メラトニンは脳から分泌されるホルモンで、主に睡眠・覚醒のリズムを司っています。


メラトニンは網膜で暗闇が知覚されることに反応して産生されることから、“暗闇のホルモン”と呼ばれることもあり、紫外線によって皮膚で産生されることから“太陽のビタミン”と呼ばれるビタミンDとしばしば対比される。両者はともに、全身に分布し広範な機能に影響を及ぼすことが明らかになってきている。


図:メラトニンの分泌リズム…夜にたくさん出て、昼にはほとんど出ません

「Is Melatonin the "Next Vitamin D"?(メラトニンは次のビタミンD?)」というタイトルのレビュー論文が発表された。ビタミンDは、当初は骨代謝との関連で注目され骨粗鬆治療薬としても用いられるようになったが、免疫機能を高めたり抗炎症作用など多彩な作用を有することが明らかになり、現在でも新たな知見がしばしば報告されている。睡眠関連ホルモンとして研究されてきたメラトニンも、そのような展開をみせるのだろうか。米国とオーストラリアの研究者による報告の一部を紹介する。4万字以上の長文の論文中では、アスリートでのメラトニン使用のメリットについても触れられている。

一方で、メラトニンには上記の2番めの効果として、体内時計をずらす作用もあります。例えば、夕方4時5時ころに少量(0.5mgから1mg)を服用すると、服用直後に眠気が出るのではなく、通常の眠くなる時間が早くなるという効果を用います。これによって、寝付きの悪い人の寝付きが良くなるということもあります。(寝付きの悪さは、必ずしも睡眠時間帯だけの問題ではありませんので、必ず効果があるわけでもありません。)このような利用法は、体質的には夜型人間だが、早く床に入る習慣がある人などには、より効果が高いと思います。(関連項目: 朝型夜型質問紙とは?)また、この効果をつかって、時差ボケ(ジェットラグ症候群)を軽減させることも行われています。

※以下では「メラトベル」として、メラトニンの効果や副作用をお伝えしていきます。

メラトニンは主として松果体と腸管で産生され、その産生量は幼児期から思春期にかけて増加し、その後は加齢とともに減少する。ビタミンDとの共通点として、季節変動の影響を受けること、栄養状態や加齢の影響で機能不全のリスクが生じること、ライフスタイルの影響も受けること、血液脳関門を通過することなどが挙げられる。


① メラトニンの分泌とADHDの診断には遺伝的な相関が見られる
メラトニン分泌とADHDの診断には遺伝的な相関が見られました。つまり、メラトニン分泌が少なくなる遺伝子の変化と、ADHDの発症リスクを高める遺伝子の変化は共通している部分が多いという結果が得られました。

睡眠薬は『作用』から2つに分類、更に『構造』から5つに分かれます。

前述しましたようにメラトニンは、日本では販売されていません。しかし、日本で認可されていない医薬品でも、医師が厚生局を通じて厚生労働省から薬監証明を取得して合法的に輸入し、日本国内で処方薬として治療に使うことが可能は制度があります(文献4)。メラトニンはアメリカではサプリメントとして使われていますが、日本では神経ホルモン剤として医薬品の扱いになります。

メラトニンは、睡眠を促し、概日リズムを整える内因性ホルモン、主に脳の松果体で生成される。このホルモンは体内の様々な組織に存在し、抗酸化や抗炎症、免疫調節といった機能も果たしている。また、メラトニンは肝臓で合成・代謝され、細胞保護やがん予防の効果があることも示唆されている。

メラトニンは、睡眠に対する影響以外にも、多くの機能があります。

一方、個人で輸入することは可能です。Googleサーチで、メラトニンを探せば、多くのサイトが現れます。冒頭の写真も、私が個人としてというサイトから購入したものです。

米国でメラトニンはサプリメントとして流通しており、その流通量は年々上昇していて、ことに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック以降、免疫や睡眠への影響が注目されて売り上げが拡大した。2020年には8億2,100万ドル販売され、これは2017年のほぼ倍にあたる。


安眠に必要なものといえば、皆さんもご存知の睡眠ホルモン「メラトニン」です。

このように書かれていますが、主には上記の「睡眠の質を向上させる。寝付きをよくし、中途覚醒を減らし、長く眠れるようになる。」という効果を期待して、服用するように示されています。

メラトニンは睡眠や免疫力の活性化など多くの調節に関係しています。

② メラトニン分泌が低くなる体質の方ではADHD症状が強い
次に、台湾バイオバンクのデータを使って算出したメラトニン分泌に関連するポリジェニックスコアが低いと、HBC studyに参加したお子さんのADHD症状が強いことが分かりました。

メラトニンと光は密接に関係していて、2つの大きな影響があります。

不妊症に効果があると知られているサプリメント、メラトニンとレスベラトロールについて、その効果と当院の実際のデータをご紹介します。

服用後4~5時間は車の運転や機械の操作などはしないでください。

メラトニンは体外から摂取することも可能で、医療用途では主に睡眠の調整に利用されているが、肝がんなど他の疾患への臨床応用まで期待されている。さらに、メラトニンは野菜や植物の種子、卵などの食品にも含まれているが、これらの含有量は医薬品やサプリメントと比較すると非常に少ない。それでも、こうした食品を摂取することで血中メラトニン濃度が上昇することが報告されている【2,3】。過去の研究では、食事からのメラトニン摂取が多いほど死亡リスクが低下することが示されているが【4】、メラトニン摂取とがんの発症に関する研究はまだ十分ではなかった。

私はメラトニンを摂取し始めてから、昼間の眠気が断然減っています。

そんな生活改善で、自前のメラトニン分泌の低下をできるかぎり緩やかにすることを目指していきましょう。

この7件の研究の中にメラトニンの増量について調べた論文がありましたので

概日リズムはおもに光への曝露、とくに起床時の曝露によって同調する。メラトニンは、それを摂取するタイミング次第で概日リズムを前進させたり後退させ得る。これを利用し、交替勤務や時差ぼけなどの状態の治療に用いられる。交替勤務、とくに夜間に光にさらされる夜勤は、がんや心血管疾患、消化器疾患のリスク増大と関連があることが知られている。そのようなケースで睡眠を改善するための対策として、メラトニンの有用性を示すデータがある。

メラトニンとセロトニンは大きな関係があることが分かってきています

Melatonin Natural Health Products and Supplements: Presence of Serotonin and Significant Variability of Melatonin Content
メラトニン自然健康プロダクトとサプリメント:セロトニンの混入とメラトニン含有量の非常に大きな変動
Lauren A.E. Erland, MSc, Praveen K. Saxena, PhD

単純に服用量を減らすのが良いかと思われます (患者会医師より)

網膜が光の受容体として機能しているにもかかわらず、眼障害に対するメラトニンの利用については研究が進んでいないが、視神経炎やぶどう膜炎などの炎症に対して関心が寄せられている。メラトニンによる緑内障治療の可能性を指摘する研究もある。また、加齢黄斑変性も理論的にはメラトニン投与の恩恵を受ける可能性のある疾患として挙げられる。

最近熟睡できない…。睡眠ホルモン「メラトニン」が与える影響

今回の研究の結果からは、夜間のメラトニンの分泌が多いか、少ないかは体質的なものであるが、それがADHDの診断や症状の強さと関連している可能性が高い、と言えます。メラトニンの分泌が少ないことがADHDの原因なのか、ADHDだからメラトニンの分泌が少なくなるのか、といった因果関係までは言及できないものの、メラトニン分泌とADHDには関連があるために、ADHD症状をもつ方、とりわけ確定診断をもつ方では睡眠覚醒リズムの乱れが起きやすいと考えられます。

生理的なメラトニンは、10歳ころをピークに、どんどん下がっていきます。

メラトニンの分泌量に関連する遺伝子の変化とADHD症状との関連を検討
本研究は、2つの部分から構成されています。①台湾バイオバンクの遺伝子解析データと世界的な精神疾患の共同研究グループであるPsychiatric Genomics Consortiumの遺伝子解析データを用いて、メラトニン分泌とADHD診断に遺伝的な相関があるかを検討しました。②浜松医科大学で行われている「浜松母と子の出生コホート研究(HBC Study)」に参加するお子さんのうち、遺伝子解析に同意した876名のDNAを解析し、約650万箇所の遺伝子の変化を測定しました。また、このお子さんたちの8~9歳におけるADHD症状の程度を調べました。ついで、①の成果をふまえて、すべてのお子さんのメラトニン分泌に関連する遺伝子の変化の数と効果の大きさを数値化した「ポリジェニックリスクスコア」を計算し、ポリジェニックスコアとADHD症状の関連を検討しました。

メラトニンによって悪夢が明らかに増えることはないと考えられます。

メラトニンは、が認められたお薬になりますので、一般の睡眠薬としては処方することができません。

このためCYP1A2の働きに関係するお薬には、併用に注意が必要です。

メラトニンの作用で有名なのは、良質な睡眠に関係するということではないでしょうか。

喫煙者を1週間禁煙させてメラトニン25mg服用すると、という報告があります。

この研究結果は、「ADHDの方では生活習慣の影響だけでなく、元々体質的に睡眠覚醒リズムが乱れやすい」ということが遺伝子解析を用いて確認できたということを示しており、当事者の方や周囲の方は、ADHDの方ではADHDでない方よりも睡眠覚醒リズムが乱れないような工夫(朝に光を浴びる、夜間のスクリーンタイムを減らす、適切にメラトニンを摂取するなど)を行うことが重要であることを示唆しています。今後、この結果が、ほかの年齢層の子どもや成人においても再現されることを期待します。

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メラトニン摂取がアルツハイマー病患者の睡眠と神経伝達を改善することが報告されている。メカニズムとしては、アミロイドβから神経細胞を保護することで疾患の進行を抑制する可能性がある。軽度認知機能障害のある高齢者対象の小規模な研究では、以前に学んだことを思い出す能力が向上し、うつ病が減少した。現在、認知症の治療薬としてのメラトニンの可能性も研究されている。

メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからセロトニンをへて作られます。

それを防止し、不妊治療の成績を改善させる対策の1つにメラトニンのサプリがあります。