○憩室炎などの腹腔内感染症(グラム陰性菌+嫌気性菌をターゲット)


大腸憩室は、1個だけではなく複数個できる場合が多いです。ほとんどは後天的に出現し、大腸の壁の強さと腸管内圧のバランスが崩れることでできると考えられています。高齢化や食生活の変化によって便秘の頻度が高まり、糞便を送り出すための腸管運動が亢進(こうしん)することで腸管内圧も高くなります。その結果、圧に耐えられなくなった腸管壁の一部が、外側に膨らむことで憩室ができます。

前述した通り、憩室があっても大半の方は無症状のまま生活をされています。しかし、憩室に糞便が溜まったまま長時間が経つと、内部で細菌が増殖し、憩室に炎症が生じます。これを「憩室炎」といい、腹痛や発熱、また下痢症状などが出現します。炎症の強さによっては、腸管穿孔(腸管に穴が空くこと)を引き起こしたり、膿瘍を形成したりすることもあり、非常に注意が必要です。また、憩室内の血管が貯留した便によって傷つけれられて出血することを「憩室出血」といいます。憩室炎と違って腹痛や発熱は見られませんが、突然の血便で発症することが特徴的です。


D 糖尿病性足病変―アモキシシリン e 蜂窩織炎―セファレキシン.

60歳男性.
7年前,糖尿病を指摘され,その際の腹部超音波検査では脂肪肝を認めた.HBs抗原(-),HCV抗体(-).以後,一般内科開業医で定期通院していた(月1回).今回,会社の検診で行った腹部超音波検査で肝腫瘍を指摘された.
胸腹部ダイナミックCT検査を施行すると,門脈左枝に腫瘍栓を伴う肝細胞がんであった(最大腫瘍径25 mm,腫瘍数3個,いずれも内側区域に存在).肺転移あり(最大腫瘍径10 mm,両肺に計10個).リンパ転移,腹水,肝性脳症とはない.PS 0.
血液検査:総ビリルビン0.5 mg/dL,AST 35 IU/L,ALT 42 IU/L,アルブミン3.8 g/dL,PT 82%,血小板9.0万/μL.ICG 15分値8.0%.AFP 18,000 ng/mL(基準<10).PIVKA-Ⅱ 350,000 mAU/mL(基準<40).肝細胞がんの指摘は初めてである.推奨される治療選択肢を1つ選べ.

憩室炎では、血液検査で白血球などの炎症反応に関連した数値の増加を認めます。また、腹部CTでは、炎症をきたしている憩室周囲の壁が肥厚したり、脂肪織が混濁したりといった炎症所見が見られます。炎症が非常に強く穿孔をきたしている場合は、上記の所見に加えて、本来見られない空気が存在することもあります。膿瘍形成を伴っている場合は、球状の膿の塊がCTで確認されます。

サワシリンに副鼻腔炎の適応は入っていないのですか。 大石: ええ,入ってい ..

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憩室(けいしつ)疾患(憩室出血、憩室炎) | みんなの医療ガイド

憩室炎および憩室出血の治療としては、どちらも数日間の絶食による腸管安静が基本となります。絶食を行う場合は、水分や栄養が不足するため、入院の上、点滴での治療を行います。

上記の治療に加えて抗菌薬投与を行うことで、細菌の増殖を抑えます。ほとんどの場合は抗菌薬の投与で軽快しますが、穿孔や膿瘍を形成している場合は、外科的手術や膿瘍ドレナージといった追加治療が必要となることもあります。

大腸憩室炎とは?~大腸憩室症について~ | 同友会メディカルニュース

憩室とは、消化管壁の一部が外側に突出し、嚢状(のうじょう・袋状の形のこと)になった状態をいいます。憩室は食道、胃、十二指腸、小腸、大腸のいずれにもできますが、大腸にできることが一番多い病気です。ここでは、最も頻度の多い「大腸憩室症」について説明します。

大半の大腸憩室は無症状で臨床上は問題になりませんが、しばしば炎症を起こしたり(憩室炎)、出血した際(憩室出血)には早急な治療が必要となります。近年、大腸憩室炎や大腸憩室出血は増加傾向にあり、再発率も多いため、臨床上問題となることがあります。特に、憩室出血では1年以内に再度憩室出血を起こす確率が20~35%といわれています。日本では憩室の4分の3が右側の大腸に生じるといわれており、加齢によって進展し、左側の結腸での憩室が増加するとされています。40歳以上の中高年者の大腸に憩室があることが多く、特に食物繊維の摂取が不足している人にできやすいといわれています。


注意点としては、適切な治療を行って症状が改善したとしても、憩室炎も憩室出血も非常に再発しやすい疾患とされています。ほとんどは無症状のまま経過することが多く、必要以上に恐れる必要はありませんが、治療歴のある方は、腹痛や血便が出現した際には速やかに医療機関への相談を検討してください。


アモキシシリン(875mg,12時間毎)+ クラブラン酸(125mg,12時間毎)

論文の要約
背景:大腸憩室炎の標準治療は経験的に入院・抗菌薬治療であった。しかし、近年2つのランダム化比較試験において、合併症のない憩室炎の入院治療における抗菌薬の有用性は示されなかった。また、合併症のない憩室炎の外来治療は安全で効果的であることが報告されている。

方法: 本研究は、スペインの15の病院において合併症のない憩室炎に対する外来治療において抗菌薬の有無によって入院率や合併症に差がみられるか検証した非盲検・非劣性無作為化比較試験である。対象は18歳から80歳の成人で、救急外来を受診し、憩室炎に相当する症状を有する患者で、腹部CT所見におけるmodified Neff classification(mNeff)がグレード0と判定されたものとした。患者は、対照群(抗菌薬群):従来の治療(抗炎症・対症療法とは別にアモキシシリン/クラブラン酸875/125mg/8時間)または介入群(非抗菌薬群)にランダムに1:1に割り付けた。治療期間は7日間とした。来院後24時間以内に症状が改善しないものは、入院とし、研究には参加しなかった。臨床経過モニタリングは2、7、30、90日目に実施した。主要評価項目は入院割合であった。副次評価項目は、各群における救急再診回数、疼痛コントロール、緊急手術であった。サンプルサイズは非劣性マージンを7%、抗菌薬使用群の治療成功割合を93%、片側α0.025、パワーを80%、フォローロスを10%と見積もり460人とした。

結果:2016年11月から2020年1月までの849人がmNeffグレード0の軽症憩室炎と診断され、そのうち480名が、非抗菌薬群(n=242)または抗菌薬群(n=238)に無作為に割り付けられた。入院割合は 抗菌薬群14/238例(5.8%)、非抗菌薬群8/242例(3.3%)(平均差2.58%、95%信頼区間6.32〜-1.17)で、非劣性であることが確認された。救急再診割合は抗菌薬群16/238例(6.7%)と非抗菌薬群17/242例(7%)(平均差-0.3、95%CI 4.22〜-4.83 )であった。2日後のフォローアップにおける疼痛コントロール不良は抗菌薬群13/230例(5.7%)、非抗菌薬群5/221例(2.3%)(平均差3.39、95%CI 6.96〜-0.18)であった。

ラブラン酸(CVA/AMPC)とアモキシシリン(AMPC)の併用、あるいは ST 合剤とメトロ

Implication
対象患者には、診断から24時間以内にVisual analogue scale≦4とならなかった患者に関しては研究に組み込まれていない。また、CT所見による憩室炎の重症度についてmNeffグレードが採用され、グレード0のみ対象としている。これまでの研究と比してより軽症患者が組み入れられている。本研究は、初の外来治療のおける抗菌薬フリーの安全性を検証した研究であることもあり、厳格に選択された軽症の憩室炎患者を対象にしていることに注意が必要である。また、オープンラベルでソフトエンドポインを採用しているため情報バイアスも懸念される。今後、軽症憩室炎に対して、抗菌薬フリーで外来治療されることが増えてくることが予想されるが、上記限界もあり、実臨床においては慎重に適応する必要があり、今後の追加試験の報告もフォローする必要がある。

・レボフロキサシン1回500mg1日1回+メトロニダゾール1回500mg1日3~4回

憩室とは、腸の壁の脆い部分が、腸の外側へ向かって袋状に飛び出したもののことを言います。大腸に限らず、胃、十二指腸や小腸などにもできますが、今回は、比較的頻度の高い大腸憩室と、その合併症の1つである憩室炎について、お伝えします。

[PDF] 2.高齢者における抗菌薬の考え方,使い方 経口薬編

のように言われています。憩室は1つだけの場合もあれば、大腸内に複数形成されることも多く、また年齢が上がるにつれて保有率は増加します。

サワシリン錠250の基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

今まで数回憩室炎をしていますが、今回の抗生剤は初めてです。
オーグメンチンとサワシリンは同じペニシリン系の抗生剤だと思いますが、このような処方はよくある事でしょうか。
明日、いつものかかりつけ医に再診する事も考えています。

厚生労働省では,令和6年5月8日にアモキシシリン水和物含有製剤(以下,「本剤」という。 ..

大腸憩室の合併症として多いのが、(以下、憩室出血)と(以下、憩室炎)です。憩室出血は文字通り憩室から出血することで、腹痛は伴わないことが多く、鮮血便が主な症状です。日本では、憩室をもつ人の累積出血率は、1年で0.2%、5年で2%、10年で10%と報告されています。一方、憩室炎はさらに発症頻度が高く、憩室出血の約3倍程度と報告されています。

憩室炎の原因として、以下のものがあります。

憩室の中で細菌が繁殖し、炎症を起こすことで発症します。
持続的な腹痛や発熱、下痢、悪心嘔吐などが主な症状です。大腸のどの部位にある憩室が炎症を起こしているかによって痛む場所も異なります。日本を含むアジアでは右側結腸(上行結腸~肝彎曲部)優位であり、憩室炎の症状の約75%が右下腹部痛です。症状から虫垂炎との鑑別が必要と言えます。また日本でも40-60歳の憩室炎は70%が右側結腸ですが、高齢になるにつれて左側結腸(下行結腸~S状結腸)の頻度が増加します。左側型憩室炎の特徴は、年齢層が高く、再発例に多く、重症例が多いです。

どんな症状がでれば大腸憩室炎を疑うの?

憩室炎とは、大腸憩室に便などが詰まって血流が悪くなり、憩室に炎症を起こす病気です。
憩室炎により、右下腹部痛や左下腹部痛、発熱、下痢、おならが頻回になるなどの症状を生じます。
多くの場合、抗生剤を内服し、安静にすることで数日〜7日程度で、治ります。
しかし、憩室炎がひどくなることで、膿み(うみ)ができたり、腸に穴があいて腹膜炎を起こすことがあるので、注意が必要です。

60歳未満では上行結腸(おなかの右側)での憩室炎が多く、60歳以上でS状結腸・下行結腸(おなかの左側)の憩室炎が多い傾向があります。
憩室炎を起こした方の約10〜50%で、憩室炎が再発するといわれています。

また、憩室炎を発症した後に、大腸がんの発見率が高いことが知られているため、憩室炎になった方は、再発予防や定期的な大腸カメラを行っていくことが重要になります。

憩室炎に関して、原因や食事などの細かい情報まで、消化器病専門医・内視鏡専門医・胃腸科専門医である院長が、分かりやすく・詳細に解説していきます。

大腸憩室炎はどんな治療をするの?

急性の腹痛や発熱がある場合、問診・診察の後、血液検査や腹部CT・腹部エコーなどで原因を調べます。炎症が軽く軽症の場合は、腸管安静(禁食)・抗菌薬の投与といった保存的治療で改善します。膿瘍(うみがたまる)や穿孔(穴があいてしまうこと)を伴わない憩室炎(憩室炎全体の80~90%)は、腸管安静と抗菌薬投与により70~100%が改善します。
抗菌薬は内服治療で済むこともあれば、入院して点滴治療を行うこともあります。

大腸憩室炎を予防することはできるのかな

喫煙と肥満は、憩室炎が起こった際に、腸に穴があく(穿孔)リスクを高めると報告されています。
また、肥満は憩室炎だけでなく、憩室出血のリスク因子になります。