糖尿病の薬(SGLT2阻害薬)~スーグラ、フォシーガ等~


2014年4月から各社より発売の新薬(飲み薬)です。
血糖を尿糖として体の外に出してしまい血糖値を下げる薬です。
1日でおよそ200-300kcalのエネルギーが尿糖として排出されるために体重を減らす効果もあります。
単独では低血糖の危険はほとんどないとされていますが、SU薬やインスリンといっしょに使う場合は注意が必要です。
血糖値が正常でも尿糖がでたり1,5-AG検査値が正常以下に下がったりと検査値に影響を与えるため糖尿病の診療がしづらくなるという欠点はあります。
BMIが22以下と体重が少ない人には向いていません。
当院の患者さん約350名での統計では平均でHbA1cは3か月で0.54%減少、体重は18か月で4.3kg減少、内臓脂肪面積や血圧も減少しています。


フォシーガは商品名で、一般名(成分名)はダパグリフロジンです。

もう少し詳しく説明すると、血糖値は、すい臓から分泌されるインスリンの分泌量が減ってしまったり、出なくなってしまう事が原因で上がってしまいます。
冒頭で「ブドウ糖は、インスリンの力を借りて細胞内(筋肉等)に取り込まれてエネルギー源となる」と書きましたが、インスリン分泌が保たれている限り、食事から得たブドウ糖が多すぎてもエネルギーに変換して体内に取り込む事が出来るので血管の中には残りません。
取り込まれたエネルギーのうち余ったものは、脂肪細胞等に取り込まれて結果的に太ってしまいますが、血糖値は上がりません。
糖尿病になってしまった人は、少なからずインスリン分泌が障害されているのです。

フォシーガ以外は1日1回朝食後の縛りがあるが、フォシーガはいつ服用してもOK。しかしながら就寝時のトイレの回数が増えることを考えれば、朝か昼にせざるを得ない。

フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)の適応としては、以下が認められています。

加藤先生:尿糖がどのくらい出ているか、SGLT2阻害薬服用患者を中心に402件のデータを見てみたところ、そのうち98件、24%が5,000mg/dL以上の尿糖を計測しました。一番高かったのは8,870mg。どういう人が異常に高値だったかをみてみると、やはり血糖コントロールが悪い人ほど尿糖はたくさん出ていました。つまり血糖値が高ければ高いほど尿糖値も高い。そこに相関があるのは事実です。さらなる詳細は現在データをまとめているところです。また、一日の尿糖値の変化をみてみると、空腹時でも尿糖は排泄されており、食後に上昇。特に、食事量が多いと尿糖も増加していました。

あと、SGLT2阻害薬は腎血流量の低下を介し糸球体過剰濾過を改善するという腎保護作用があることがEmpa-Reg Renal試験で注目されています。実際に尿糖排泄量の把握が重要であるため有効性の指標となり、尿糖測定値によって薬を継続すべきか有効性が低いのかを、検討できるのではないかとも考えています。

フィットクリニックではフォシーガ(5mg/10mg)の処方を行っております。

編集部:SGLT2阻害薬は尿糖排泄を促進する薬剤ですが、排泄された尿糖の値は一般的にあまり議論の対象にはなっていません。そもそも把握する必要はないのでしょうか。

加藤先生:基本的には、HbA1cや血糖値の変化(減少)を見ていれば、薬の効果がわかるので、今のところ、それ以上の必要はないと思っている部分があるのかもしれません。この新機序の薬が発売されてから時間があまり経っていませんので、長期的に尿糖値をウオッチし、排泄の値を知ることで何がわかるのか、その情報をどう活用すればいいか、検討していく価値は大いにあると思っています。

フォシーガ5mg・10mgの処方価格(服用したことがある方)

尿糖測定は、試験紙や測定器に尿をかけると、尿中に排泄された尿糖が定量できるというもので、自宅で誰でも手軽に使用できる測定法として活用されています。尿糖試験紙は主に尿中の尿糖排泄有無の判定に活用されているのに対し、尿糖測定器は排泄された尿糖が数値でわかるので、排泄量の変化をモニターするのに適しています。

通常、尿糖計は0〜2,000mg/dLの尿糖値を測定できるものが汎用されていますが、近年では200〜5,000mg/dLまで測定できるワイドレンジモデルが登場し、特にSGLT2阻害薬服用者の尿糖排泄状況を確認できるとして期待が寄せられています。


フォシーガ(ダパグリフロジン)の一般的な副作用には、以下が挙げられます。


尿は、腎臓で血液を濾して作っていることを説明しました。

血液が濾されて、原尿ができた時には、ブドウ糖はたくさん含まれていますが、体外にでるまでに、再吸収されて、尿は無糖に近い状態になります。

(健常者でも、尿には2-20mg/dlの少量のブドウ糖は含まれており、完全な無糖ではありません。)

では、どうして、尿中にブドウ糖が漏れてくるのでしょうか?

その理由は、原尿から大切な物質は再吸収しているものの、この再吸収する能力には限界があるからです。

例えば、ブドウ糖であれば、血液中のブドウ糖の濃度(=血糖値)が、160〜180mg/dl を超えて高くなると、尿細管で再吸収しきれなくなり、尿にブドウ糖がもれてきます。

つまり、という事を意味しています。

(* 血糖値が正常範囲でも、生来体質的に、尿糖を再吸収する閾値が低く、尿中にブドウ糖が漏れる腎性糖尿の方もいます。)

参考文献:

フォシーガによる糖の排出量は、1日あたり約200~500kcalと考えられています。

フォシーガ(ダパグリフロジン)は、2型糖尿病の治療薬として開発された薬であり、本来の目的は血糖値を下げることです。フォシーガが体重を減らすために設計された薬ではありません。

フォシーガの副作用で死亡する可能性はほとんどないと考えられています。

しかし、フォシーガは、糖尿病患者において、尿中に排出される糖の量を増やすことで、カロリー摂取量を減らすことができます。これにより、一部の糖尿病患者において、体重が減少する可能性があります。

[PDF] SGLT2 阻害薬投与前後の血糖ならびに 尿量変化について

また、フォシーガにはいくつかの副作用が知られており、尿路感染症、膀胱がんのリスクの増加、低血糖、脱水などが報告されています。これらの副作用については、医師に相談することが重要です。

における24時間の尿糖排泄量は、腎機能が正常である2型糖尿病患者では


尿糖の有無を調べる場合には、尿中のブドウ糖の量を測定することも可能ですが、一般的には、簡便な試験紙法を用います。

試験紙法の原理は、グルコースオキシダーゼ法が一般的です。

尿糖検査の結果は、(-)(+-)(+=1+)(2+)(3+)(4+)などと表記されます。

+の数が多いほど、尿中のブドウ糖が多いことを示します。

どのくらいのブドウ糖が尿中に漏れているのかは、尿試験紙のメーカーによって、+の基準が異なるため、一概には言えません。

多くの試験紙では、(+-)以上は異常である、つまり、健常者でみられるよりも多くのブドウ糖が尿中に漏れていることを示します。

尿試験紙の例として、
アークレイ社 オーションスティックスのブドウ糖の表記を確認すると、

尿糖:
(+-) 50mg/dl、 (+)100mg/dl、
(2+)200mg/dl、(3+)500mg/dl、
(4+)1000mg/dl となっています。

健常者の尿中のブドウ糖の量は、20mg/dlまでですので、(+-)は、異常と判断されます。



その他のメーカーとして、テルモが販売しているウリエースKcがあります。

ウリエースKcでは、
尿糖:
(+-)50mg/dl、 (+)100mg/dl、
(++)500mg/dl、
(+++)2000mg/dl
となります。

(+-)以上だと、尿糖は基準値よりも多くなります。



血糖値が高くなるほど、尿中へのブドウ糖の排泄量は多くなります。

そのため、尿中にブドウ糖が多く漏れている(=+が多い)ほど、血糖値が高いと考えても差し支えないでしょう。

最後に、尿糖の検査は、

① 尿は濃くなったり、薄くなったりする。

② ビタミンC(アスコルビン酸)を多量摂取すると、陰性化することがある。

ため、あくまでスクリーニングであり、正確な値を知ることはできません。

実際の血糖値や一日の尿糖の量を知るためには、別の検査が必要です。



◼ 尿中へ糖を排出し、血糖値を下げます(尿検査で尿糖が陽性になります ..

フォシーガの有効成分の働きによって、余分な糖の排出を促すことで、上がった血糖値を下げます。尿量も増加することから、体重減少にも効果が期待できると考えられています。

SGLT-2阻害薬はこの尿細管での糖の吸収を抑えて、そのまま尿の一緒に糖分を排泄するようにします。 ..

DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例を対象に、フォシーガ10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した国際多施設共同無作為化二重盲検第Ⅲ相試験です。フォシーガ は1日1回、ACEiもしくはARBによる治療と併用されました。複合主要評価項目は、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、心血管または腎不全による死亡)リスクでした。副次評価項目は、腎機能の複合評価項目(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間でした。試験は日本を含む21カ国で実施されました 1。結果は に掲載されました 1

フォシーガ錠10mg(小野薬品工業株式会社)の基本情報・副作用

余談ですが、阻害薬は余分な糖の排泄、尿量増加によるダイエット効果が期待できるため、一部の自由診療クリニックなどで若年女性などをターゲットに、糖尿病ではないがダイエットをしたい、という方に向けて自費で処方されているようです。しかし、これまで述べてきたような注意点に留意し、処方に精通した医師が慎重に投与すべき薬と考えますので、私はあまり好ましくないことだと考えています。

フォシーガ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)


皆さんは、尿がどのようにして、作られているか、御存じでしょうか?

尿は、血液を腎臓で濾過することで作られています。

イメージとしては、水道の蛇口につける濾過機を想像して下さい。

濾過機は、汚水をフィルターに通すことで、不純物を除き、キレイな水にする事ができます。

腎臓は、体内の血液中の不要物を尿として体外にだす働きがあり、その働きは、濾過機に似ています。

濾過機は、ただ液体をろ過してして、不要物を除去しているだけですが、

腎臓は、蛇口につける濾過機よりも、ずっと高性能であり、多くの機能をもちます。

腎臓が尿を作る際には、下記の順番で作っています。

① 血液を毛細血管のかたまりである糸球体で濾過して、原尿(=ろ過した血液)を作ります。

② 原尿(=ろ過した血液)を、尿細管と呼ばれるところなどで、体にとって大切な物質(例:水分・電解質・栄養素など)を再吸収します。

③ 残った老廃物・水分を尿として体外にだします。

原尿を、そのまま体外にださずに、再吸収している理由は、

健常者では、原尿は、1日あたり約150リットルに及ぶため、水分を再吸収せずに、そのまま排泄すると死んでしまうからです。

また、原尿の中には、ブドウ糖や電解質などの生命維持に必要な物質が多量に含まれており、それらも再吸収しています。



参考文献:

簡単に言ってしまえば尿に糖を排泄する働きを持った薬です。日本で発

フォシーガ錠は5mgと10mgがあり、必要性や用途に応じて量を調整していきます。

[PDF] 2 型糖尿病患者における SGLT2 阻害薬の血糖推移と尿量に関する検討

フォシーガは、有効成分の配合量により5mgと10mgの2種類に分けられます。基本的に、2型・1型糖尿病の治療に使用する場合は5mgから服用を開始。効果が不十分のときは10mgへの増量が検討されます。