【医師解説】妊娠中の花粉症治療-使える薬と薬に頼らない花粉症対策
「妊娠中に牛乳や卵、大豆をとらないように食事制限したほうがアレルギーの発症が抑えられる」という報告も過去にあったのは事実です。しかし、その後の研究や報告で、これについてはどうも違うらしいということがわかっています。
つまり、現在では、「お母さんが妊娠中に卵や牛乳をとってもとらなくても、赤ちゃんのアレルギーの発症率は変わらない」と言われています。
食べ過ぎや飲み過ぎには注意が必要ですが、「赤ちゃんのアレルギーを心配して食事制限をするよりも、バランスよく栄養をとったほうがいい」というのが、いまの考え方の主流になっています。
大切なのは偏らない食事を心がける事、特定の食材ばかり極端に食べ過ぎないように1日の摂取量を考える事です。
妊娠中でも花粉症の治療はできます。 赤ちゃんに影響の少ない順に治療法を挙げると、レーザー治療>点鼻、点眼>全身投与(内服)の順です。
そのうち、大規模な疫学研究結果があるのは、ジルテック®(セチリジン)とクラリチン®(ロラタジン)です。アレグラ®(フェキソフェナジン)も、中規模ながらデータがありますので、比較的安心して投与することができます。
妊娠中の胎児への影響を考え、内服薬だけではなく、一部の外用薬でも妊娠中の使用が望ましくないものがあります。また内服が可能な薬であっても妊婦さんやご家族の方が服用を希望されないことも少なくありません。
妊娠の時期と症状に応じて、使用可能な薬を選んでいくことになりますが、妊婦さんやご家族のご希望をうかがいながら治療をすすめていきます。
妊娠後期は特に注意が必要です‼ ☆「サリチル酸メチル」が成分の湿布は、問題なく ..
妊婦さんや胎児の状態を考慮して診断や治療を行う上で、産婦人科との連携を欠かすことはできません。当院では当ビル2階のフロアにある巣鴨レディースクリニックなどと連携を取りながら治療にあたっていきます。
皮膚科だけを受診にきた時でも、産婦人科の受診をすすめられることもありますので、ご了承ください。また以前の妊娠出産歴についてお伺いすることもあります。
受診される際には母子手帳、お薬手帳をお持ちください。
妊娠中の薬については「治験」という形で安全性を証明することはできません。しかし使用された結果として問題がないかの調査の積み重ねから、アメリカ食品医薬品局(FDA)やオーストラリア医薬品評価委員会から安全性についての評価が公表されています。古くから使われている抗ヒスタミン剤の多くは安全性に問題がないとされますがいずれも眠気が出やすく、眠気の少ない新しい世代の抗ヒスタミン薬の中ではロラタジン(商品名でクラリチン等)、セチリジン(同じくジルテック等)が最も安全性が高いとされています。
妊娠後期に膣カンジダ症に罹ったときは、 出産までに治療を済ましておきましょう。 ②周産期には皮膚の清潔に心がけましょう
妊娠早期に全身にかゆみが出現し、掻きこわすと引っ掻き傷や色素沈着になりますが、直接かゆみを引き起こす発疹がみられない疾患です。特に手足が夜間に非常にかゆくなるものもあり、妊娠中期から後期に胆汁うっ滞を伴って生じることもあります。
妊娠の時期と症状に応じて、保湿剤の外用を主体に使用します。掻きこわして湿疹になった部位にステロイド外用薬を使用したり、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬を内服したりすることもあります。胆汁うっ滞をともなうものでは、産婦人科との連携が必要となります。
多くの方は出産後に改善します。
妊娠3か月ごろからかゆみのあるボツボツとした発疹が体や四肢にでてくる疾患です。2度目以降の妊娠で多いといわれていますが、初めての妊娠でもおこることがあります。
かゆみが強く、引っ掻いているうちに次第に赤茶色の固い発疹(痒疹)になり治りにくくなることが多いです。
治療は主にステロイド外用薬を使用します。妊娠の時期と症状に応じて抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬を内服することもあります。
出産後に軽快することが多いですが、次回の妊娠の時に再発することがあります。
アレルギール錠を妊娠中に服用してもよいですか? Q 妊婦・授乳中の使用・服用
はじめての妊娠の後期に多く、妊娠線のそばや体部、四肢に赤いかゆみのある発疹が出てくる疾患です。じんましんのように赤みのあるすこし盛り上がった発疹でかゆみを伴います。妊娠性痒疹とはっきり区別されにくいこともあり、同様の治療を行うことが多いです。
授乳中でもロラタジンやセチリジンの他、生後6ヶ月以上の乳児への適応のあるフェキソフェナジン(同じくアレグラ等)やレボセチリジン(同じくザイザル)なども安全に使えると考えられます。一方妊娠中に安全とされる旧世代の抗ヒスタミン薬は、乳幼児には眠気より興奮作用が問題になるので授乳中は一般的には控えた方が良いでしょう。
妊娠後期には、安全性が高いアセトアミノフェン(カロナールなど)を使用 ..
妊娠すると女性のからだ全身に変化が生じますが、皮膚にも様々な変化がおきてきます。
ホルモンバランスの変化により、色素沈着が起こりやすくなったり、多毛になったりする生理的な変化は多くの方に起こります。また体形や体重の変化により妊娠線や下肢静脈瘤ができることもあります。
もともと持っていたアトピー性皮膚炎などが増悪したり、妊娠をきっかけに妊娠性そう痒症などのかゆみを伴う疾患を発症したりする方も多いです。
妊娠中も仕事を続ける女性が増えているため、なかなか医療機関を受診できず、化粧品や市販薬で対応する間に悪化してしまうこともあります。
巣鴨さくらなみき皮膚科では開業以来多くの妊婦さんに通っていただいています。ひとりで悩まずにどうぞお気軽にご相談ください。
胎児毒性という点から考えれば妊娠後期に影響が強いと言えます。また ..
妊娠中は体の中の水分の量が増えるため、鼻症状が悪化することが知られています。赤ちゃんに対する影響をなるべく少なくするためには、点鼻ステロイドなどの局所治療薬を使うことをお勧めします。飲み薬の抗ヒスタミン薬でも安全性が確認されている薬はありますので、お医者さんに相談して処方してもらいましょう。
妊娠中・授乳中に使える花粉症の薬はある?薬の種類や注意点を解説
妊娠すると大きくなった子宮の影響で、一度下肢に下がった血流が心臓に戻りにくくなります。またホルモンの影響で血管が拡張しやすくなるため、下腿の血管がこぶのように広がり、その周囲に湿疹ができて来ることがあります。特に立ち仕事を続けている方に起こりやすいです。湿疹が悪化すると痒みを搔きこわした傷から潰瘍を形成したり、菌が入って感染をおこしたりすることがあります。
はやめに弾性ストッキングを着用し、悪化させないように気をつけることが重要です。湿疹性の変化に対しては、症状に応じて保湿剤やステロイド外用薬、潰瘍に対しては潰瘍治療薬などを使用することがあります。
妊娠中は身体を巡る血液量が増えますが、特に妊娠後期になるとその量はかなり増加しています。
外傷などがきっかけで、妊娠中以外の時でも生じます。出血しやすい血管腫で、一度出血し始めるとダラダラと続き、なかなか止血しません。子どもにもできることがあります。
特に妊娠中に大きくなることが多く、妊娠腫瘍とも呼ばれます。頭部や手指などにできやすいです。
赤い小さなできものができて次第に大きくなり、少し触れただけで出血し、一度出血すると止まりにくい性質があります。妊娠して体内の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の濃度が上昇することにより拡大すると考えられています。
出産後に自然に縮小することが多いため、出血しないように気をつけながら、ステロイド外用薬や液体窒素療法で出産まで経過をみたり、出血が続く時はレーザー治療や手術で切除したりしますが、再発する可能性もあります。
まれに悪性腫瘍で似た外観のものがあるため、気付いたらお早めに受診してください。
アトピー性皮膚炎から始まる“アレルギーマーチ”からわが子を守る方法
妊婦さんに関することは、かかりつけの産婦人科に相談するのが基本ですが、状況によってはすぐに受診できなかったり、受診するほどでもないけれど心配で相談したいということもあるでしょう。当院は内科ですが、ときどき妊婦さんが受診されます。そんな方に役に立つように、妊婦さんのお薬の使用について、基本的な考え方を内科的な視点でまとめてみました。妊娠さんにおいて100%安全なお薬は無いわけですが、できるだけ危険や不安が少なくなればと思っています。
お薬の危険性を考えるにあたっては、もともとお薬とは無関係に全ての出産において先天的な異常が発生する危険があることを忘れないでください。問題はこのベースラインの危険に比べて、お薬がどの程度の危険度の上昇をもたらすかという点です。
[PDF] 妊娠時の安全性評価・授乳中のカテゴリー Contents
妊娠により全身の状態が変化し、もともと持っているアトピー性皮膚炎の状態が変化することがあります。症状が良くなる方もいれば悪化する方もいます。
妊娠による体調不良などで外用できなかったり、皮膚が乾燥しやすくなったり、体調の変化で汗をかきやすくなったりして増悪することもあります。
基本的な治療は保湿剤とステロイド剤の外用療法になります。症状と妊娠の時期に応じて抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを内服することもあります。
子どものころにアトピー性皮膚炎があって、大人になってから落ち着いていた方の中に、首や手、乳首の周りなどに湿疹が残る方がいます。特に乳首の湿疹に対しては授乳開始前に治療をしておきましょう。
もっとも敏感な絶対感受期という時期ですので原則としてすべての薬剤はやめて下さい。 · 2)妊娠3~4か月
分娩後およそ2か月の頃から髪の毛が抜けだして薄くなることがあります。
人の頭髪は1本1本がそれぞれ成長期(2-6年)、退行期(2週間)、休止期(3-4か月)のサイクルで成長と脱毛を繰り返しています。
妊娠中は、体内の女性ホルモンのエストロゲンが増え、その影響で頭髪が抜けない状態に維持されています。ところが、分娩後にエストロゲンの量が急激に減少することで、頭髪が維持できなくなり、一気に抜けるために起こると考えられています。
半年ほどをかけて自然に回復することが多いので心配はいりませんが、中には薄毛が残る方もいます。
水のような鼻水(鼻汁)や痰(たん)、くしゃみ、鼻づまり、咳などの症状があるとき、かぜやアレルギー性鼻炎などのときによく処方されます。 ..
PROFILE:国立成育医療研究センター アレルギーセンター センター長。
国立名古屋病院小児科、国立小児病院アレルギー科などを経て、2002年から国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科医長、2015年に国立研究開発法人への改組を経て現在に至ります。小児アレルギー疾患(気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、消化管アレルギー)のガイドライン作成に委員として関わっています。
妊娠・授乳ともに、クラリチンやアレグラなどの第二世代抗ヒスタミン薬も大きな問題はないと考えられています。
妊娠中に飲める薬には、一般的に鉄分補給や貧血改善のためのサプリメント、母体の健康を維持するためのビタミン剤、風邪やインフルエンザの症状を和らげるための解熱剤・鎮痛剤などがあります。しかし、それでも妊娠中に服用していい薬は限られており、医師と相談してから服用することが必要です。また、自己判断で市販薬を服用することは避けるようにしましょう。何か不安な点があれば、医師に相談することをおすすめします。
最近は市販薬として、アレグラやアレジオンなど医療用と同等の薬も発売されています。基本的には同じように考えて問題がありません。
毎年よく相談を受けるのが、妊娠中や授乳中の治療です。薬を使うのは心配だし、かといって我慢するのは辛いし、妊娠中にくしゃみの拍子にお腹が張ったり痛くなったりすると不安を感じることもあるでしょう。
点鼻薬、点眼薬だけでは症状が治まらず、集中力がなくなるなど普段の生
妊娠中の薬剤の影響は、米国、豪州の基準を元に、また授乳中はHaleの基準を元に、日本では「今日の治療薬(南江堂)」という医学書が最も見やすく書かれていて、これを見ると、多くの抗アレルギー剤が、妊娠中もおおむね服用が可能とありますが、特に推奨されているものとして
妊娠と薬について知りたい方へ · 授乳と薬について知りたい方へ · 登録研究への協力の ..
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や、免疫機能の低下などが、もともと持っているアレルギー症状に影響する可能性があります。
よく『妊娠中に花粉症が悪化する』といわれますが、花粉症が悪化したように感じるのは、妊娠中に増加する女性ホルモンの影響により、アレルギー症状が起こりやすくなることや、妊娠により体内の循環血液量が増え、鼻粘膜(びねんまく)の充血や腫れが起こり、鼻づまりになりやすくなるためだと考えられます。
そのほかにも、普段より皮膚が敏感になり、いつも使っている化粧品が合わなくなることや、アクセサリーなどで皮膚が赤くなったり、かゆみが出たりすることもあります。
また、妊娠中は免疫機能や消化器系の機能が低下するため、食物アレルギーのような症状が出ることもあります。