◎ 肺炎球菌性肺炎 ◎ 歯科治療時のレンサ球菌による感染性心内膜炎予防 ○ 梅毒


肺炎球菌とヒブは、子どもの重症細菌感染症の原因の大半を占める菌です。私が20年前に小児科医になった時は、救急外来で、年に数人は、肺炎球菌やヒブの髄膜炎にかかる子どもに出会いました。昼夜を問わず大急ぎで入院治療にとりかかったものです。現在は全ての赤ちゃんが予防接種を受けるようになったので、子どもの髄膜炎をみる機会は少なくなりました。ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンは、多くの子どもの命を救った、小児医療の世界を変えたワクチンといってよいでしょう。


中等症又は重症の場合 アモキシシリン(AMPC)高用量内服 5~7 日間 ..

肺炎球菌は髄膜炎,敗血症・菌血症などの侵襲性感染症,および副鼻腔炎,中耳炎,肺炎などの気道感染症の原因となる細菌である。市中における気道感染症の原因微生物はほかにもあるが,細菌感染の関与を疑った場合には,肺炎球菌の関与を想定した治療が必要である。髄膜炎の場合,ペニシリンに対する感受性の判定は,最小発育阻止濃度のカットオフ値が異なることに注意が必要である。

肺炎球菌は97種類の型があります。従来、定期接種で使用されている肺炎球菌ワクチンは、そのうちの13種類に対応している13価ワクチン(商品名:プレベナー13)でした。しかし、ワクチンに含まれていない型の肺炎球菌への感染が増えており、引き続き新しいワクチンの開発が進められています。2024年4月からは15価ワクチン(商品名:バクニュバンス)、さらに10月から20価ワクチン(商品名:プレベナー20)が乳児の定期接種に使用できるようになりました。

わが国からの3編の RCT による SR では,「肺炎」と「肺炎球菌性肺炎」

肺炎球菌は、子どもの鼻やのどに住み着きます。保育園で集団生活を送っている乳児だと、2~6割くらいの頻度で、鼻やのどから肺炎球菌が検出されます。住み着いているだけなら、特に害はありません。しかし、いわゆる「風邪をこじらせた」状態となり、肺炎球菌による中耳炎、副鼻腔炎、肺炎などを起こすようになります。特に怖いのは、です。肺炎球菌が血液に入り込んで菌血症となり、血流に乗って全身に広がって敗血症となります。さらに、髄膜炎(脳への感染)、骨髄炎、心内膜炎などになると、後遺症が残ることもあります。

肺炎球菌による肺炎の治療は,ペニシリン系抗菌薬による治療が基本である。通常は抗菌薬治療後24~48時間以内に治療反応が得られる。なお,治療の際は,他の細菌の関与に注意が必要である。また,小児ではオゼックス®(トスフロキサシン)以外のニューキノロン系抗菌薬は禁忌となっている。

・中耳炎 :肺炎球菌、インフルエンザ菌が主な原因。第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン

乳児の定期予防接種として肺炎球菌ワクチンが導入される以前は、3歳未満の子どもの菌血症の8割以上が肺炎球菌によるものでした。

肺炎球菌ワクチンは乳児の定期接種となっています。現在は、生後2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月で合計3回の接種を行い、さらに1歳時に追加接種を行うことになっています。

肺炎球菌を除く菌種に対しても、500mg 1 ⽇ 1 回投与は、100mg 1 ⽇ 3 回投与.

【11.1.1】ショック,アナフィラキシー(各0.1%未満)〔呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等が発現。不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗等が現れた場合には投与中止。[2.1,8.2,9.1.1参照]〕【11.1.2】アレルギー反応に伴う急性冠症候群〔[2.1,8.2,9.1.1参照]〕【11.1.3】薬剤により誘発される胃腸炎症候群〔投与から数時間以内の反復性嘔吐を主症状とし,下痢,嗜眠,顔面蒼白,低血圧,腹痛,好中球増加等を伴う,食物蛋白誘発性胃腸炎に類似したアレルギー性の胃腸炎(Drug-induced enterocolitis syndrome)が発現。主に小児で報告。[2.1,8.2,9.1.1参照]〕【11.1.4】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(各0.1%未満),多形紅斑,急性汎発性発疹性膿疱症,紅皮症(剥脱性皮膚炎)〔発熱,頭痛,関節痛,皮膚や粘膜の紅斑・水疱,膿疱,皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与中止〕【11.1.5】顆粒球減少(0.1%未満),血小板減少〔[8.3参照]〕【11.1.6】肝障害〔黄疸(0.1%未満),AST,ALTの上昇(各0.1%未満)等が発現。[8.4参照]〕【11.1.7】腎障害(0.1%未満)〔急性腎障害等の重篤な腎障害が発現。[8.5参照]〕【11.1.8】大腸炎(0.1%未満)〔偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎が発現。腹痛,頻回の下痢が現れた場合には直ちに投与中止〕【11.1.9】間質性肺炎,好酸球性肺炎〔咳嗽,呼吸困難,発熱等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT等の検査を実施。間質性肺炎,好酸球性肺炎が疑われた場合には投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.10】無菌性髄膜炎〔項部硬直,発熱,頭痛,悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎が発現〕

肺炎球菌ワクチンは、日本では2010年に7価ワクチンが導入され(海外では2000年から使用可能だった)、2013年から13価ワクチンに切り替わりました。その後、2024年4月からは15価ワクチンが導入され、2024年10月からは20価ワクチンも使用されています。


・ 肺炎球菌は頻度、重症度とも最も高い。本邦ではペニシリンの感受性が

A:23価肺炎球菌ワクチン(商品名:ニューモバックス)は、高齢者の定期接種に用いられています。乳児に接種することはできません。
肺炎球菌は、高齢者の肺炎の主要な原因となっており、乳児だけでなく、高齢者にとっても危険です。65歳になった高齢者を対象に定期接種として23価肺炎球菌ワクチンを1回接種することになっています。その後も5年ごとに接種することが推奨されます(ただし全額自費になります)。15価/20価肺炎球菌ワクチンは、T細胞を活性化して強力な免疫を付けます。しかし、のです。したがってであり、また高齢者に対しても5年ごとの接種が必要なのです。

パセトシン(アモキシシリン)1回500mgを1日3回内服 5-7日間 ..

A:肺炎や中耳炎は抗菌薬の内服で治療できます。これに対して、抗菌薬は中枢神経には行き渡りにくいため、髄膜炎の場合は抗菌薬を注射する必要があります。
子どもの気管支炎、肺炎や中耳炎の大半はウイルス性です。風邪症状の子どもに、闇雲に抗菌薬を投与することはつつしまなくてはなりません。日本では、マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシンやアジスロマイシン)が多用されているため、肺炎球菌の多くでマクロライド系抗菌薬が効かなくなってしまいました。肺炎のうち、原因が肺炎球菌なのは5%未満に過ぎません。中耳炎の場合は報告にもよりますが3~6割が肺炎球菌によるものです。経過をみながら、抗菌薬が必要かを判断します。

・肺炎球菌性肺炎: ペニシリン系抗生物質が有効ですが、耐性菌も増えてきてい ..

A:肺炎球菌は、莢膜多糖体という厚い膜に覆われています。このような細菌を除去するには、脾臓で作られるIgM抗体が不可欠です。そのため、先天的に脾臓がない無脾症のお子さんは、肺炎球菌に感染すると重症化しやすいのです。無脾症のお子さんも、生後2ヶ月から、15価肺炎球菌ワクチンの定期接種をきちんと受けましょう。2歳になったら、23価肺炎球菌ワクチンも接種することで、さらに多くの型の肺炎球菌から子どもを守ることができます。
莢膜多糖体に覆われた細菌には、肺炎球菌のほかにも、髄膜炎菌やヒブがあります。これらの細菌感染も、無脾症の患者さんにとっては極めて重症化しやすいです。幸い、肺炎球菌とヒブに対するワクチンは、赤ちゃんの定期接種の対象になっています。無脾症の患者さんは、2歳を過ぎたら、髄膜炎菌ワクチン(商品名:メンクアッドフィ)も接種しましょう。

胞内寄生菌、肺炎球菌や黄色ブドウ球菌といったグラム陽性球菌、またモキシフロキ ..

〔ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症〕成人1回250mg,1日3~4回経口投与。小児1日20~40mg/kg,3~4回分割経口投与。小児は1日最大90mg/kgまで。年齢・症状により適宜増減。〔ヘリコバクター・ピロリ感染症〕アモキシシリン水和物,クラリスロマイシン,ランソプラゾール併用1回750mg,クラリスロマイシン1回200mg,ランソプラゾール1回30mgの3剤を同時に1日2回,7日間経口投与。アモキシシリン水和物,クラリスロマイシン,ラベプラゾールナトリウム併用1回750mg,クラリスロマイシン1回200mg,ラベプラゾールナトリウム1回10mgの3剤を同時に1日2回,7日間経口投与。以上,クラリスロマイシンは必要により適宜増量可。ただし1回400mg,1日2回まで。

①アモキシシリン(AMPC)の肺炎球菌に対するブレイクポイント

オーグメンチン(otassium Clavulanate Amoxicillin Hydrate)は、このアモキシシリン水和物にクラブラン酸カリウムを組み合わせた合剤となっています。

細菌性ならば肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラカタラーシスがほとんど。) サワシリン錠250㎎

オーグメンチンの有効成分は、アモキシシリン水和物とクラブラン酸カリウムという2つの成分から構成されており、それぞれが異なる役割を果たしています。

ベンジルペニシリンに感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、梅毒トレポネーマ

肺炎球菌をPCGで治療する場合、髄膜炎と非髄膜炎で感受性の基準値であるブレイクポイント※5が変わります。非髄膜炎の場合、MIC 2μg/mL以下でPCG感受性と判定されるため、ペニシリン耐性の肺炎球菌は極めて稀です。一方髄膜炎の場合、MIC 0.06μg/mL以下でPCG感受性と判定され、0.12μg/mL以上は耐性※6と判定されるため、PCG耐性とされる肺炎球菌(PRSP)が多いです。

[PDF] ペニシリン耐性肺炎球菌感染症に対する実地医療の現状

そのため、例えば肺炎球菌による肺炎であれば初期治療でPCGを選択できますが、髄膜炎であれば肺炎球菌の感受性がわかるまでPCGを初期治療薬として選択できない点は注意しましょう。

・グラム染色や肺炎球菌尿中抗原検査の結果、肺炎球菌性肺炎を強く疑う場合には、ペニシリン G を第 1推奨薬とする。

例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。

[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更

老人や幼児には肺炎球菌感染症のワクチンを定期的に接種しますが、それ以外にも感染の危険性が高いすべての人にワクチン接種が推奨されます。

アモキシシリン水和物として、通常成人1回 250mg(力価)を

一方、クラブラン酸カリウムは、それ自体に抗菌作用はありませんが、βラクタマーゼ阻害剤として機能し、アモキシシリンの効果を高める役割を担っており、両者の組み合わせが相乗効果を生み出しています。

アモキシシリン水和物(アモリン・サワシリン) – 呼吸器治療薬

この作用により細菌は正常な細胞分裂ができなくなり、やがて溶菌して死滅するため、アモキシシリン水和物は広範囲の細菌に対して効果的な殺菌作用を示すことができます。