光をうまく活用することも、良い睡眠をとるコツです。 明るさ(照度)は、一般家庭 ..
なお、眠るときは完全に真っ暗の状態(0lx)よりも多少明かりがある環境(0.3lx)のほうが、深い睡眠がえられたと報告されています。0.3lxの明るいさとは、部屋を暗くしつつもカーテンをちょっと開けておくくらいの明るさです。
夜に長時間にわたって光を浴びていると睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が抑制されることがわかってきました。 ..
ここからは、一般的なLED照明の光を浴び続けることの危険性を見ていきます。
先述したように、高照度光には、1)朝の光は睡眠・覚醒リズムを前進させる働きがあり、ヒト本来が持っている約25時間の概日リズムを、朝、太陽光を浴びることで24時間にリセットすることができる、2)夕方の光は睡眠・覚醒リズムを後退させる働きがあり、夜間強い照明を浴びて、勉強や仕事をしていると睡眠相後退型の睡眠障害に陥る危険性が高まる、3)昼間に強い光を浴びると、睡眠・覚醒リズムと体温リズムの振幅を大きくし、メリハリのある生活ができるようになる、4)光は季節性感情障害を改善する、という作用があることがわかっている。睡眠障害やうつ病の治療に、他の治療法と高照度光を組み合わせることで、効果が高まることが大いに期待される。
[PDF] 照明によるメラトニン分泌抑制効果を低減するフィルタ
私たち現代人は太陽光を浴びる時間が極端に短く、大半の人が起床から就寝までを一般的なLED照明の下で生活しています。
この実験の後日談としてラミーゼ・アカセム教授がNew York Times紙で語っていたところによると、子供たちは疲れているはずなのに元気そうだったと語っています。さすがに15lxの明るさにすることは難しいと思いますが、夕食後からは間接照明で部屋を照らすようにすることをおすすめします。
明るい環境になると、メラトニン分泌は低下します。 出典:Melatonin – heathdirect
【症例3】24歳女性、季節性うつ病、睡眠相後退
秋田県で生まれ育つ。19歳頃より秋になると、特別な誘因もなく気分が滅入るようになった。秋、冬期の気分が滅入る時期には睡眠が長くなる傾向がみられ、朝なかなか覚醒できず、起床も昼近くになることが多く、会社を休むこともあった。何もやる気がせず、出勤してもぼんやりとして仕事をこなす速度が遅くなり、上司に注意されることもあった。23歳のころ、近医を受診し、抗うつ薬を処方されたが、効果はなかった。3月になるとうつ状態は自然に改善し、朝も早く目覚めるようになった。このような冬季の気分の低下と睡眠時間が長くなる傾向は毎年繰り返されるようになった。また、5~8月にはかなり気分が良く、睡眠時間も短い傾向がみられた。
24歳の頃、11月中旬、感情喪失感、焦燥感、離人感、脱力、疲労感、意欲減退などを主訴として、当院外来を受診した。昨年までの症状がさらに重症となり、会社を1週間ほど休んでいる状況であった。過食症状はみられなかった。入床時刻は23時ごろであるが、起床はほとんど正午近くになっていた。初診時でのハミルトンうつ病評価点は18点であった。1週間後より光療法を行ったところ、治療開始後3日目ごろより気分と意欲に明らかな改善がみられた。1週間後には起床時刻は7時となり、出勤も億劫ではなくなり、2週間後のハミルトン評価点は7点にまで低下していた。
このように季節性感情障害に対しても、光療法が有効であるという報告は多い。
前日までの入眠時刻でのメラトニン量は87.6%以下、1,000lxの光の照射が終わってから1時間経ってもメラトニン量は50%以下となっています。かなりの減少しているのが分かりますよね。
メラトニンの分泌は夜の暗さだけでなく、日中の明るさにも影響されます。 ..
実験対象は3~5歳の健康な子供が10名。試験期間は7日間で、その間、唾液から採取されたメラトニン値がこまめに測定されていました。最初の5日間はスケジュール管理された生活を送り(ならし期間)、6日目の午後から15lxしかない暗い部屋に入れられました。7日目もそのまま暗い部屋に入れられていましたが、各自、いつもの就寝時間の1時間前になったところで明るい光(1,000lx)を1時間当てられました。そして、その前後のメラトニン量を調べたところ、下記のようだったと報告されました。
また、夕暮れ迫るころにメラトニンが分泌され始め、人の脳は自然と休息モードへ移行します。
照度が上昇するにつれて位相変化量とメラトニン分泌抑制は共に増大する
日本の住宅照明は明る過ぎます。明かりを落とし生活してみてください。いつもより早い時間帯に眠気が催してくるはずです。
トトノエライトの明るさは最大20,000ルクスほどあり、これは朝日と同等の明るさです。
というのも、夜間に強い光を浴びると、脳内で合成されるはずのメラトニンが抑制されてしまうからです。日本の一般的な家庭の照度は300~500ルクスですが、この程度の明るさでもメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
(注5)金圭子、内山真、大川匡子:不眠治療法のトピック-メラトニン、ビタミンB12と高照度光療法-.
生まれたばかりの赤ちゃんは、「朝になったら起きて、夜になったら眠くなって眠る」という、「体内時計」のしくみがまだできあがっていません。
生まれた直後から朝になったら明るい環境で、昼間は活動的に、夜は静かに明るすぎない環境で過ごすという、「光環境」を意識した生活をすることによって体内時計の仕組みもだんだんと発達していきます。
光環境を意識した生活を心がけることにより、生後2~3カ月ごろになると、強い眠気を催すホルモン「メラトニン」を大人のように、夜になると分泌を高められるようになってきます。
生まれたばかりは、夜中の授乳やおむつ替えも頻繁で、親も寝不足になりがちですね。家族に協力してもらうなどして、朝起きられなかったらカーテンを開けてもらう、電気をつけてもらうなどして、明るい環境づくりを心がけましょう。
小学校低学年までは、夜間の睡眠として10時間は必要とされています。夜は暗くした環境で、遅くとも午後9時には寝て(乳幼児はできたら8時まで)、朝は7時までに起きるとおよそ10時間の睡眠がとれ、「メラトニン」の分泌も抑制されません。
この「メラトニン」は、1~5歳の間に大人の約20倍分泌が高まります。メラトニンは、性の成長にもかかわっている大切なホルモンです。赤ちゃんの頃から光環境を意識した生活を心がけて、健やかな体作りができるといいですね。
[PDF] 睡眠前の照明環境が睡眠時の体温とエネルギー代謝に影響を及ぼす
満足感の高い睡眠をとるためには、光と睡眠の関係を知ることが大切です。また、自分が心地良い空間とはどんなものか、自分自身について理解を深めることも快眠を得るポイントといえます。真っ暗なほうが寝やすいのか、少しは明るいほうが良いのかと、いろいろと試してみたり、ここで紹介した寝つきを良くする習慣も取り入れてみたりしてみてください。
明るいとホルモンの分泌が抑えられて健康に影響が出ることもありえる
光療法あるいは光パルス療法とよばれるうつ病の治療法は、早朝二時間か三時間、1500ルクス~5000ルクスまでのかなり明るい白色光を照射する方法である。何本もの蛍光灯の前で安静にしているのである。病院によっては、その間本を読ませているところもある。こうすると、ずれていた覚醒・睡眠のリズムの位相がしだいに前進して、症状が改善するという。
明るい寝室で眠ると太りやすい⁉光と健康の関係 | サワイ健康推進課
浴室の明るさの調整が難しい場合は、照明は消してバスライトを使ってみてはいかがでしょう。バスライトには置くタイプや浴槽に沈めるタイプなどがあります。カタチや光の色なども様々なので、好みのライトを探す楽しみもあります。
メラトニンが減るのを防ぐことができます。 手軽にできる方法は、入浴中の ..
お風呂に入ったら寝る、というルーティンの方もいるでしょう。その場合、お風呂場の明るさを抑えておくと眠りにつきやすくなります。浴室の明るさは100ルクスほどなので、半分程度まで下げるのがおすすめです。
睡眠中の明かりが近視を誘発 | ひきち眼科 | 北海道札幌駅徒歩3分
また、メラトニンの原料になるのが先程説明したセロトニン。そのため、朝の太陽光をしっかり浴びておかなければ、十分な量のメラトニンが分泌されないのです。
セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料。 ..
飲み物を飲む、ストレッチをするなど、寝入りを良くする習慣をつけます。飲み物はお水やホットミルク、生姜湯などがおすすめです。水に含まれるミネラルには鎮静作用があるとされ、コップ一杯のお水を飲むだけでも身体がリラックスするといわれています。ホットミルクにはたんぱく質が含まれていることから、メラトニンの材料となるトリプトファンが摂取できます。ただし、つくられたメラトニンは体内に残しておけないので日常的にたんぱく質をとることが大切です。生姜には身体を温める効果があるので、冷えが気になる場合に生姜湯を飲むと良いでしょう。
生活空間の光環境を大まかに照度と相関色温度の 2 軸で生活適合性を昼夜で評価
朝の太陽光を浴びて約14~16時間が経過すると、脳の松果体と呼ばれる部分から体内時計の中枢がある視交叉上核にメラトニンが分泌されます。
が、ある一定の照度に達すると反応は一定となる。 Zeitzer JM et al (2000) J Physiol
逆に天井の照明など高い位置の照明は、仰向けに寝た赤ちゃんには直接光が目に入り、入ってくる光の量は多くなります。
が、実は眠りを司るホルモンにメラトニンがあります。それは目から入る光に反応します。例えば夜の就寝前は、メラトニン ..
高齢者は、加齢により生体リズムに障害を来たす。主な原因として、同調因子の変化があげられる。多くの高齢者は社会の第一線からは引退した状態であるため、外出の必要性が減り、光を浴びる機会も少なくなる(光同調因子の減弱)。対人交流も限られるので、日中の活動性が低下することで運動量も減少し、社会同調因子の低下が著しく、メリハリのない1日を過ごすことになる。さらに白内障や網膜・視神経も衰えてくるため、視覚機能が低下することも生体リズム障害の一因になると考えられる。視覚だけでなく、多くの感覚機能が低下していくために、同調因子が入ってきてもうまく受け取れないことも考えられる。
図8は健康な高齢者、不眠の高齢者、光照射を行った後の高齢者のメラトニン血中濃度を比べた図である。不眠で悩む高齢者が一番低いが、光療法を行った後は、健康な高齢者よりも高くなった。また、別のデータで、健康な高齢者と認知症の高齢者のメラトニンの血中濃度を調べた研究結果(Mishima,1999)があり、これによると図8と同様、健康な高齢者はメラトニンのピークが午前0時に来るが、認知症の高齢者ではメラトニンの分泌リズムに振幅の幅があまりなく、どこがピークなのか定かではない。これは、メラトニンの分泌機能の低下というよりも受光量が減少していることがメラトニンの分泌低下の原因となり、高齢者の不眠を引き起こしている可能性を示唆するものである。したがって、高齢者の不眠対策としては、いきなり睡眠薬を投与するのではなく、生活習慣を見直し、光を浴びることから始めるのが望ましいといえる。
分泌を促すようにしましょう。 みはし・みほ 快眠セラピスト・睡眠
就寝中の光については、暗ければ暗いほど良いといえます。アイマスクを付けて光が目に入らないようにするのも一考です。しかし、寝室を真っ暗にすると、特に高齢者はトイレに起きたときの転倒リスクなどが懸念されます。間接照明を使うなど、危険ではない程度に暗くしましょう。また、寝室に遮光カーテンなどを使用して、光が外から入ってこない環境を作ることが勧められます。「朝日を浴びて目覚めると良い」といった話も聞かれますが、平城京スタディでは、目が覚める前に寝室に光が入ってくることで睡眠が中断してしまい、睡眠障害が増加するという結果が出ています※12。夜型の生活を送っている人ほど、十分な睡眠を取れないまま朝日を浴びてしまう可能性がありますので、寝室には光が入らないようにして、起きてから太陽の光を浴びるようにするほうが良いでしょう。
◯オフィス勤務よりも在宅勤務の方が昼間に浴びている光が弱く(照度が低く)、
夜間は早めに部屋の照明を落としましょう。照度の低い黄色い照明はメラトニンの分泌を妨げにくいこともわかっています(※27)。