泌尿器科医>扁桃炎/扁桃周囲炎の対処について30歳代で深頸部膿瘍、喉頭蓋炎などを疑う所見に乏しく、溶連菌/アデノウイルスは両方陰性。
起炎菌として最も多いのは,A群β溶血連鎖球菌()であり,成人の咽頭炎のうち5~15%,小児では15~30%を占め,急性リウマチ熱や糸球体腎炎を稀に発症する。Centor基準の陽性項目数が違うと,溶連菌迅速検査の感度が異なる(61~97%)。
急性喉頭蓋炎はインフルエンザb菌などが原因で発熱と咽頭痛を訴え時間単位で急速 ..
のどの炎症で最も危険なのが、急性喉頭蓋炎という病気です。舌の奥の付け根に喉頭蓋という軟骨があり、この下には声帯があり気管、肺へと続きます。喉頭蓋が炎症で腫れると空気の通るところが狭くなり、その下へ空気を送り込むことが難しくなります。急速に進行することも多く、治療が遅れると窒息する危険性があります。激しいのどの痛み、くぐもった感じの声の変化、口の中をみてもむしろ異常所見がない(腫れているのはもっと奥なので)ときはこの病気が疑われます。
咽後膿瘍を疑った場合は造影CTが確定診断となる。椎体前面の腱膜の前方に位置し,頭蓋底から気管分岐部付近にまで及ぶ潜在空間を咽後腔と呼ぶ。咽後腔はリンパ節群を有し,鼻咽頭,アデノイド,後方の副鼻腔などからのドレナージを担っている。発症早期では咽後腔に非膿瘍性の反応性浮腫を反映した所見を認め,膿瘍を形成するとリング状増強効果を伴う。
の鑑別(深頸部膿瘍、細菌性喉頭蓋炎、細菌性気管炎、細菌性肺炎)を診察.
のどが痛いとき、たいていは全体が炎症をおこして赤くなっていることが多いです。風邪でも赤くなりますが、風邪はのど以外にも症状があり、原因がウイルスなので抗生剤は効きません。
のどに限局して炎症をおこしているとき、細菌感染が疑われる場合は抗生剤で治療します。また、炎症が強いとき、しばしば溶連菌感染によることがあります。これは、抗生剤を決められた日数だけきちんと服用しないといけません。唾液で人へ感染する可能性もあり、注意が必要です。
一方で残り割の細菌性は抗菌薬といってばい菌をやっつけるお薬が必要になります。細菌性の中でも特に咽頭炎で可能性が高い菌が溶連菌です。子供に多い病気と認識されておりますが、大人にも原因となりえる菌なので注意が必要です。
急性喉頭蓋炎では急激に気道閉塞に至る可能性があり,緊急対応を要する。身体所見 ..
推奨: A群連鎖球菌が検出された咽頭炎・扁桃炎の3歳以上の小児に対して、臨床症状の改善、リュウマチ熱等の合併症予防や周囲への伝播防止を考慮した場合、ペニシリンを投与することを推奨する。
Centor基準では,扁桃の白苔,有痛性前頸部リンパ節腫脹,咳嗽がないこと,発熱の4つの項目のうち,満たすものが1つ以下であれば抗菌薬投与は不要であり,2つ以上満たす場合には適宜,溶連菌迅速検査を組み合わせて抗菌薬投与を決定することを推奨している。
咽頭痛を訴える患者では、急性喉頭蓋炎、深頸部膿瘍(扁桃周囲膿瘍、咽後膿
解説: 小児の咽頭炎・扁桃炎の多くはウイルス性で、アデノウイルス、エンテロウイルス、単純ヘルペス、EBウイルスなどが原因となる。細菌ではA群連鎖球菌によるものが圧倒的に多い。抗菌剤の投与効果が証明されているのはA群溶連菌による咽頭炎・扁桃炎だけである。また、
穿刺吸引と切開のどちらが良いかについては穿刺の方が再発率が高いという報告はあるもののエビデンスの質が低いこともあり結論はでていません。(6)簡便性や侵襲度を踏まえると穿刺の手技を習得できるといいですね。耳鼻科医、穿刺になれた救急医に教えてもらいながらチャレンジしてみましょう。最近ではYoutubeに穿刺手技の動画がアップされていますので参考にしてみてください。
穿刺後は抗菌薬で治療します。嫌気性菌をカバーした抗菌薬(点滴ならアンピシリン・スルバクタム、内服であればアモキシシリン・クラブラン酸)が望ましいです。
疼痛が強く飲食ができない場合や、他の膿瘍を合併している場合、ショックや敗血症を合併している場合等では入院加療が必要ですが、症状も改善し飲食ができる場合には外来での加療も検討されます。穿刺吸引のみで94%が治療成功します。(7)ただ5%程度は再びドレナージが必要になるためできれば耳鼻科専門医のバックアップがある病院での治療が望ましいです。
その後の症例の経過:
救急外来で膿瘍を穿刺・吸引しました。咽頭痛は改善したため抗菌薬内服の上、翌日に耳鼻科医が常駐している総合病院に紹介となりました。
Take home message:
1 Killer sore throatを鑑別にあげ、診断できる
2 気道緊急を伴っているか判断できる
3 扁桃周囲膿瘍の治療(膿瘍穿刺)をできる
引用文献:
(1) Cirilli AR. Emergency evaluation and management of the sore throat. Emerg Med Clin North Am. 2013;31(2):501-515.
(2) Lee SH, Yun SJ, Kim DH, Jo HH, Ryu S. Do we need a change in ED diagnostic strategy for adult acute epiglottitis? Am J Emerg Med. 2017;35(10):1519-1524.
(3) Froehlich MH, Huang Z, Reilly BK. Utilization of ultrasound for diagnostic evaluation and management of peritonsillar abscesses. Curr Opin Otolaryngol Head Neck Surg. 2017;25(2):163-168.
(4) 救急・ERエッセンシャル手技、MEDSI出版、北原 浩
(5) Pfenninger and Fowler's Procedures for Primary Care, Fourth Edition, Elsevier
(6) Chang BA, Thamboo A, Burton MJ, Diamond C, Nunez DA. Needle aspiration versus incision and drainage for the treatment of peritonsillar abscess. Cochrane Database Syst Rev. 2016;12(12):Cd006287.
(7) Herzon FS. Harris P. Mosher Award thesis. Peritonsillar abscess: incidence, current management practices, and a proposal for treatment guidelines. Laryngoscope. 1995;105(8 Pt 3 Suppl 74):1-17.
溶連菌による咽頭炎を無治療では重症化して、入院や外科的処置が必要となることがあります。 ○急性喉頭蓋炎 ..
influenzaeの胆嚢炎
いくつかの症例報告がある。Hib、NTHi両方で報告されている。 【耐性の機序】
①β-ラクタマーゼ産生 (TEM-1と ROB-1のいずれか)
②fts-1遺伝子の変異(ペニシリン結合蛋白3の変化によりアンピシリン・アモキシシリンに耐性となる。アメリカでは稀だが日本で多い)
β-Lactamase Producing Ampicillin Resistant (BLPAR) ① AMPC/CVA ABPC/SBTで治療可能
β-lactamase negative and ampicillin resistant (BLNAR) ② AMPC/CVA ABPC/SBTに耐性。
β-Lactamase Producing Amoxicillin/Clavulanate Resistant (BLPACR) ①+②両方の耐性機序を持つ。 【治療】
(参考分献)このサイトの監修者 亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長 細川 直登
【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育
主な起炎菌は肺炎球菌やインフルエンザ菌で、その5~15%は化膿性髄膜炎、肺炎、関節炎、急性喉頭蓋炎、骨髄炎に進展する。
溶連菌感染症では,抗菌薬治療を行わない場合,感染症状は7~10日間持続する。抗菌薬を投与すると感染症状持続期間を24時間に短縮でき,ほとんどの合併症を予防できる。
Hibワクチンが導入された国では、Hibによる髄膜炎、喉頭蓋炎がほぼ消失しています。
※合併症の急性リウマチ熱、急連鎖球菌後糸球体腎炎などが怖いから抗生剤投与を考慮。ただし、溶連菌感染であれば発症2,3日中に抗菌剤を処方すれば病悩期間が1~2日短くなるが、大人ではリウマチ熱や糸球体腎炎の合併はほとんどない。
喉頭蓋炎 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 176
<Key Points>(1)急性咽頭・扁桃炎の原因の多くはウイルス性である。(2)原因微生物が細菌の場合、A群β溶血性レンサ球菌の頻度がもっとも高い。(3)A群β溶血性レンサ球菌による咽頭・扁桃炎に対する第一選択薬として、「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017」ではアモキシシリン(AMPC)が推奨されている。(4)咽頭痛を訴える小児の診療の際には、急性喉頭蓋炎や咽後膿瘍などの危険な疾患が隠れていることがあるため注意が必要である。
敗血症、急性喉頭蓋炎、髄膜炎、関節炎などの起因菌として重要です。一方、無莢膜型は
※ただし、EBウイルス感染症にアモキシシリンは皮疹の副作用あり禁忌。
※コンプライアンス不良なら投与回数の少ないマクロライド系を処方()。ただし、耐性が多い。
※ペニシリンアレルギー→クラリスロマイシン(クラリス®400mg分2を10日)、クリンダマイシン(クラリシッド®200mg2T分2)
※炎症が強いときは
※急性扁桃腺炎にはが推奨されている。抗菌薬投与により、
①症状改善までの期間が数日短縮する。
②リウマチ熱などの合併症を予防できる。
この喉頭蓋に感染がおこる(多くはインフルエンザ菌という細菌の感染)と、急性喉頭蓋炎という病気を発症します。 ..
確定診断のためには、急性喉頭蓋炎を疑った場合には喉頭ファイバーを使用します。その他扁桃周囲膿瘍や咽後膿瘍、Lemierre症候群、Ludwig anginaを疑った場合には造影CTを撮影します。
質問3:診断名は?
図3 頸部造影CT
溶連菌感染症に対するアモキシシリン1日1回治療法のリアルタイムPCRを用いた定量解析.
推奨: 小児(生後6ヶ月から5歳)の中等症・重症の喉頭気管支炎(仮性クループ)に対して、臨床症状の改善を考慮した場合、アドレナリン吸入を行うことを推奨する。
急性喉頭蓋炎ではストライダーをはじめ流涎(りゅうぜん)、すなわち痛みにより ..
特に急性糸球体腎炎は溶連菌感染から1~3週間後に発症し、むくみなどの症状を引き起こしますが、まれに重症化や慢性化する場合もあります。したがって
アモキシシリン/クラブラン酸は、β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗菌薬で、本邦で
急性喉頭蓋炎では急激に気道閉塞に至る可能性があり,緊急対応を要する。身体所見,頸部軟線検査,経鼻喉頭ファイバーにより診断する。必要であれば直視喉頭鏡で確認するが,呼吸状態を悪化させないように注意する。
パセトシン(アモキシシリン)1回500mgを1日3回内服 5-7日間 ..
乳幼児の耳管は、大人に比べて短く、水平になっています。そのため、鼻咽腔の細菌が容易に耳管から中耳に入り込みやすい構造になっています。
耳管については、以前のTopics で詳しく書いていますので、ご覧ください。
(sniffing positionやtripod position)
推奨: 小児(生後6ヶ月から5歳)の中等症・重症の喉頭気管支炎(仮性クループ)に対して、臨床症状の改善、入院率の低下を考慮した場合、デキサメタゾン(0.15mg/kg)を経口で単回投与することを推奨する。
A群溶連菌による咽頭炎は、咽頭に集中的に炎症を起こしますので、咳が出 ..
図2 急性喉頭蓋炎の頸部造影CT
扁桃周囲膿瘍は、扁桃周囲隙の感染により膿瘍を形成する疾患です。症状は嚥下障害や流涎、開口障害や「Hot potato voice」といわれる含み声が出現します。身体所見では、口蓋垂が偏位して見えることが特徴です。診断は一般的に造影CTで行われますが、超音波でも診断が可能だったという報告もあります。(3)
咽後膿瘍は、咽頭外側間隙や咽頭後間隙などに膿瘍形成を来す疾患です。発熱や咽頭痛に加えて、頚部痛や頸部可動域制限、斜頸、嚥下障害・嚥下時痛、含み声といった症状がでてきます。また膿瘍を形成する部位により開口障害も出現します。
Ludwig anginaは口腔底蜂窩織炎とも言われ、両側の顎下間隙の感染により起こす疾患です。症状は嚥下障害を生じ、身体所見では顎下の腫脹・圧痛を認めます。また喉頭蓋まで炎症が波及し、Stridorなども出現することがあります。
Lemierre症候群は、内頸静脈に感染性の血栓性静脈炎を来す疾患です。先行する咽頭炎の1~3週間後に発症します。代表的な身体所見では下顎から胸鎖乳突筋に沿った痛みや腫脹です。診断には血栓の存在を見るために超音波や造影CTを行います。