SSRIの中でも下記の薬剤についてPMDDに対する治療効果が示されています。 成分, 薬剤名


PMS/PMDDの診断基準には、先述した日本産科婦人科学会のPMSの用語集、ACOGのPMS診断基準、APAのPMDD診断基準(DSM-Ⅳ-TR)などがあります。ただし、日本産科婦人科学会用語集のPMSの記載は正式な診断基準ではありません。ACOGによるPMS診断基準は身体症状と精神症状に区別され、QOLに対する障害も評価対象となっていますが、基準が甘く、重症度が不明確という点で不十分です。一方、米国精神科学会のPMDD診断基準は評価が厳密であり、治療の効果判定もできるため、最も汎用されていますが、表現がやや堅苦しい問題があります。その後、米国精神科学会の診断基準は精神症状に視点を置きすぎとなっています。そこで筆者はAPAのPMDD診断基準(2000)を患者向けに改変された「PMDDに関する患者のための自己診断アンケート」(表2)を診療時に使用しています5)。症状が気になる方は使ってみてください。


特に精神症状が主体で強い場合には、月経前不快気分障害(PMDD)といわれています。 ..

職場における女性の健康管理の観点からも、PMS/PMDDは大きな問題です。生理休暇という言葉が浸透し、月経時の痛みはある程度理解されていますが、月経以外の時期に女性がPMS/PMDDで悩んでいることについて認知が進んでいるとはいえません。PMS/PMDDの症状は対処が難しく、月経痛よりも持続期間が長いことから、月経痛よりもPMS/PMDDが働く女性を悩ませている可能性があります。
2018年に報告された「働く女性の健康推進に関する実態調査」9)では、女性特有の健康課題や症状によって女性従業員の52%が「職場で困った経験がある」、管理者の34%が「対処に困った経験がある」と回答しており、女性従業員では「月経関連の症状や疾病(月経不順・月経痛など)」が72%、「PMS等」が43%であったのに対して、管理者では「メンタルヘルス」が56%と最も多く、一方で「PMS等」は18%であったことから、PMSが認識されておらず、働く女性と管理者の間でギャップがあることがわかります。

PMSの診断では症状のほかに、症状の発現時期も重要となります。PMSの症状は、排卵が終わって月経に至るまでの期間(黄体期)、特に黄体期の後半となる月経前5~7日に出現することが多く、月経開始までの数日間以上持続し、月経開始後数日以内に症状が軽快・消失します(図24)。なお、症状の出現時期には個人差があり、月経が始まってもしばらく症状が続く方や、月経開始後に症状が強くなる方もいます。
月経は痛みを伴ううえ、月経前からPMSの症状を意識していると、1ヵ月の半分以上は月経にとらわれてしまうことになります。そのため、産婦人科医は、いかに月経を不快に感じずに過ごせるかを意識しながら診療する必要があります。

(商品名:レクサプロ)とは エスシタロプラムはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)に分類される抗うつ薬で「レクサプロ ..

PMS、PMDDは閉経女性、卵巣摘出女性には起こりません。発症には排卵により産生される黄体ホルモン、あるいは代謝産物(allopregnanorone)(以後両者含めて黄体ホルモン関連物質といいます)上昇が原因であることに疑問をはさむ余地はありません。症状は黄体ホルモン関連物質の変動に関連して起こっています。最近の研究ではどちらかというと黄体ホルモン代謝産物(アロプレグナノロン)の脳内活動に対する作用という説が主流です。しかし、どの研究でも黄体ホルモン値そのものの異常は認められていません。図1に黄体ホルモン,あるいはアロプレグナノロンの作用の概要を示しました。PMS、PMDDに関連するのは主に性器外作用の部分です。図1に示したように身体症状と精神症状が関わり合い、PMS、PMDDの複雑な身体、精神症状が構成されるといってよいでしょう。黄体ホルモン関連物質が抑うつ作用を誘導するメカニズムに関しては必ずしも明確ではありません。ただし、抗うつ剤、とくにSSRI系抗うつ剤が有効であることから黄体ホルモン関連物質が何らかのメカニズムでセロトニン作動性ニューロンに影響を与えていることが考えられます。つまりPMS、PMDDの精神症状の本質は黄体ホルモン関連物質によって誘導される周期的うつ状態といってよいでしょう1)。かくしてPMS、PMDDでは身体症状に精神症状がいろんなバランスで加わり、複雑な症状を引き起こしていると考えるますと症状をもつ患者様の受け入れが容易となります。臨床的には症状パターンは画一的でなく、ある女性は精神症状が強く出て、ある女性は身体症状が強く出る。いろんなバランスで個々の症状が出るのが特徴であると考えると症状の把握に困ることはありません。共通して言えることはそれらの症状が月経前3~10日から起こり、月経中に軽快することだけです。

SSRIは三環系抗うつ薬と比較すると副作用が少なく、十分な効果が期待できる薬剤です。セロトニン系に作用する薬剤であるため、副作用としては、主に吐き気・下痢・不眠・性機能障害などが出現することがあります。

また、PMSで精神症状が重篤な場合を月経前不快気分障害(PMDD)と呼んでいます。 ..

カフェインや塩分・糖分だけではなく、ビタミンやミネラル、タンパク質や糖質など食事のバランスが全体に乱れていると、月経前症候群(PMS)の症状が不安定になります。

米国産婦人科学会によるPMS診断基準では、過去3回の連続した月経周期において月経前5日間に精神的症状(抑うつなど)および身体的症状(乳房緊満感・腫脹など)のうち、少なくとも1つが存在することと定義しており(表15)、欧米と同じ診断基準を用いたわが国の研究では社会生活困難を伴うPMSの頻度は5.4%であったことが報告されています6)
一方、DSM-5のPMDD診断基準(表2)はより厳密で、月経前の1週間に情緒不安定などの症状〔基準B、(1)-(4)〕が1つ以上、そのほかの症状〔基準C、(1)-(7)〕を含めて5つ以上の症状がほぼ毎周期出現し、月経が始まると改善、月経開始後1週間で消失または最小限になること、症状の程度は「日常の仕事・学業などができなくなるほど」とされています3, 4)。さらに過去1年間の症状の有無、診断後の2周期でも症状が認められるか等の条件もあります。
産婦人科医の視点では、PMSとPMDDは連続して起きる疾患と捉えており、PMSとして診療するなかで精神症状が顕著な場合や、月経周期との関連がないと思われた場合には、精神科医に連携を依頼しています。また、PMSとPMDDは個々人で異なり、さらに月経周期ごとに変動することから、明確に区別することは困難であると考えています。

PMS/PMDD診療における注意点、他疾患との鑑別のポイントについて、産婦人科医の視点からいただいた解説をお届けします。

PMS/PMDDと鑑別すべき婦人科疾患として子宮内膜症、子宮筋腫、更年期障害があります(表34)。子宮内膜症は、慢性的に下腹部痛や骨盤痛を呈し、精神の不安定やいらだちなどが二次的にみられ、月経が始まると痛みが強まることから、PMS/PMDDと比較的鑑別しやすい疾患といえます。一方、子宮筋腫では、月経前にしばしば筋腫が増大し、腹部膨満感や痛みが出現するため、PMS/PMDDと類似した症状が現れます。
また、40歳代の女性については、疲れやすさや気分の落ち込みを訴え、更年期障害を疑って受診した方がPMS/PMDDであることは少なくありません。PMS/PMDDと更年期障害は相互排除的なため、産婦人科医にとって鑑別は難しいものではありません。しかし、40歳代は月経が不規則になる年代であることから、他領域の医師には注意していただきたい疾患です。
そのほかPMS/PMDDと鑑別すべき内科的疾患として、甲状腺機能異常、神経疾患、心疾患などがあり、これらの疾患では慢性疲労症候群、線維筋痛症、片頭痛、過敏性腸症候群などといったPMDDと類似した症状を呈することもあります。

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外傷後ストレス障害(PTSD)などに対して使用することも ..

PMSが西洋で医学的に認められたのは、意外に遅く、1940年代Robet T Frankの月経前緊張症(Premenstrual tension)のホルモン原因説を提唱、1953年Dalton & Green がPMSに関する論文発表を行ってからでです。その後しばらくは、科学的研究が進んでいませんでした。時を経て1980年代から女性の地位向上を契機にPMS、PMDDの研究が進みました。1989年PMS(のちにPMDD)の診断基準が米国精神科学会(American Psychiatric Association 、APA)精神障害の診断と統計マニュアル:DSM)に掲載されました。その後1994年DSM-Ⅳ、2000年DSM-Ⅳ-TRに継続的に掲載され、修正が進みました。2002年選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRI がPMDD治療で初めてFDA承認されました。一方、産婦人科分野では米国産科婦人科学会が2005年Motolaの論文1989をPMS診断基準として採用しました。2006年にDrosp含有低用量エストロゲンープロゲスチン配合薬(LEP、日本では月経困難症治療薬)がFDA承認薬となりました。2007年英国産科婦人科学会がPMSガイドライン、治療を掲載しています。2013年米国精神科学会はDMS-V発行、PMDDを一部修正し、うつ病性分類の中に入れました1)。ここで初めてPMS、PMDDの精神症状部分の本質は周期的うつ状態であることが明確になったわけです。このようにPMS、 PMDDは産婦人科と精神科の相互にまたがる病態ではありますが、重症を扱う精神科が先行、関連薬剤(抗うつ剤 SSRIがPMDDでFDA承認を得た経緯があります。その後、ホルモン製剤であるDrosp含有低用量エストロゲンープロゲスチン配合薬が承認されました。しかし、PMS、PMDDに関する多くの論文が診断基準の明確で重症を扱うPMDDで発表されているので、ほぼ同じ病態の疾患であるにもかかわらず、PMS承認薬はないがPMDD承認薬はあるという問題を起こす結果となっています。2つの疾患は病態が共通していながら、PMSは産婦人科疾患として、PMDDは精神科的症状に主点を置くために一部に精神科疾患として扱われてきた経緯がありました。しかしWHO疾患分類ICD 10以来、精神科疾患とWHO疾患分類の調整が行われ、2019年6月にWHOはICD-11(世界標準の疾患分類)を作成し、PMDDは疾患分類上、産婦人科疾患の分類にはいることが正式決定しました2)。このことによって研究論文の多いPMDDが産婦人科疾患として対応することに矛盾がないことになりました。いままでわが国では保険適用薬がなかった疾患が正式に適用薬を含めて議論できるようになったといってよいでしょう。今、我々は関係団体を通じてPMDDの疾患名と適用薬の申請作業に入っています。いずれにしてもPMDDが産婦人科疾患として堂々と議論できることは長足の進歩といえるでしょう。

PMS)と 月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder

更年期はほとんどの人に少なからず症状が出現します。更年期障害を主訴に直接婦人科を受診される方もいますが、身体的な症状で他の診療科を受診されたものの(例えば、動悸で循環器内科、めまいで耳鼻科など)異常が認められず、婦人科を紹介されて受診する方もいます。また、この世代は生活習慣病にも注意が必要なため、内科との連携も必要です。
「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020」5)では、更年期障害の診断に際しては、明らかな器質的疾患の存在を否定したうえで、特に甲状腺疾患とうつ病には注意をはらう必要があるとされています(各推奨レベルB)。そのうえで、更年期障害への対応として、受容と共感を表出しながら患者さんの訴えを傾聴することが重要であると記載されています(推奨レベルB、図5)。治療法は多岐にわたりますが、主な症状がホットフラッシュ、発汗、不眠などの場合はホルモン補充療法(HRT)(推奨レベルB)が、不定愁訴の場合は漢方療法など(推奨レベルC)が推奨されています。それぞれの治療法のメリットとデメリットを説明したうえで、患者さんとよく相談しながら治療方針を決定します。
更年期の精神症状に対する薬物療法としては、うつ症状を伴う更年期障害にはHRTを用いるとされています(推奨レベルB、図6)。精神症状が重い場合は向精神薬の使用、うつ状態に対してはSSRIやセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などの抗うつ薬を用いることが推奨されています(各推奨レベルC)。しかし、これらの処方は産婦人科では難しいことも多いため、希死念慮のある場合や双極性障害が疑われる場合などは、精神科などの専門医に紹介します(推奨レベルA)。希死念慮の確認は躊躇するかもしれませんが、明確に「死にたくなるようなことがありますか?」と訊いたほうがよいと感じています。
更年期障害の診療では、産婦人科と内科、精神科・心療内科との連携が非常に重要であり、各科の専門性を活かしつつ、どのように連携を図っていくかが課題です(図7)。この世代の女性は家庭でも職場でも大きな役割を担っていることが多く、「更年期とは認めたくない」、「仕事をしっかりこなしたい」と思いながらも、心身の不調で期待通りの成果が得られないジレンマに陥りがちです。患者さんの話をしっかり聴き、「なんとか更年期を乗り切りましょう」と声掛けをしながら、ご本人が納得できる治療法を提案することが一番の解決策ではないかと考えています。

PMDD)といい、特に月経前の気分の落ち込みが重症で、日常生活に支障を ..

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PMSは精神疾患との関連があることがあり、うつ病の方がPMSやPMDDもお持ちになっているケースがあります。月経前増悪といって、精神疾患の症状が月経前に悪化してしまい、生理が始まってからも症状が続いてしまうことがあるのです。その場合には、基礎となる精神疾患の治療をしっかりと行うことが大切です。すでに心療内科・精神科に通院されている方は、まずそちらでの治療を優先していただければと思います。適切な治療を進めていくことができるよう導いていきたいと思っていますので、毎月のことだと我慢せず、「PMS・PMDDかもしれない」と気になった方はぜひ一度お越しください。

プロスペクティブにPMSと診断され月経前不快気分障害(PMDD)または ..

月経前に身体的・精神的変調を来す女性の存在は、婦人科領域において古くから知られており、1931年に「月経前緊張症」として論文発表され1)、1953年には英国のDaltonらによって、エストロゲンとプロゲステロンの変動により月経前に特徴的な症状を繰り返す状態を「月経前症候群(PMS)」として命名されました2)
精神科領域では、1987年のDSM-ⅢにおいてPMSの重症型で精神症状が強い症例を「黄体後期不快気分障害(LLPDD)」と定義され、1994年のDSM-Ⅳでは特定不能のうつ病性障害の1つとして「月経前不快気分障害(PMDD)」という疾患概念が規定されました。そして2013 年の DSM-5では、PMDDは抑うつ障害群のカテゴリーに分類され、大うつ病性障害とは独立したうつ病の1つとして定義されました3, 4)
米国産婦人科学会では、多岐にわたるPMS症状の中から仕事や対人関係への影響が前面に出ている状態をPMDDとし、PMSの特殊型と捉えていることから、独自の診断基準は策定されていません(図14)。PMSは様々な精神的・身体的症状を包含する症候群で、PMDDは主に精神症状を主体としたうつ病の一種として捉えられています。