○憩室炎などの腹腔内感染症(グラム陰性菌+嫌気性菌をターゲット)


ここまで、フルオロキノロン系抗菌薬の現在置かれている状況を述べてきましたが、フルオロキノロン系抗菌薬の適正使用の重要性・必要性は明らかであり、国の政策の一つでもあります。その適正使用を今後さらに進めていくためには、フルオロキノロン系抗菌薬の特徴・適応・欠点についてきちんと理解する必要があり、これらについて本稿で取り上げたいと思います。なお、本稿の内容は筆者個人の見解であり、所属施設の見解を代表したものではありません。


グラム陰性細菌による感染症(髄膜炎菌感染症など)の治療に使用されます。 ペニシリン系薬剤としては以下のものがあります。 アモキシシリン

薬剤耐性対策の一つの柱として抗微生物薬の適正使用の推進が挙げられており、これは抗菌薬適正使用を推進することによって不必要な抗菌薬使用を減らし、耐性菌の減少を目指すものです。フルオロキノロン系抗菌薬はその標的の一つとなっており、2020年までに(2013年と比較して)使用量を50%減らすことが目標値として設定されました。また、大腸菌のフルオロキノロン耐性率を25%以下にすることも数値目標として設定されています。実際には、なかなか達成は難しいのでしょう。しかし、2013年から2018年にかけて経口フルオロキノロン系抗菌薬の販売量が17.1%減少しており[8]、適正使用への意識は高まり、良い方向に進んでいっているようです。

最初に要点を3つ提示します。1. 覚えるべきフルオロキノロン系抗菌薬は3つだけ。
2. フルオロキノロン系抗菌薬が第1選択となる臨床状況はほとんどない。
3. フルオロキノロン系抗菌薬を使用する場合は「副作用」「薬物相互作用」「抗結核作用」に注意する。

・嫌気性グラム陰性桿菌(バクテロイデス、プレボテラなど横隔膜の上下)

Monobactam と前三者の間ではアレルギーの交叉はないとされている。
ペニシリンはグラム陽性菌に効く。グラム陰性菌では球菌にのみ有効である。Cephalosporin 系の第二世代と云われるものはグラム陰性β-lactamase産生菌、例えばペニシリナーゼ産生淋菌(PPNG)、にも効くが、連鎖球菌、ブドウ球菌には効きが悪い。第三世代(Cefotaxime など)は緑膿菌にも効くが、ブドウ球菌には抗菌力が弱く、この無差別の使用が MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) による被害を大きくする一因となった。

近年、β-ラクタマーゼ産生菌による耐性化が問題となっていますが、アモキシシリン水和物にクラブラン酸を併用することで、この問題に対処することが可能となり、治療の選択肢を広げています。

主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの | 処方薬 | 1 | お薬検索

抗生物質には菌を殺さないが増殖を抑えるものと、菌を殺すものとがある。ペニシリンは細胞壁合成を抑えるので増殖している菌に作用させれば菌は殺される。増殖していない菌には無効である。TetracyclineやSulfanilamideは増殖を抑えるが菌を殺さない。従ってTetracyclineとPenicillinを同時投与するとPenicillinの効果はなくなる。

クラブラン酸はβ-ラクタマーゼを不可逆的に阻害する作用があり、アモキシシリン水和物との併用により耐性菌に対しても効果を発揮することができるため、複合的な抗菌戦略として注目されています。

[PDF] 事前資料 抗菌薬は1種の細菌にのみ効果があるわけでなく

Glycopeptides:細胞壁合成阻害剤で菌を殺す。グラム陽性菌に有効で、VancomycinなどはMRSAに使用されている。
耐性は菌のVanA VanH遺伝子による。耐性菌では、細胞壁合成の際のトランスペプチデーションの際、これらの遺伝子産物が-Ala--Alaの代わりにD-Ala-hydoxybutylを取り込ませる為、Vancomycinが-Ala--Alaへ結合してもトランスペプチデーションは正常に進む。よって菌はVancomycin耐性となる。

抗菌薬には非常に多くの種類があり、覚えたり使い分けたりするのに苦心するものです。今回はそんな抗菌薬のうち。特徴や注意点を系統ごとに分けて解説していただきました。


[PDF] 犬猫における臨床材料からのグラム陰性菌の 検出状況と薬剤感受性

influenzaeの胆嚢炎
いくつかの症例報告がある。Hib、NTHi両方で報告されている。 【耐性の機序】
①β-ラクタマーゼ産生 (TEM-1と ROB-1のいずれか)
②fts-1遺伝子の変異(ペニシリン結合蛋白3の変化によりアンピシリン・アモキシシリンに耐性となる。アメリカでは稀だが日本で多い)
β-Lactamase Producing Ampicillin Resistant (BLPAR) ① AMPC/CVA ABPC/SBTで治療可能
β-lactamase negative and ampicillin resistant (BLNAR) ② AMPC/CVA ABPC/SBTに耐性。
β-Lactamase Producing Amoxicillin/Clavulanate Resistant (BLPACR) ①+②両方の耐性機序を持つ。 【治療】

(参考分献)
このサイトの監修者 亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長 細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育

属、肺炎球菌、腸球菌属等のグラム陽性菌の他、大腸菌、プロテウス・

感染症の教科書をみると、フルオロキノロン系抗菌薬は約10種類存在します。また、2019年3月現在、日本で使用可能な内服のフルオロキノロン系抗菌薬は、筆者が調べた限りでは10種類存在します。しかし、実際に臨床現場で使用する可能性があり、一般臨床医として覚えておくべきものは3種類しかありません(表1)[9, 11]。しかも、そのうちの1つであるモキシフロキサシンは、めったに使用しないので(感染症科で働いていても年数例程度)、実際の臨床現場で一定の頻度で使用することになるフルオロキノロン系抗菌薬は、シプロフロキサシンレボフロキサシンの2つだけです。

AMPCは、合成ペニシリンで、グラム陽性菌、陰性菌の細胞壁合成を阻

特に、呼吸器感染症の主要な起炎菌に対して強力な抗菌作用があることから、呼吸器系の感染症治療において重要な位置を占めており、その効果は臨床的にも高く評価されています。

グラム染⾊などで肺炎球菌が原因と推定される場合、アモキシシリンが第 1 選択である。細

3つのフルオロキノロン系抗菌薬のスペクトラムの大まかなイメージと特徴は、表2表3を参考にしてください。非常に広いスペクトラムを持った抗菌薬ですが、基本的には緑膿菌を含む グラム陰性桿菌に対する抗菌薬 であることをまず押さえてください。しかし、尿路感染症[12]や胆道系感染症[13]の原因として最も多いグラム陰性桿菌である 大腸菌の耐性化 が進んでおり、経験的治療における有用性はかなり限定的です。

例えば市中の胆嚢炎などの胆道系感染症では嫌気性菌だけではなく、腸管内のグラム陰性桿菌をカバーする必要があります。 ..

広域スペクトラムの抗菌薬であること、唯一緑膿菌に効果のある経口抗菌薬 であることから、病院内・外来の感染症診療において重要な抗菌薬であり、これ以上の耐性化が進まないように大切に使用すべきです。また、後述しますが、副作用・薬物相互作用が比較的多いこと、抗結核作用があることからも、乱用は避けるべき抗菌薬です(表4)。筆者の考える第1選択となりうる状況を表5にまとめました。以下、グラム陰性桿菌、グラム陽性球菌、嫌気性菌、その他、に対するフルオロキノロン系抗菌薬の効果と適応を説明していきます。

グラム陰性桿菌の経口治療薬は限られており、今後耐性率があがれば外来治療は ..

アモキシシリン水和物とは、ペニシリン系抗生物質の一種で、細菌感染症の治療に広く用いられる薬剤です。

世代があがれば、グラム陰性桿菌(大腸菌など)へのスペクトラムが広がり ..

アモキシシリン水和物は広域スペクトルの抗菌活性を有し、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方に効果を示すため、多様な細菌感染症の治療に応用できる可能性があります。

することが重要である。 すべての細菌は,グラム陽性菌と陰性菌に大別

フルオロキノロン系抗菌薬は、前述したようにグラム陰性桿菌用の抗菌薬であり、腸内細菌科細菌や緑膿菌などのグラム陰性桿菌(gram negative rods; GNR)を広くカバーしますが、実際にはあまり第1選択となる状況はありません。ここではその理由と、「使いどき」について説明します。

(5) その他のグラム陰性桿菌(緑膿菌以外のブドウ糖非発酵菌)

青カビから分離された天然抗生物質です。
スペクトラムは狭域ですが、レンサ球菌・髄膜炎菌への強力な活性を持つ「切れ味のよい」抗菌薬です。
半減期が短いため、数時間ごとの点滴もしくは持続点滴で投与します。また、欧米では梅毒治療の第一選択であった筋注用製剤が2021年に日本でも薬事承認され、使用できるようになりました。

グラム陰性菌の血流感染では当該施設の抗菌薬感受性パターンより耐性菌の可能性があれば

また、同じフルオロキノロン系抗菌薬でも、GNRに対する感受性率や効果の差があるため(シプロフロキサシン≧レボフロキサシン>モキシフロキサシン)、GNRを対象としている状況 では、原則として最も効果が期待できる シプロフロキサシン を選択します[14,15]。特に緑膿菌への効果は、シプロフロキサシンが最も優れていると考えられています。一方、モキシフロキサシンは効果が期待できないため、緑膿菌を考慮する状況で使用してはいけません[14,16-19]。

尿路感染症第1回 膀胱炎の抗菌薬の選び方~若い女性・高齢 ..

ペニシリンGから安定性向上を目指して作られた合成ペニシリンです。
腸球菌のやリステリアへの抗菌活性も持っています。感受性があれば、大腸菌などの腸内細菌科やインフルエンザ桿菌にも有効です。

肺炎球菌、腸球菌、グラム陰性菌、緑膿菌はなし。 カプセルが食道に滞留して崩壊 ..

TrimethoprimとSulfonamide:核酸合成に必要なtetrahydrofolic acid合成酵素を競合的に抑える。動物は、この反応の生成物であるfolic acidを摂取し、この合成を行わないので、この抗菌物質は細菌にだけ作用する。菌の増殖を抑え、グラム陽性、陰性の好気性菌(緑膿菌は別)に有効で、尿路、胆管、呼吸器感染に使用される。