーガを採用しています。フォシーガは副作用が少なく、多くの研究・論文により医学的根拠があり、安心して使用できるお薬です。また、心血管リスクの低減や予防、腎臓の保護にも有効に働くことが報告されており、幅広い健康効果が期待されています。
低血糖症状、脱水症状、頻尿、膀胱炎などの尿路感染症
性器感染症、口渇、便秘、血圧低下、腎機能障害、ケトアシドーシス
ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
糖尿病の治療中に、感染症などによる発熱・下痢・嘔吐や食思不振のせいで食事がとれない状態のことを「シックデイ」と呼びます。普段糖尿病のコントロールが良好な方でも、シックデイには血糖が不安定になります。
シックデイの過ごし方や薬の扱いについて解説します。
国内で販売中のSGLT2阻害薬は、2020年1月現在6種類7剤あります。
血糖が上がることで脱水になりやすくなり、脱水になるとさら血糖が上昇するという悪循環に陥ります。病状が悪化すると、“高浸透圧高血糖症候群(HHS)”や”糖尿病ケトアシドーシス(DKA)“という命に関わる病状になる恐れがあるため注意が必要です。
SGLT2阻害薬は医薬品になりますので、かならず医療機関で医師の診察を受け、処方を受ける必要があります。
SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。
SGLT2阻害薬に1型糖尿病への適応が追加承認されて以降、高血糖ではないのにケトアシドーシスに至るeDKAの報告が増加しています。これはインスリンの中止、極端な糖質制限などが原因となっています。2022年「SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendation」においても注意喚起されています。
当モニター544号(2020年11月2日付)でも紹介しましたが、eDKAの報告が14件(SGLT2阻害剤10件、SGLT2+DPP4配合剤4件)集積されましたので、再度紹介します。
そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。
主な副作用として、性器感染(腟カンジダ症など)、尿路感染(膀胱炎など)、体液量減少(脱水)、便秘、口渇、頻尿、尿量増加、陰部のかゆみなどが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。
糖尿病ケトアシドーシスDKAとは、インスリン欠乏や極度のインスリン作用不足と、グルカゴンなどのインスリン拮抗ホルモンの過剰分泌により、高血糖と高ケトン血症、アシドーシスをきたした状態です。症状としては、全身倦怠感や口渇などの高血糖症状に加えて嘔気・嘔吐、腹痛や過呼吸などがあり、処置が遅れると昏睡に至ることもあります。DKAの患者さんは、入院の上、脱水と電解質異常への対処、インスリン少量持続静注を開始します。
お年寄りでやせすぎた場合は、SGLT2阻害薬は中止する場合もあります。
SGLT2阻害薬によるDKA発症の機序には、本剤ならではの特徴があります。SGLT2阻害薬を投与すると、尿糖排泄増加により血糖および血中インスリンが低下し、グルカゴン/インスリン比が増加します。その結果、肝臓では血糖低下を補うように糖産生が増加します。脂肪組織では脂肪分解が亢進し産生された遊離脂肪酸が肝臓でケトン体に変わっていきます。SGLT2阻害薬により、全身エネルギー代謝としてはブドウ糖利用から脂質利用の割合が増え、増加したケトン体もエネルギー源として心臓などに好影響を与えることが報告されています。しかし、そのような状況のなかで、不適切なインスリン減量/中断や極端な糖質摂取不足、脱水などの誘因により、この流れが増強されると、酸性物質である血中ケトン体が急増しDKAが発症します。有益とも考えられているケトン体を増加させ過ぎないことが重要です。
[PDF] フォシーガ錠を服用される 1型糖尿病の方・ご家族の方へ
DKA回避のためには、明らかになっているこれらの原因や誘因をできるだけ取り除いていくことが重要です。とくに注意すべきはインスリン分泌能が極端に低下した患者さんですので、2型糖尿病として治療中の患者さんに対しても、一度は空腹時血清Cペプチドを測定して患者さんのインスリン分泌能を評価しておきましょう。
SGLT2阻害薬内服中は、インスリン不足のほかに糖質不足や脱水も重要な誘因リスクとなりますので、周術期やシックデイなどの際の一時休薬を必ず守りましょう。
糖尿病治療薬には様々な種類がありますが、最近 SGLT2 阻害薬と呼ばれる⽐較的新しい種類の薬が処⽅
症例)60代女性で糖尿病。
骨折して動けず発見され、脱水契機の高浸透圧高血糖症候群(血糖値600mg/㎗超)にて入院。補液+インスリン強化療法開始。
入院7日:糖毒性が解除され、インスリングラルギン8単位のみとなる
入院13日:フォシーガ錠10mg開始。血糖164mg/㎗
入院14日:インスリングラルギン終了
入院17日:この日は食事摂取ほぼできず
入院18日:嘔吐(おうと)、頻呼吸。pH7.02、HCO3は3mEq/L、血糖253mg/㎗、尿ケトン体(4+)。eDKA疑いでフォシーガ中止。炭酸水素ナトリウム静注、加糖リンゲル液と持続インスリン(18単位/日)開始
中止1日:嘔吐は改善するも食事できず
中止3日:アシドーシス改善も、尿中ケトン(2+)持続。糖負荷開始。持続インスリン52単位/日に増量
中止4日:食事2割摂取。尿中ケトン体(±)
中止5日:インスリン(44単位/日)に減量
中止7日:食思改善。尿中ケトン消失
中止9日:血糖も安定、持続インスリンをグラルギン8単位に戻す
SGLT2阻害薬 極端な「低炭水化物ダイエット」で重大な副作用が
男性 60歳代
もともと服薬コンプライアンス不良で血糖値が乱高下していた。同剤投与約2ヵ月後、患者自身が低血糖症状を訴えて来院。血糖値測定するも160mg/dLで低血糖の可能性は低いと判断し、グリメピリドを中止。4日後、倒れて救急車で搬送され、搬送先の病院で死亡。死因が不明なので、詳細を調査中。・
フォシーガが1型糖尿病への適応拡大 「正常血糖ケトアシドーシスには注意が必要」 患者・医療従事者向けの指導箋の活用を呼びかけ ..
膣カンジダ症などの性器感染症や、便秘や陰部のかゆみなどの症状が現れることがあります。気になる症状があれば医師に相談しましょう。
[PDF] 選択的SGLT2阻害剤フォシーガ 日本において1型糖尿病に対する
SGLT2阻害薬は血糖降下や体重減少だけではなく、様々な代謝への好影響、心血管イベントや腎機能低下、脂肪肝などに対する影響が報告されています。一般的に、1型糖尿病患者が糖尿病性ケトアシドーシスになるのは高血糖のときであるため早く気づくことが出来ますが、SGLT2阻害薬を飲んでいるとケトン体が発生しやすく、また血糖値が上がらないので、気づくことが遅れてしまう可能性があるのです。
1 型糖尿病試験におけるフォシーガの安全性プロファイルは、糖尿病性ケトアシドーシス
指示された食事療法、運動療法があれば、これを守ってください。低血糖症状〔ふらつき、脱力感、冷や汗、動悸、手足のふるえ〕を起こすことがあります。特に高所作業や自動車の運転など危険を伴う作業に従事するときには、十分に注意してください。
SGLT2阻害薬に1型糖尿病への適応が追加承認されて以降、高血糖ではないのにケトアシドーシスに至るeDKA ..
一方でSGLT2阻害薬のダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)は慢性心不全の適応が新たに追加されました。今後使用患者も増えることが予測されるSGLT2阻害薬を有効かつ安全に使用していきましょう。
SGLT2阻害薬(フォシーガ、カナグル、ジャディアンス、スーグラ等).
高血圧症治療薬の「ミネブロ錠」や「セララ錠」と、「ヨウ化カリウム」等とは【併用禁忌】とされているが、「放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減に使用する場合」は併用禁忌を解き、【併用注意】とする—。