百日咳は、百日咳菌の感染により起こり、特徴的な咳が長く続きます。
今回の記事では、百日咳の基本情報や症状、検査、治療、予防について詳しく解説していきます。
百日咳の症状はカタル期・痙咳期・回復期と3つの時期に分けられます。
予防では、世界各国がEPI (Expanded Program on Immunization:予防接種拡大計画)ワクチンの一つとして、DPTワクチンの普及を強力に進めている。わが国では従来の定期接種であった沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(DPT)に加え、2012年11月から不活化ポリオワクチン(IPV)を加えたDPT-IPV(四種混合ワクチン)が定期接種に導入された。四種混合ワクチンの接種スケジュールは、定期接種として生後3か月以上90か月未満で4回接種する。初回免疫と追加免疫とに分けられ、初回免疫は20日以上(標準的には20~56日)の間隔をおいて3回皮下に接種(標準として生後3~12カ月)、追加免疫は初回免疫終了後、6カ月以上の間隔をおいて(標準的には初回免疫終了後12~18カ月の間に)、1回皮下に接種することとされている。百日せきワクチンの免疫効果は4~12年で減弱し, 最終接種後時間経過とともに既接種者も感染することがある。四種混合ワクチン接種後の全身および局所の副反応については、従来の全菌体ワクチンに比較して格段に少なくなっている。
2017年(平成29年)12月31日までは、指定届出機関(全国約3,000カ所の小児科定点医療機関)が週毎に保健所に届け出なければならない定点報告対象(5類感染症)であったが、2018年(平成30年)1月1日から、適切な検査診断で百日咳と診断された症例は年齢を問わず全数把握疾患として報告する、との改正が施行された。なお、検査確定例との疫学的リンクが明らかな場合は、特徴的な臨床症状で診断される場合がある。また、百日咳類縁菌を起因菌とする症例は届出基準から除外となっている。医師は、都道府県知事に対して、患者の年齢、性別等を7日以内に届け出なければならないことが定められた。届出基準は
そのため、心配な方は百日咳のワクチンの追加接種をしておくとよいでしょう。
第2種の感染症に定められており、特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで出席停止とされている。ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りでない。また、以下の場合も出席停止期間となる。
・患者のある家に居住する者又はかかっている疑いがある者については、予防処置の施行その他の事情により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
・発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間
・流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間
百日咳菌がどのような細菌なのか、特徴や消毒の耐性、最近判明した研究内容について解説します。
治療は、マクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質で治療します。
合併症としては肺炎、肺高血圧症などがあります。
咳による硬膜下出血、結膜出血、ヘルニアも生ずることがあります。
咳がひどくなると低酸素血症を生じ、けいれん、脳症、無呼吸発作などを引き起こし死に至る場合もあります。
1906年にジュール・ボルデとオクターブ・ジャングが初めてウイルス分離に成功したことが始まりです。
感染している乳児の痰を採取し、そこから菌を分離してのちに「百日咳菌」と名付けられました。
百日咳の症状を引き起こす原因菌には「百日咳菌」のほかに「パラ百日咳菌」と「ボルデテラ・ホルメシイ」があります。
発症させる因子には「百日咳毒素」「線維状赤血球凝集素」「パータクチン」などがあり、これらはワクチンにも使われています。
このようなことが分かっているものの、重篤な咳を起こすメカニズムや人間以外への感染がない理由については解明されていません。
アジスロマイシン*1, クラリスロマイシン*2, ST合剤*4
乳幼児が感染すると重症化するケースがあり、命に関わる状態に陥るため、注意が必要な感染症です。
百日咳菌(Bordetella pertussis)は、主に呼吸器感染症を起こす小型のグラム陰性桿菌である。ごくまれに菌血症を起こすこともある。類縁の細菌として、パラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)やBordetella holmesiiがあるが、百日咳菌に比べると百日咳毒素産生がなく、より軽症である場合が多い[1]。
百日咳は百日咳菌によって発症する急性の呼吸器感染症です。 ..
麻疹ウイルスの感染力は非常に強く接触感染、飛沫感染、空気感染があり、潜伏期間は10~12日程度です。
●主な症状
発熱、咳、鼻汁で始まり、4日ほどでいったん解熱しますが、再び高熱と全身に広がる発疹や強い咳が見られるようになります。
●合併症
肺炎、脳炎などが見られることがあります。
●検査
症状による診断に加えて血液検査を加えていきます。
●治療
隔離を必要とします。麻疹に対しての特別な治療はありません。症状に応じた治療となります。解熱した後3日を経過するまでは隔離が必要となります。
[PDF] 2024年4月第3週 中国のCOVID-19 感染状況と百日咳症例
百日咳は1940年代ごろまでは多くの感染者、死亡者を出す疾患であったが、1950年に予防接種が導入され、1968年には全細胞型3種混合ワクチン(破傷風、ジフテリア、百日咳)の定期接種が開始されて患者数は激減した。しかし、1975年にワクチン接種後の死亡事例があり、百日咳ワクチンによる脳症が原因と考えられたため、一時中止された。数か月後に接種時期を引き上げて再開されたが接種率は低く、1979年には百日咳の報告が年間約13,000例、死亡数が約20例以上と増加してしまった。1981年には副作用の多かった全細胞ワクチン(whole cell vaccination)から日本で研究・開発された無細胞ワクチン(acellular vaccination)に変更され、3種混合ワクチンの接種率は改善し、再び百日咳の発症は減少へと向かった[2]。
鼻水・涙目、咳、微熱など通常のかぜと区別のつかない症状で始まり、徐々に進行し咳の回数・程度も激しくなる。
百日咳菌に対する治療として、生後6カ月以上の患者にはエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬が用いられる。これらは特にカタル期では有効である。新生児ではこれらの抗菌薬は肥厚性幽門狭窄症を考慮してアジスロマイシンでの治療が奨められる(詳しくは成書参照)。通常、患者からの菌排出は咳の開始から約3週間持続するが、エリスロマイシンなどによる適切な治療により、服用開始から5日後には菌の分離はほぼ陰性となる。耐性菌の出現を防ぐため、原則として感受性を確認し疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることとする(2018年現在、わが国ではマクロライド耐性菌の出現は認められていない)。痙咳に対しては鎮咳去痰剤、場合により気管支拡張剤などが使われる。
○治療マクロライド系抗生物質(エリスロシン、クラリス、ジスロマックなど)が有効です。 ..
しかし、2000年以降になってから、百日咳の局地的な流行が散発するようになった。百日咳の予防接種は4~12年で効果が減弱するため、思春期や成人での発症が相対的に増加した影響と考えらえる。最大のアウトブレイクとしては、大学で学生や職員約300人に感染が拡大した事例がある[3]。日本のみならず世界的にも発症年齢が上昇する傾向が見られた。
治療は、マクロライド系抗生剤(ジスロマック、クラリスロマイシン)を5日間服用することが原則です(ジスロマックは3日間)。
百日咳菌は、アルコールへの感受性があります。
よって、アルコール消毒を行えば感染対策が十分にできます。
手が触れやすい手すりやドアノブ、照明のスイッチ、テレビやエアコンのリモコンなどにアルコール消毒するとよいでしょう。
疫学的な視点から考える百日咳 神谷 元 先生 | 川村内科診療所様
百日咳は感染力が非常に強く、麻しんと同程度の感染力があるとされます。
感染症流行予測調査では、5 年ごとに国民の百日咳の防御抗原(以下、PT、FHA)に
百日咳の症状は、長期間にわたり咳の症状が続くことが特徴です。
[PDF] 表4 推奨される百日咳の年齢別治療および曝露後予防薬 (CDC)
百日咳とは百日咳菌に感染して発症する急性の呼吸器感染症です。
学校保健安全法では、『特有の咳が消失するまで、または、5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまで』と定められています。 百日咳の注意事項
治療の基本は、抗菌薬を用いた薬物療法です。
病原体に細胞壁がないため、ペニシリンなどの細胞壁を作らせないことによって効果を発揮する薬剤が効かない。そこで、細菌がたんぱく質を合成するのを阻害するマクロライド系やテトラサイクリン系、DNA複製を阻害するニューキノロン系の抗生剤などが主に用いられます。
今まで最も使用されているのは、マクロライド系です。クラリス・クラリシッド・クラリスろマイシン、エリスロマイシン、ジスロマックといった薬で、風邪のときによく処方される抗生剤で、マイコプラズマの特効薬でした。
今期のマイコプラズマのややこしいところはこのマクロライドに耐性のあるもの、つまりマクロライドが効かないタイプが増えたことです。
ちなみに,マクロライド耐性のマイコプラズマは2000年にはほとんどなかったのですが現在のマイコプラズマのマクロライド耐性率は2011年では80%以上となっています。
また,その耐性の程度は高度耐性だそうです。つまり全く効かない。
百日咳は,百日咳菌(Bordetella pertussis)が気道に感
A:抗菌薬をのんで治療します。アジスロマイシンやクラリスロマイシンが有効で、決められた期間、抗菌薬を飲めば、他人にうつす危険はなくなります。おとなの場合、アジスロマイシン500 mgを1日目に飲み、以後5日目まで毎日250 mgずつ飲んで治療終了です。ただ、日本の保険診療の規則では、アジスロマイシンは1日500 mgを最大3日間使うことになっています。
抗菌薬は感染力をなくす効果はありますが、咳そのものには効果がありません。百日咳の咳は、百日咳菌が作り出す毒素(PT)によって気道の繊毛上皮が傷つくことで起きます。抗菌薬で百日咳菌が消えても、繊毛上皮はすぐには元に戻りません。咳に対しては、対症療法を行って様子をみるしかありません。
百日咳やマイコプラズマの確定診断ならジスロマックを使用する。(50歳代病院 ..
咳が治まるまで約100日間と長い時間がかかるため、「百日咳」と病名が付けられました。
1か月未満, 10mg/kg/day・5日間, 推奨しない, 2か月以内は禁忌
百日咳の治療では、最初の選択肢としてマクロライド抗菌薬の使用が検討されます。
しかし、マクロライド抗菌薬に耐性があり、効果がない株が新たに発見され、問題視されています。
耐性がある株が見つかったのは2018年です。
大阪で分離されたウイルスが、マクロライドに対して耐性を持つ株であることが分かったのです。
実は、1994年に初めてこの株が見つかっています。
場所はアメリカのアリゾナ州です。
その後もフランスやイラン、ベトナム、中国といった一部の国で同じ株が発見されていました。
2016年に、中国ではこの影響でアウトブレイク(爆発的な感染流行)が報告されたこともあります。
日本ではこれまでマクロライド抗菌薬に耐性のある株は見つかってこなかったのですが、2018年についに大阪で発見されました。
検出されたのは、生後2カ月の男の子です。
まだワクチンを接種した経験がない中で、1週間ほど続く咳と、スタッカートと呼ばれる咳の仕方が見受けられたため、受診しました。
百日咳の疑いが強いため咽頭拭い液による検査を行い、その結果遺伝子変異が認められ、配列がマクロライド抗菌薬に耐性を持つ株と同じだったことで判明しました。
新生児の場合は、アジスロマイシン10〜12mg/kgを1日1回、5日間経口投与されます。
3種混合あるいは4種混合ワクチンを接種することが必要です。
4〜6歳で百日咳の抗体価が低下しかかりやすくなるため、
また、11歳〜12歳で接種する2種混合ワクチン(DT)も将来的には百日咳を含む3種混合ワクチン(DPT)に変更すると思われます。
現在ではこの時期の3種混合ワクチンの接種は可能ですが、任意接種となります。