メラトニンと光は密接に関係していて、2つの大きな影響があります。
ただメラトニンは明るい光によって分泌が止まってしまいます。朝、しっかり太陽の光を浴びることでメラトニンがストップするのは目が覚めるからいいのですが、夜、スマホなどのブルーライトをずっと見ていると睡眠に悪影響を及ぼしてしまいます。
メラトニンとセロトニンは大きな関係があることが分かってきています。
1日が25時間の人の場合、人間の自然な目覚めや寝入る時間は、日ごとに1時間づつ遅れてゆくことになるのです。この体内時計の誤差をリセットするのが朝の太陽光です。この働きが生体リズムを整える働きをします。
時を過ぎると、だんだんとメラトニンの分泌量が減り、朝になると分泌が停止して、メラトニンに代わりセロトニンが分泌されるというサイクルです。
メラトニンはセロトニンから作られますが、セロトニンとの関係は明らかではありません。
メラトニンは、脳の松果体で作られるホルモンです。私たちの体において、夜と昼のリズムを調節しています。暗い環境になると、松果体からメラトニンが分泌され、寝つきを助けます、一方、明るい環境になると、メラトニン分泌は低下します。
深夜までガソリンスタンドやコンビニでアルバイトをしている人や夜中に小腹がへってついついコンビニに買出しに出掛けてしまう人。そんな人たちは、いざ眠ろうと布団に入ってもなかなか寝付けないことがあるはずです。それは、この時間帯に強い光を浴びると、眠りを誘導するメラトニンが分泌されなくなるからです。寝る時間が遅くなれば当然、起きる時間も遅くなってしまいます。
セロトニンは夜になると松果体でメラトニンの原料へと変化します。
日本睡眠改善協議会・上級睡眠改善インストラクターの安達直美さんは、「一口にベッドルームと言っても、純粋に寝るだけの用途に使われるわけではありません。リモートワークが増えて日中はベッドルームが仕事場になっている人がいたり、ホテルではベッドに腰掛けて食事をする人も、テレビを見たり、読書をする人もいますよね。睡眠の前後に様々な使い方をしている場合、用途に合わせた照明計画が必要になります」と話す。ベッドルームだからといって単純に「温かみのある光」だけを配するのではなく、脳を覚醒させる光や、仕事に集中できる光など、用途に応じてそれぞれにコントロールできることが求められる。
基本的に、人間の脳は1000lxの光をしばらく浴びることで目覚めた状態になりやすい。一方で、外光のない状態の住宅のリビングは200〜300lx程度とされるが、人を眠りやすい状態に導くメラトニンというホルモンは、100lx以下に照度を抑えないと分泌がされにくいという。メラトニンは、体内における季節のリズム、眠りと覚醒のリズムを調整する作用があり「睡眠ホルモン」とも呼ばれるタンパク質だ。分泌されることで、脳が眠りの状態に近づく一方、網膜から受けた光の刺激が、脳の松果体に達すると分泌が抑制される。
「遅くとも就寝の30分前くらいからメラトニンの分泌を妨げないようにすることが、良い眠りにつながります。また、眼を閉じていても光源が近くにある場合や光が反射して顔に当たっていると、脳は覚醒してしまいます。例えば、ダウンライトやシーリングライトの豆電球ですと、空間全体は暗く感じますが、仰向けに寝ると眼はその光源を感じ取ってしまいます。あるいは間接照明をヘッドボードに設けた場合も、壁面からの反射が明るくなり過ぎると睡眠には悪影響です」
メラトニン(Melatonin)は睡眠や覚醒のリズムを調節するホルモン。太陽光など環境から入る光刺激が弱まると、脳内の松果体で分泌されるメラトニンの量が増える。逆に環境光が多い日中はメラトニンの分泌量は低い。このような日内変動を概日リズム(サーカディアンリズム)とも呼ぶ。メラトニンには催眠作用があるため、欧米では睡眠薬としてドラッグストアなどで販売されている。メラトニンを含むサプリメントは日本国内でも個人輸入できるが、日本では食品ではなく医薬品としてのみ承認されている。
メラトニンにとってセロトニンは不可欠なホルモンということが分かりますね。
起床後に日光を浴びると良いといわれますが、これは陽の光を浴びることでメラトニンの分泌が止まり、体が活動状態へとなっていくためです。
ベッド周りでは足元灯などを用いて、顔から下に光源や光をできるだけ離すことが重要だ。また、夜間にトイレなどで起きた際、日中と同じく目覚めてしまうため、トイレ周りでは照度を抑えた夜間用の照明を設ける工夫ができればより良い。
これらの手法は、明るい場所で色を識別する細胞(錐体細胞)が感じる明るさを表す従来の照度とは別に、メラトニンの分泌を抑える働きを持つipRGC細胞が感じる明るさを表す「等価メラノピック照度」を考慮することでより効率的な照明計画が可能になるだろう。
「照度だけでなく、短波長の青い光は分泌を抑える作用があります。一般的なLED照明は、赤っぽく見えていても青色の短波長が含まれていることが多いので、見た目を赤寄りにしたといって多用してしまうと逆効果になります。一方、色は心理的にも作用するため、見た人がリラックスできる色に調色することができれば、気持ちを眠りに導いていく効果が期待できます」
ヒト / 概日リズム / メラトニン / 光曝露 / 断続光 / 深部体温 / 光感度 / 室内光環境 / 光感受性
光は眠りの質にも大きな影響を与える。就寝前は低色温度・低照度にすることで人は自然な眠りに誘われる。夜の眠りを妨げないような照明にするには、天井照明(シーリングライト等)ではなく低い位置にあかりを設置することが大切だ。
一方、現代人は就寝時間が遅くなりがちで、日の出の早い春や夏は、生活のリズムと自然光のリズムの不一致によって睡眠が不足する可能性がある。遮光カーテンや照明のスケジュール機能を用いて調整すれば、日の出の数時間後にすっきりと目覚められる。また、起床前の光環境は、ゆっくりと太陽が昇り明るくなることで、快適な目覚めが促される点にも注目したい。自然光が10倍の明るさ(5lxから50lx)になるまで約12分かかるのと同じように、照明で10分程度の時間をかけて朝の青空光と同じ高色温度の青白い拡散光(※1)で明るくするとよいだろう。
「眠りの質を高める」ためには、「就寝時は低色温度・低照度、起床時は高色温度・高照度」であることが重要だ。
に、子ども達に好ましくない影響(概日時計の位相後退やメラトニン分泌抑制)を及ぼすことが懸念さ
人の生体リズムは多くの動物と同じように生物時計によって駆動され、約25時間の周期(概日リズム)で活動と休息のリズム信号を出しているが、地球の自転により24時間周期で変化する外部環境とは約1時間のズレが生じる。生物時計はこのズレを修正し、概日リズムを24時間の環境変化に同調させる機能も持つ。通常、起床直後に太陽光が目から入ると、その光信号は視交差上核(suprachiasmatic nucleus:SCN)、上頚神経節を経由して、松果体にたどり着く。すると、食事で摂取して血液中にあるトリプトファンというアミノ酸が分解されてセロトニンが産生され、メラトニンがつくられる。このとき、N-acetyltransferaseという酵素が活性化されてはじめてメラトニンが生合成されるのであるが、N-acetyltransferaseは光があると活性が抑えられ、この代謝が行われないようになっている。したがって、外界が暗くなったときに、N-acetyltransferaseが活性化されて、メラトニンができるのである(図1、図2)。
こうして生物時計によってリセットされた時刻から10~12時間は代謝が高められ、血圧・体温も高めに保持され、覚醒して活動するのに適した状態になる。これが朝の光を浴びてから13時間くらい経過すると、松果体からメラトニンの分泌が始まり、手足の末端からの放熱も盛んになる。こうした放熱により深部体温が低下してくると、1~2時間のうちに自然な眠気が出現する。つまり、太陽光に対する生物時計のリセット機能により、朝起床して太陽光を最初に浴びた時刻に応じて夜に眠気が出現し、自然に眠くなる時刻が決定されるのである。朝の起床時に充分な太陽光を浴びなかったり、暗い部屋で昼過ぎまで眠っていると、こうした概日リズムのリセットが適切に行われず、その日の入眠時刻が遅くなる。一方、夕方から夜の時間帯に強い光を浴びると、昼の時間が延長することになり、休息への準備が遅れ、結果的に入眠時刻が遅れることになる。
[PDF] 122. 松果体メラトニンによる網膜の光感受性抑制機構の解明 池上 啓介
なお、セロトニンは心身の覚醒だけでなく、睡眠や休息にも大きな影響をもたらしています。それは「睡眠ホルモン」の「メラトニン」がセロトニンを原材料にしてつくられているから。メラトニンは日没後、とっぷりと日が暮れた頃に分泌が高まって、自然な眠気をもたらす物質です。
発現する光受容体Opn4[3,4]発現への影響を組織学および生化学的手法により検証した。さらにメラトニン受容体
夜間に強い光を浴びると睡眠に重要なメラトニンの分泌が抑制されてしまう。そのため就寝時刻の3時間前からは照度10lx以下、就寝してからはできるだけ暗い1lx以下が推奨されている(昼光6500Kの場合。参考論文2)。
メラトニン分泌の抑制は、波長が480nm付近の青色の光の影響を強く受けるため、色温度が高いほど抑制されやすい。その影響を調べるため、目の位置での鉛直面照度100lxで1800Kと5000Kの光を19時から22時30分まで浴びた。結果は、5000Kのほうが唾液中のメラトニンの分泌開始時刻が60分遅くなり、メラトニンの分泌量が約25%低下していた(※2)。
夕方以降は徐々に色温度と照度を下げ、自然と眠りにつきやすくなるようにしたい。
メラトニンは催眠作用を持つことから「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、脳の松果体から ..
2つ目は、メラトニンが日中に抑制されていると、夜間のメラトニンの分泌量が増えます。ですから、日光浴などで日中に十分光を浴びることは大切です。
メラトニンの最大分泌時に就寝しよう!寝る前の光と睡眠の質 ..
私たちの体は、太陽と共に目覚めて昼は体が活動状態になり、夜間は体が休息状態に切り替わります。
メラトニン | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]
適温とはお布団の中で33度くらい。暑くもなく寒くもなく心地よい温度です。室温は夏は25度~27度、冬場なら18度から20度の快適な温度に設定しましょう。湿度は50~60%がのぞましいでしょう。体温は活動と休息のリズムに合わせて体温は上下し活動しているときは高く、寝て休息しているときは低くなります。体温が下がった時に誘眠ホルモンメラトニンの分泌がさかんになります。メラトニンと体温は影響しあって眠りをつくっているのです。
ストレスからくるイライラや緊張を鎮めるために音楽や読書、入浴や食事などで工夫をしてみることも必要です。眠りやすいリラックスできる環境をつくるように心がけましょう。
メラトニンは、光刺激で分泌が抑制される。就寝前に書籍を読んだ場合に ..
普段朝8時に起きている人が、6時に起きる生活を始めた場合、床につく時刻を早めるのではなく、まずは6時に起きて太陽光を浴びること。朝の強い光を浴びた時に体内時計の指している時刻は決まります。眠気は通常、14~16時間たたないと出てこないので、起床時刻を早めることで、眠くなる時刻も早まるという訳です。体内時計は1日1時間しか早められないので、2時間進ませるためには2日の辛抱が必要です。
[PDF] 夜間の明るい光は、メラトニンホルモンの分泌を抑制し
生物の進化に伴って、眠りも体を休ませる「休息」から、脳を休ませる「睡眠」へと進化している。昆虫などの無脊椎動物は眠っているというより、体を動かさないでただ休息している状態は見受けられる。魚類は大脳が小さく、脳波を測定できないので、定義上は眠っていると言えないが、ヒレを体にぴったりとつけてじっと動かずにいるなど特定の睡眠姿勢をとるものが多いことから、睡眠に近い状態と考えられる。爬虫類・両生類は脳波を測定できるが、活動期と休息期の脳波にほとんど変化がみられないことから、脳波のパターンによって睡眠を定義できないが、睡眠の原形の状態と考えられる。鳥類・哺乳類では脳の発達に伴い、脳波に明らかな変化がみられ、ノンレム睡眠とレム睡眠に分化し、真睡眠に分類される。鳥類はレム睡眠時に必ずしも急速眼球運動はみられず、レム睡眠時も目を閉じて眠らないこともある。多くの鳥はノンレム睡眠時に泳いだり、飛び続けたりといった単純な運動が可能である。
哺乳類で食物連鎖の最下位に位置するネズミは、身の安全を守るため昼間に眠り、夜間に活動する、といった多くの動物とは逆転した生活をしている。1日の総睡眠時間は13時間にのぼるが、まとまった睡眠はとらず、小刻みに眠る。食物連鎖の上位に位置する百獣の王ライオンは1日14~16時間、無防備な姿勢でまとまった睡眠をとる。アフリカゾウはその巨体から天敵は人間くらいしかいないのに、1日3~4時間くらいしか眠らない。ゾウは草食動物であり、その巨体を維持するために多くの草を食べ続けないといけないからである。同様に草食性のウシも1日3時間くらいしか眠らず、うとうとした状態で反芻することができる(表1)。
太陽光に含まれるほか、近年普及しているLED照明やパソコン、テレビ ..
詳しい情報をご覧になりたい方は以下の総説記事などもご参照ください。
樋口重和, 李相逸 (2015) 光のサーカディアンリズムとメラトニン分泌への作用の個人差. 照明学会誌 99(1), 22-24()
樋口重和 (2011) 光の非視覚作用-光環境への適応-. 日本生理人類学会誌15(1), 21-26 ()