ジェネリック医薬品は全てのSGLT2阻害薬で発売されていません。
SGLT2阻害薬の解説 - 作用機序、副作用、薬の一覧、心不全・腎保護・体重減少などの多面的効果まで
ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。
これまで日本人の2型糖尿病では、早くからインスリン分泌能が低下してしまう痩せた患者が多かったのですが、最近では高脂肪食や運動不足を背景にインスリン抵抗性が前面に出た、肥満した患者が増加してきました。肥満を伴う患者の体重をいかに管理するかという問題が指摘されているなか、尿糖の再吸収を抑制し、余剰な糖を尿中に排出させて血糖降下作用を発揮するという、インスリンに依存しない新しい作用機序を持つSGLT2阻害薬が登場しました。
フォシーガに限らずSGLT-2阻害薬の作用とは尿細管におけるブドウ糖の再吸収を抑える事で、尿中にブドウ糖を強制的に排泄させるようにする薬剤です。
SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。
Sodium/glucose cotransporter (SGLT)とは「ナトリウム・グルコース共役輸送体」と呼ばれるタンパク質です。SGLTは、体内でブドウ糖やナトリウムといった栄養分を細胞内に取り込む役割を担っています。SGLTのうちのSGLT-2は近位尿細管に存在し、この働きによって尿中グルコースのほとんどが再吸収され、通常尿糖は排泄されません。SGLT-2阻害薬は近位尿細管に発現するSGLT-2の働きを阻害することにより、ブドウ糖の再吸収抑制により尿糖排泄を促進し、血糖低下作用を発揮します。
フォシーガは、左室駆出率が低下した心不全(HErEF)の患者を対象に行ったP3試験「DAPA-HF試験」で、標準治療への上乗せで主要複合エンドポイント(心不全の悪化/心血管死)をプラセボに比べて26%低下。慢性腎臓病患者を対象とした同「DAPA-CKD」でも、主要複合エンドポイント(腎機能の悪化/心血管死または腎不全による死亡)を39%抑制しました。いずれも、2型糖尿病の有無に関わらず有効性が示されており、「心・腎保護薬」としての期待が高まっています。
SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。
SGLT2阻害薬は、血糖降下作用だけでなく、体重減少作用、心疾患リスク低減、腎保護作用などさまざまな利点をもつ薬です。
血糖降下作用は、尿糖が増える事により生じるため、インスリン作用を介しません。
そのため、SGLT2阻害薬は、1型糖尿病患者にも効果が望めます。
1型糖尿病の人に投与した場合のネックとなるのが、その臨床効果と副作用のバランスです。
臨床効果は、血糖降下作用の他に、基礎インスリンの減量を主とする総インスリン量の減少、体重減少が報告されています。
現時点では、1型糖尿病の糖尿病性腎症からの保護作用などの副次的効果は明らかになっていません。
副作用としては、低血糖とケトアシドーシスが懸念されており、一部のSGLT2阻害薬では、重症低血糖・ケトアシドーシスの増加により、開発が見送られています。
今回は通院患者さんの背景疾患として増えてきました糖尿病のお薬の中で、特に心臓・腎臓の両者を守る効果も兼ね備えたSGLT2阻害薬についてのお話をしたいと思います。
そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。
国内の患者数は、慢性心不全が130万人、慢性腎臓病が1330万人と推定されています。両疾患への適応拡大によって、SGLT2阻害薬の市場も大きく拡大しそうです。
SGLT2阻害薬は、日本では2014年から使われている比較的新しい薬です。
尿中に糖分(グルコース)が漏れる事により、血糖降下作用を発現します。
血糖の改善だけでなく、体重減少、血圧低下、糖尿病性腎症の保護作用、心血管疾患・心不全リスクの低減作用など、さまざまな多面的効果が報告されています。
副作用としては、性器感染・尿路感染が多く、女性では特に注意が必要です。
肥満を伴う糖尿病患者や心血管疾患・糖尿病性腎症をもつ糖尿病患者さんが良い適応です。
[PDF] SGLT2 阻害薬含有製剤の「使用上の注意」の改訂について
SGLT2阻害薬は、腎臓で原尿からのグルコースの再吸収を担っているSGLT2の活性を阻害し、尿糖排泄を促進させ血糖を下げる薬剤です。また、エネルギー源であるグルコースを尿糖として排泄しエネルギーバランスが負になるため、脂肪の分解が亢進することで体重減少効果があります。
[PDF] 糖尿病治療薬の比較・切り替えについて 注射薬(付表 ..
対象患者の使用薬剤の割合は、フォシーガ使用が75%、エンパグリフロジンが9%、イプラグリフロジンが8%(韓国および日本のみでの処方)、カナグリフロジンが4%、トホグリフロジンが3%、ルセオグリフロジンが1%(両剤ともに日本のみでの処方)。
心不全患者において、SGLT2 阻害薬(ダパグリフロジンとエンパグリフロジン)は 2 型
現在、日本国内で1型糖尿病患者さんに対して適応のあるSGLT2阻害薬は、次の二つです。
糖尿病の薬なのに腎臓を守る?SGLT2阻害薬の腎保護作用について
日本では下記のSGLT-2阻害薬が保険承認され処方可能となっております。
SGLT-2阻害薬はいずれも基本は糖尿病の治療薬です。
[PDF] SGLT2 阻害薬投与前後の血糖ならびに 尿量変化について
2.発表のポイント:
◆SGLT2阻害薬(注1)は、近年の研究から腎保護効果を有することが示されていますが、薬剤間で腎保護作用を比較した研究は少
なく、効果の差の有無は明らかではありません。
◆本研究では日本人のリアルワールドデータ(注2)分析を行い、糖尿病に対して処方されたSGLT2阻害薬間で、腎機能の経時的な
変化量に有意差がないことを新たに報告しました。
◆その結果、SGLT2阻害薬の腎保護作用はクラスエフェクト(注3)であることが示唆されました。
フォシーガ,カナグルを中心としたSGLT2阻害薬の有効性の検討
※ 上記 4つのお薬は、”fantastic four”とも呼ばれ、SGLT2阻害薬・ARNI(エンレスト)・β blocker・ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬がそれに相当します。
タを用いた検討がなされ、エンパグリフロジン、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、その他の SGLT2 阻害
慢性心不全では昨年11月、フォシーガがこのクラスの薬剤として初めて承認を取得し、ジャディアンスも適応拡大を申請。慢性腎臓病では、フォシーガが昨年12月に申請を済ませ、ジャディアンスも臨床第3相(P3)試験を行っています。カナグルは糖尿病性腎症を対象にP3試験を実施中です。
[PDF] 糖尿病用薬(ビグアナイド製剤,SGLT2阻害薬)の術前休薬期間
ブドウ糖は、腎糸球体で原尿として180g/日 前後が出てくると、近位尿細管のS1,2 SegmentでSGLT2より160gが、S3SegmentではSGLT1より20gが吸収され、正常では尿中には出ません。しかし、高血糖の状態では、糖の再吸収能力を超え、尿糖が出現します。私たちは尿糖が出ると、どうにかして尿糖が出ないよう、インスリン製剤やDPP4阻害剤、その他多くの薬を使用し、αグルコシターゼ阻害薬のように便から糖を出してしまうことまでは考えつきますが、尿から糖を逆に出して、糖尿を治してしまおうという発想には、大変驚いた記憶があります。SGLT2は、糖を尿として多く出してしまうため、浸透圧利尿での脱水、老人ではそれに伴う脳梗塞、心筋梗塞などが出やすく、70歳以上の高齢者では原則適応外など、使用が難しい印象がありました。
SGLT2阻害剤、他の糖尿病治療薬と比較して全死亡率を49%減少
今回、Leiter教授より、カナグリフロジン(カナグル)、ダパグリフロジン(フォシーガ)、エンパグリフロジン(ジャディアンス)3種の差異についての講演で、現在の試験データを元に以下のような説明がありありました。
糖尿病の有無に関係なく慢性腎不全に対して、最初にフォシーガ ..
アストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ」が、慢性腎臓病(CKD)の適応を持つ薬剤として国内初の承認を取得しました。CKDでは、ほかにも2つのSGLT2阻害薬が最終治験を行っているほか、MR拮抗薬やNrf2活性化薬なども開発の後期段階に控えています。国内には約1300万人のCKD患者がいるとされ、治療の進展に期待がかかります。
上の図は 2019 年に発表された SGLT2 阻害薬カナグリフロジンの腎障害予防効果を確認したもの
海外の1型糖尿病に対して、SGLT2阻害薬を投与した臨床試験では、次の効果が示されています。
[PDF] 糖尿病内服薬(SGLT2阻害薬)についてまとめました。
SGLT2(エスジーエルティー・ツー)阻害薬は糖尿病の治療ガイドラインで定められている治療薬のひとつで、膵臓ではなく腎臓に作用することで血糖値を改善する働きがあります。
[PDF] 2 型糖尿病患者における SGLT2 阻害薬の血糖推移と尿量に関する検討
今回の新しい分析結果「CVD-REAL 2」は、世界6か国(オーストラリア、カナダ、イスラエル、日本、シンガポール、韓国)の40万例超の2型糖尿病患者を対象とし、うち74%の患者には心血管疾患の既往歴がなかった。この2型糖尿病患者集団全体において、SGLT2阻害剤であるフォシーガ(ダパグリフロジン)、、、カナグリフロジン、トホグリフロジンおよびルセオグリフロジンによる治療は、他の2型糖尿病治療薬による治療と比較して、全死亡率を49%、心不全による入院率を36%、心筋梗塞の発症率を19%、脳卒中の発症率を32%(全てp≤0.001)減少。また、心不全による入院あるいは全死亡の複合評価項目の減少率は40%(p
また,フォシーガとジャディアンスは慢性心不全,フォシーガ ..
新作用機序の2型糖尿病治療薬、SGLT2阻害薬服用後の重大な脱水症状が相次いで報告されたことを受け、厚生労働省は9日、同剤を販売する製薬企業に対し、添付文書の「重大な副作用」に「脱水」を追記し、医療関係者に注意喚起するよう要請した。
追記されるのは、スーグラ(一般名=イプラグリフロジンL-プロリン)、ジャディアンス(エンパグリフロジン)、カナグル(カナグリフロジン水和物)、フォシーガ(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)、ルセフィ(ルセオグリフロジン水和物)の5剤。
「慎重投与」の対象に「脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)」を追記。「重大な副作用」の項では、(1)適度な水分補給を行うよう指導し十分観察する、(2)口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状が出て脱水が疑われる場合には休薬や補液等の適切な処置を行う─とした上で、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等への注意も呼びかけることとした。
1位はダパグリフロジン、2位はエンパグリフロジン、3位はイプラグリフロジン
昨年、SGLT2阻害薬として初めて慢性心不全での承認を取得し、慢性腎臓病への適応拡大を申請した「フォシーガ」。同薬を開発したアストラゼネカの緒方史子氏(執行役員 循環器・腎・代謝/消化器事業本部長)と矢島利高氏(メディカル本部 循環器・腎・代謝/消化器疾患領域統括部 統括部長)に、その意義や心・腎領域の事業戦略について聞きました。