マイコプラズマに感染すると、一般の肺炎とは異なる症状があらわれます。


マイコプラズマ肺炎は、自然にも治りますが、抗菌薬で症状を軽くすることができます。そのため子どもでは、テトラサイクリン系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬の効果があると考えられます。
しかし、テトラサイクリン系抗菌薬は、8歳以下の子どもに、2週間以上長く使用すると歯が黄色くなったり、骨の発達に影響を受けると言われています。短期間で適切に使用するのであれば、副作用はかなり少なくなります。
ニューキノロン系抗菌薬も、関節への影響から子どもにあまり使用されませんが、最近、子どもに安全なニューキノロン系抗菌薬があります。


マクロライド系抗菌薬で注意するべき主な副作用は以下になります。

【11.1.1】ショック,アナフィラキシー〔呼吸困難,喘鳴,血管浮腫等が発現。また,アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから,これらの副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意。[8.2参照]〕【11.1.2】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),急性汎発性発疹性膿疱症〔投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与。これらの副作用はアジスロマイシンの投与中又は投与終了後1週間以内に発現しているので,投与終了後も注意。また,アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから,これらの副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意。[8.3参照]〕【11.1.3】薬剤性過敏症症候群〔初期症状として発疹,発熱がみられ,更に肝機能障害,リンパ節腫脹,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が発現。なお,ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く,投与中止後も発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意〕【11.1.4】肝炎,肝機能障害,黄疸,肝不全【11.1.5】急性腎障害〔乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には投与中止〕【11.1.6】偽膜性大腸炎,出血性大腸炎〔偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の重篤な大腸炎が発現。腹痛,頻回の下痢,血便等が現れた場合にはただちに投与中止〕【11.1.7】間質性肺炎,好酸球性肺炎〔発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎,好酸球性肺炎が発現。投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.8】QT延長,心室性頻脈(torsade de pointesを含む)〔QT延長等の心疾患のある患者には特に注意。[9.1.2参照]〕【11.1.9】白血球減少,顆粒球減少,血小板減少〔[9.7.2参照]〕【11.1.10】横紋筋融解症〔筋肉痛,脱力感,CK上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等が現れた場合には投与中止。また,横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意〕

潜伏期は通常2~3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などである。咳は初発症状出現後3~5日から始まることが多く、当初は乾性の咳であるが、経過に従い咳は徐々に強くなり、解熱後も長く続く(3~4週間)。特に年長児や青年では、後期には湿性の咳となることが多い。鼻炎症状は本疾患では典型的ではないが、幼児ではより頻繁に見られる。嗄声、耳痛、咽頭痛、消化器症状、そして胸痛は約25%で見られ、また、皮疹は報告により差があるが6~17%である。喘息様気管支炎を呈することは比較的多く、急性期には40%で喘鳴が認められ、また、3年後に肺機能を評価したところ、対照に比して有意に低下していたという報告もある。昔から「異型肺炎」として、肺炎にしては元気で一般状態も悪くないことが特徴であるとされてきたが、重症肺炎となることもあり、胸水貯留は珍しいものではない。
他に合併症としては、中耳炎、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、膵炎、溶血性貧血、心筋炎、関節炎、ギラン・バレー症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など多彩なものが含まれる。
理学的所見では聴診上乾性ラ音が多い。まれに、胸部レ線上異常陰影があっても聴診上異常を認めない症例があり、胸部レ線検査が欠かせない。胸部レ線所見ではびまん性のスリガラス様間質性陰影が特徴とされてきたが、実際には多いものではなく、むしろウイルス性、真菌性、クラミジア性のものに多いと報告されている。マイコプラズマ肺炎確定例では、大葉性肺炎像、肺胞性陰影、間質性陰影、これらの混在など、多様なパターンをとることが知られている。血液検査所見では白血球数は正常もしくは増加し、赤沈は亢進、CRP は中等度以上の陽性を示し、AST 、ALT の上昇を一過性にみとめることも多い。寒冷凝集反応は本疾患のほとんどで陽性に出るが、特異的なものではない。しかしながら、これが高ければマイコプラズマによる可能性が高いとされる。

ニューキノロン系抗菌薬で注意するべき主な副作用以下になります。

しつこい咳があるのに聴診器で聴いてもはっきりした異常がなく、のどもあまり赤くなりませんので、風邪と間違われやすい事があります。
胸部のレントゲンでは肺炎の像がみられ、血液検査でマイコプラズマCF抗体価が高値である事で診断します。
クラミジアの場合はクラミジア ニュウモニエIgM抗体価が上昇します。
しかし、診断的治療(検査結果がでるまでに臨床診断で抗生剤を投与し効果があるかどうかをみる)で終わることも多くあります。


確定診断には、患者の咽頭拭い液、喀痰よりマイコプラズマを分離することであるが、適切な培地と経験があれば難しいことではない。しかしながら早くても1 週間程度かかるため、通常の診断としては有用ではない。近年迅速診断としてPCR 法が開発されており、臨床的に有用性が高いが、実施可能な施設は限られている。
臨床の現場では血清診断でなされることが多い。補体結合反応(CF)、間接赤血球凝集反応(IHA)にて、ペア血清で4倍以上の上昇を確認する。単一血清で診断するには、それぞれ64倍以上、320倍以上の抗体価が必要である。近年、粒子凝集法(PA )、蛍光抗体法(IF)あるいは酵素抗体法(ELISA)によるIgM、IgG抗体の検出も可能となっている。

マイコプラズマ肺炎に抗菌薬を使うメリットは次のことが考えられます。

抗生物質の一種である「ジスロマック」は、様々な菌に対して静菌作用をもたらす効果が期待できるとされている薬です。効果が期待できる主な症状としては、インフルエンザ、中耳炎、尿道炎、子宮頸管炎、歯周組織炎などの他に子どもがかかりやすいマイコプラズマ肺炎などの治療にもよく用いられています。

・残念ながら迅速診断できる信頼できる診断キットは今のところありません。
・IgMを測定する迅速反応キット(イムノカード・マイコプラズマ抗体)がありますが、信頼性にかけるとされています。
・一度の検査で特異抗体価(PA価)にて320倍以上であれば有意な上昇として、
簡易的に診断することがあります。
・培養、PCRで確定されますが、時間と費用がかかるため、症状が軽度であればあまりおこなわれません。
(検査が結果が出る頃には、治癒していることがほとんどです。)
・中和抗体価(PA価)を病初期と2週間後のペア血清の有意な上昇で診断できますが、
これも時間がかかるため、一般的な外来検査としては現実的ではありません。

マイコプラズマの検査もされていませんし、副作用の説明もされていませんでした。

ジスロマックは、抗生物質の1種で、クラミジア菌やインフルエンザ菌、マイコプラズマ菌などのウィルスに対して効果を発揮する薬として幅広い症状の治療に用いられています。このページでは、そんなジスロマックに関するよくある質問について簡単にまとめておきたいと思います。

潜伏期は2~3週間と考えられています。年齢の小さい乳幼児が感染したときは、他のウイルスが起こすカゼ(上気道炎)と同じような症状を起こすことが多く、年齢の高い幼稚園児や小中学生が感染したときは、肺炎を起こす率が高くなります。これは言い換えると、 マイコプラズマに何回か感染した時の方が、初めてかかるときよりも肺炎になりやすいということ です。このことは、肺炎の原因として、マイコプラズマに対するアレルギー反応が関与している可能性を示唆しています。(感染症は何度もかかるうちに抗体が強化されてかからなくなりますが、花粉やハウスダストなどのアレルギーは、何度も吸い込んでいると悪化します。)逆に、肺炎になってしまうと、体力のない乳幼児の方が、年長児よりも重症になります。また、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、胸膜炎、紅斑やじんましんなどの皮膚症状、気管支喘息の発作の原因となります。まれには髄膜炎、脳炎、腎炎、関節炎、心筋炎、溶血性貧血などを起こして重症となることもあります。これらのいろいろな症状は、マイコプラズマの病原体としての作用と、アレルギー反応が複雑に絡んでいると考えられます。


には、マクロライド系薬が推奨される。 マクロライド感性の肺炎マイコプラズマに対す

「マイコプラズマ」というと、まず「肺炎」が連想されます。小児科の日常診療の中で最も多く見かける肺炎で、しつこい咳と発熱が特徴です。熱は午前中は下がっているが、午後になって上がってくることが多く、受診の遅れる原因となります。午前中調子が良くても油断しないでください。私の実感として、気管支喘息の既往がある人や、アレルギー体質の人でカゼをひくといつもゼロゼロいったり咳が長引く人が肺炎になる率が高いと思います。重症になる他の細菌性肺炎の場合とは違って、レントゲン上の派手な真っ白な影の割には、全身状態 がそんなに悪くないことが多いため、‘異型肺炎=普通とは違う肺炎’とも呼ばれます。特 に年長児の場合は、激しい咳はありますが、熱がないこともあり、ふつうに生活して、時には学校に行 っている場合もあります(それで、集団発生するのでしょう)。聴診器で胸の音を聞いても異常がないこともあり、診断が遅れる原因となります。細菌による肺炎は細気管支や肺胞という吸った空気の通り道を中心に炎症が起っていますが、マイコプ ラズマによる肺炎は、間質といって細気管支や肺胞の外の部分に主として炎症が起っています。ですか ら、胸の音を聴診器で聞いても、肺炎特有のプツプツという泡がはじけるような音が聞こえにくいので す。しかし、時間が経ってくると、炎症が細気管支や肺胞の中に広がってきて、肺炎特有の音が聴診で 聞こえるようになってきます。また、気管支喘息の発作と重なると、最初から派手な聴診音が聞こえます。

マイコプラズマ肺炎と薬の副作用|北区上中里、尾久、梶原の歯医者

小児では一般的なセフェム系やペニシリン系の抗生剤を処方しているのに、一向に熱が下がらず、咳が続く場合に疑ってみます。周囲での流行があり、レントゲンで典型的な真っ白な影があれば、ほぼ間違いありません。肺炎の影が大きくて濃いほど、治療が大変となりますので、被ばくのデメリット(僅かで、通常は問題となりません)を考えても、胸部レントゲンは積極的に撮ったほうがよいと考えています。診断を確定するには、咽頭ぬぐい液や喀痰からマイコプラズマの遺伝子を検出するLAMP法がありますが、検査会社へ委託するため結果が出るまで数日を要します。これに対して、同じく咽頭ぬぐい液からマイコプラズマの抗原を検出するキット、血液から抗体を検出するキットがあります。この2つはその場ですぐに結果が判定できますが、それぞれ感度が鈍い、疑陽性が出やすいという欠点があります。これらの検査は有益な情報の一つとなりますが、実際の診療では、必ずしも検査が必要なわけではありません。症状と経過から診断することもあり得ます。マイコプラズマ肺炎を強く疑っても確認できなかった場合は、クラミジアという細菌の起こす肺炎の可能性があります。

マイコプラズマ肺炎の症状や検査、感染力について【大人の症状も】

マイコプラズマと診断されたけれど薬を処方されなかった、抗菌薬を処方されたけれどなかなか症状がよくならない、といったお話を聞くことがあります。それらはどういうことなのでしょうか。お薬は、効果と副作用のバランスが重要ですが、マイコプラズマにおいても同様です。今回はそれらを踏まえて、マイコプラズマにおける抗菌薬の治療をご紹介します。

肺炎マイコプラズマ感染症は自然に軽快することがあります。早期にアジスロマイシンを経口投与し,

感染症の種類や重症度によって、アジスロマイシンの投与期間は微妙に異なります。

マイコプラズマ ジスロマック · マイコプラズマ熱ない · 主治医が見つかる診療所 ..

昨年200例以上のマイコプラズマ肺炎を診療しましたが、入院させた子どもは一人もいませんでした。マイコプラズマ肺炎は「本当の肺炎」と「カゼ」の中間みたいな病気です。

【歩く肺炎】マイコプラズマって、いったいどんな病気? | 医師ブログ

マイコプラズマ肺炎は肺炎としては軽症であることが多いので、通常は通院で治療可能です。食欲と睡眠が保たれ、薬がきっちりと飲める場合は、有効なマクロライド系の抗生剤 (エリスロシン、クラリシッド、ジスロマックな ど)の内服だけで治ります。ところが最近は、これらの薬に耐性をもつマイコプラズマが増えているので、オゼックスなどのニューキノロン系やミノマイシンが必要なこともあります。オゼックスの副作用はほとんど経験しませんが、ミノマイシンはやはり一定の割合で肝障害や歯が黄色くなる副作用が出るので、最終手段です。症状のひどい場合は、ダラシン やミノマイシンなどの点滴注射を行い、アレルギーの関与を考慮してステロイド剤の併用をすることもあります。もちろん他の原因によるカゼ症状と同じく、咳止め、去痰剤、解熱剤などで症状を和らげます。高熱で水分がとれず、脱水状態になっている時や、咳が激しくて睡眠や食事が著しく妨げられる場合、また、上に挙げたような重症の合併症が起きた場合は、入院しての治療が必要となります。

[PDF] 小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方

はじめに、マイコプラズマは抗菌薬を使用しなくても、自分の免疫力で通常は治癒します。しかし、気管支炎・肺炎など、症状が悪化した際は、抗菌薬の力を借りてマイコプラズマをやっつけてあげることが必要な場合もあります。

肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ),マイコプラズマ属<適応症> 咽頭 ..


マイコプラズマ肺炎は進行がゆっくりで、症状が比較的軽いことが特徴です。

・非定型肺炎=マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、オウム病、レジオネラ肺炎

アジスロマイシン水和物は、従来の抗菌薬と比べ著しく短い投与期間で効果を発揮し、多くの感染症では3日間の服用で十分な治療効果が得られます。

アジスロマイシン(薬剤名:ジスロマック); エリスロマイシン(薬剤名 ..

マイコプラズマ感染に伴う咳などの諸症状は長引くこともありますが、基本的に自然に治癒しますので必ずしも抗生物質は必要ではありません。しっかりと体力を回復させ、水分栄養補給と休養が重要です。

医療用医薬品 : ジスロマック (ジスロマック細粒小児用10%)

確定診断された場合、マクロライド系抗生物質の投与期間は10日間、第二選択薬であるオゼックス、ミノマイシンの投与期間は7~14日間必要となります。